
長年愛用できるリアルな良品
「2018年SSシーズンのことですが、なにかスゴい革靴ブランドが現われたということで、当初ウチ(トゥモローランド)ではドレス部門のバイヤー陣がカルマンソロジー初の展示会にお伺いしたんです。しかし、どうやらカジュアル部門での展開のほうがウチにはハマるということで、改めて僕ら(カジュアル部門の)バイヤーチームがお伺いすることになったんです。そして実際に製品を拝見したところ、予想外に素晴らしいクオリティで、すっかりひと目惚れ状態(笑)。早速同僚と作戦会議を開いて異例の早さで展開させることになったんです」
カルマンソロジーとの出会いはビジネス上のものではありながら、あまりの惚れ込み具合から、まずは一足自ら買ってみたと田辺さん。
「最初に手に入れたのはチャッカブーツです。それまで、こういったフォルムの靴をあまりはくことはなかったのですが、カルマンソロジーのチャッカはエレガントな雰囲気のなかにミリタリー・ワーク的な男らしさが混ざっていて非常に僕好み。ラギッドな装いをシンプルにドレスアップできるところが魅力だと感じました」
ルックスもさることながら作りの良さに脱帽
「カルマンソロジーのデザイナーである金子さんは、非常に研究熱心な職人気質。日本人にマッチする足型はもちろん、ヒトの歩き方を考慮した、歪みをあえて加えた木型、それにライニングにまでこだわりを貫いています。汗を吸う革材であることに加え、1.2㎜に梳いたライニングは熱を使ってプレスしており、汗をかいて膨張することで、ぴたりフィットするように考えられているのです」
だから毎日でも快適に履けてしまうと語る田辺さんは、一時期制服よろしく毎日のようにこのチャッカを履いていたと振り返ります。
「ヘビーローテーションに加え生来の汗っかきである僕は、ソール交換に至るまであっという間でした(笑)。カルマンソロジーの良いところのひとつに、オールソールを随時受け付けているところが挙げられます。ソールをスグにダメにしてしまう僕も安心してはくことができるのです。ただし、問題はリペアに出している間、履くものがなくなってしまうこと。なんと言うかカルマン・ロス状態になってしまい、ついには同じチャッカをもう一足買ってしまいました(笑)」
名実ともに堂々のソロジストになった田辺さん。その熱は収まらず、続けてTEDS SHOESも購入したのだそう。
人を動かすのは何時の時代も真面目な製品
そんな田辺さんは金子さんの物作りの姿勢についても共鳴していると強調します。
「以前、金子さんに靴作りの面でお話を伺ったことがあるのですが、カルマンソロジーでは100年後も誰かに愛用されるプロダクトを目指しているとおっしゃっていました。だからこそ念入りかつ真面目な作りになのだと僕は思っています。良いものを長く使うという考え方は、我々トゥモローランドの理念ともリンクするもの。結局、洋服など装身具の本質はソコに尽きるのではないかと僕は信じています」




田辺雄一郎さん
SUPER A MARKET / LAND OF TOMORROW バイヤー
渋谷本店、ACNE STUDIOS AOYAMA、SUPER A MARKET青山店を経て、商品部門のバイヤーに。独自の審美眼で選びだされるアイテムは一見の価値有り。青山のアーカイブアイテムストア、SUPER DOT MARKETの発起人でもある。ビンテージウェアにも深い造詣を持つ。