ラルフ ローレン、グッチ他 メゾンブランドの「モテるスーツ」とは?【前編】

得てしてモテるオトコには、自分で決めた自分だけのルールがあるもの。ルールとはつまりこだわりや生き方。そんなマイルールを貫くオトコは、出る杭として目立つしやっぱり孤高で格好いいのです。そして社会の縮図のように多くのルールに縛られるワードローブである「スーツ」にはその人なりのマイルールが如実に表れます。さて、貴兄はどんなマイルールをお持ちですか？

スーツのVゾーンには、さまざまなルールがあります。それらは整ったVゾーンを作るには理に適ってはいますが、絶対的なルールではありません。それは、すべてのアイテムを柄で埋め尽くした、こんな着こなしを見るにつけ明らかです。

色調を抑え、柄目の大きさを変えさえすれば、洒脱にまとまるのですね。珍しいブラックウォッチ柄のベルベットスーツは、光の当たる角度によってダークグリーンやネイビーの無地に見えるゆえ、パターン・オン・パターンの合わせには最適。軽やかな仕立てで着心地も申し分なしです。

スーツのイメージといえば、かっちりとしていてストイックで、誠実感を演出するワードローブ。一側面しかとらえていないイメージに、従わなければならないルールはありません。

例えば「ドルチェ＆ガッバーナ」の新作は、漆黒のベルベット素材でフォーマルウエアに通じるドレッシーな艶感を演出。さらにベルテッドスタイルという独創的なデザインにより、脱ぐ所作にまでエレガントな色っぽさが漂う仕掛けです。スーツの呪縛に縛られていては味わえない、もうひとつの魅力を引き出す一着です。

端正なドレスウォッチ、クラシックなブリーフケース、誠実感溢れるメタルフレームのアイウエア。とかくスーツに合わせる小物には、真面目な印象が求められますよね。それはそれで有効ですが、モテるオヤジさんが常に携えていたいのが遊び心。お茶目な遊び心を秘めたギャップに女性はキュンとするからです。

で、スーツに遊び心のある小物使いが、そんなギャップの演出には効果的なのです。なかでも「グッチ」から昨シーズン新登場したシルエットは、1970年代から着想したワイドなピークドラペルや構築的な肩周り、フレアパンツが特徴。そのデフォルメされたフォルムは、遊び心ある小物と好相性です。“どんなシーズンでもグッチ”というメッセージが入る袖口のラベルもウィットが効いてます。

スーツに襟羽根付きのドレスシャツ。それは試行錯誤のなかで完成された、Vゾーンに調和をもたらす合わせです。しかし、シャツを合わせないリラックスした雰囲気のスーツスタイルもまた魅力を感じる。

そんなマイルールなアナタにオススメするのが、「トム フォード」の『アティカス』モデル。構築的な仕立てやワイドピークドラペル、ツープリーツのフレアパンツがクラシックな佇まいですが、絶妙なバランスでヘンリーネックやスニーカーとも好相性。それはクラシックとカジュアルがもたらす、いまどきな調和なのです。