エレガントな男性にもぴったりのジュエリー
舞台となったのは、東山の山頂から街を見下ろす「将軍家青龍殿」。日本でのイベントに合わせて特別に制作された新作のパリュールをはじめ、卓越した職人技とモダンな感性が宿る美しいジュエリーがゲストを魅了しました。
そして、クリエイティビティを表現したい人たちが世界中から集まり活躍しています。私もそのうちのひとりです。出身はトスカーナですが、自分の才能を発揮するなら、やはりミラノしかないと思い、今に至っています。
また、その一方でミラノには企業や会社も多く、厳格で組織的、高層ビルが立ち並ぶ都会的な街という側面もありますよね。この両極にある魂が共存することで生まれるクリエイティビティを表現しました。
── ハイジュエリーをデザインするうえで大切にしていることはありますか?
だから高価ではありますが、「ポメラート」のハイジュエリーは日常でも使いやすいのです。これは言わば私たちのミッション。レッドカーペットの上だけでなく、もっとさまざまなオケージョンでハイジュエリーを楽しんでいただきたいですね。
ヴィンチェンツォ 『サイレント グレー フラワーズ』はポメラートのクリエイティブな歩みにおける重要なマイルストーンとなるコレクションであり、メゾン初の完全なフローラルパリュールです。日本庭園の静かで穏やかな美しさにインスパイアされ、これまでのデザインの歴史から大胆に脱却したものと言えます。ポメラートの豊かなアーカイブを振り返ると、メゾンが1967年以来チェーンの制作を得意としてきた一方で、フローラルモチーフにはこれまで挑戦していなかったことがわかります。だからこそこのクリエイティブな進化は、金細工の伝統を尊重しながらも、ポメラートのデザインコードにおいて刺激的で新たな章を切り開くものになりました。
── グレーや深いブルーなど、シックな色石で花を表現しているのが新鮮です。
ヴィンチェンツォ 微妙にニュアンスが違うダイヤモンドやサファイアなどを使って、ミニマルなデザインに仕上げました。グレーという色はとてもエッセンシャルな色。日本には砂の上に模様を描き、水の流れや宇宙を表現する「枯山水」という文化がありますよね。水を使わずに、水の流れや光と影を感じさせる日本ならではの繊細な美的感覚を、この『サイレント グレー フラワーズ』では表現しています。
また、アシメトリーなデザインやあえてカットが異なる石を使い、イレギュラーなバランスにすることで、「ポメラート」らしさも表現しています。ネックレスはトップのチャームのみ取り外すことができる2wayで、さまざまな付け方を楽しめるので、着用するシーンが広がります。
ヴィンチェンツォ LEONの読者の方々は、とてもお似合いだと思います。ジュエリーをステータスシンボルとしてだけ選ぶのではではなく、デザインに惚れ込んでくださるエレガントな男性に楽しんでいただきたいですね。
ヴィンチェンツォ やはり『イコニカ』ですね。まず非常に「ポメラート」らしくエレガントです。また、男性が付けるとロックなムードも感じられ、意思を持った男性像を表現できます。ボリュームのあるバンドリングは男性の指にもなじみますし、新作のブレスレットを男性が身に付けると、エッジの効いたカッコよさが際立つと思いますよ。
また、『イコニカ』の新作ネックレスもコンテンポラリーな雰囲気がありながら、どこかにフックがある唯一無二のデザイン。エッジが効いていて、こちらも男性にオススメです。
ヴィンチェンツオ 『イコニカ』のリングや『ポムポムドット』のネックレスですね。「ポメラート」の工房で制作したオリジナルのジュエリーを合わせて付けています。オリジナルのジュエリーは、「ポメラート」のクラシックな色石のリングをチェーンに変えたり、ボリューム感を変えてみたりと、試作を兼ねている私にとって実験の場でもあるんです。
ヴィンチェンツォ 自分のクリエイティビティを表現する場ですが、それに以上に自分が生み出したジュエリーが、誰かにとって大事なものになるのが最大の喜びです。ファッションは瞬間的に熱が高まり、時とともにどんどん変わっていきますが、ジュエリーはよりタイムレスで、普遍的な価値のあるアイテムです。だからこそ手にした方の感情と結びつきやすく、思い入れも一層深まります。同じクリエイティブな世界でも、また別の価値観でなんですよね。
── 何世代も受け継いでいけるのも、ジュエリーの魅力ですよね。日本の金継ぎの技術で割れた石を修復したジュエリーコレクションも、サステナブルな考え方が素晴らしく、ジュエリーとしても素敵でした。
ヴィンチェンツォ ありがとうございます。4年ほど経ちましたけれども、素晴らしいプロジェクトだったと今でも思っています。日本で金継ぎを継承する活動をしているアーティストたちと進めたプロジェクトです。金継ぎは日本の誇る芸術ですよね。私自身、大変リスペクトを持っています。日本とのつながりを大切にしているので、訪問はいつもとても楽しみなんです。東京には何度も訪れていますが、実は京都は今回が初めてなので滞在を楽しみたいと思います。
● ヴィンチェンツォ・カスタルド
トスカーナで生まれ育ち、ルッカの美術学校を経てフィレンツェで建築を学ぶ。ミラノで勉学を修了した際にファッションの中心地であるミラノを自らの拠点とすることを決断。マランゴーニ服飾芸術学院のファッション・デザインコースを卒業後、メゾンブランドをはじめファッションの世界でキャリアを積み、2002年ポメラートチームに加わる。2015年よりクリエイティブディレクターに就任。エレガンスとエクセレンスの出会い、自由と卓越した技術の融合、情熱と手仕事へのこだわりで、飽くなき美の追求を表現している。
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