ディオール、アルマーニ他 メゾンブランドの「モテるスーツ」とは?【後編】

得てしてモテるオトコには、自分で決めた自分だけのルールがあるもの。ルールとはつまりこだわりや生き方。そんなマイルールを貫くオトコは、出る杭として目立つしやっぱり孤高で格好いいのです。そして社会の縮図のように多くのルールに縛られるワードローブである「スーツ」にはその人なりのマイルールが如実に表れます。さて、貴兄はどんなマイルールをお持ちですか？　

「伝統を大切にし、同時に尊大である大胆さをもつ。このふたつはどちらがなくても進むことができないのです」。これはかのムッシュ ディオールが遺した言葉。そして今回紹介する新作ジャケットにも、その思想は受け継がれています。

クラシックなテーラードジャケットのラペルに、ジッパーで共地のフリンジ付き大判ストールが着脱できる革新的なデザイン。単品のストールとはひと味違った、これまでにない巻き方が楽しめる。またストールを外せば、シックなジャケットとしても着用が可能。まさしく伝統と大胆な発想が織りなす、一歩も二歩も進んだモードなジャケットではないでしょうか。

スーツのVゾーンを、アタマで考えていざタイを結んでみると、なんか違うなとなったり。ならばいっそ、自分のなかでVゾーンのマイルールを作ってしまえばいい。とりわけオススメなのが、スーツからシャツ、タイまで、すべてのアイテムを同系色で揃えるワントーンコーデ。これが実に簡単なうえにモダンで洒脱に見え、よりスーツを楽しめるのです。

で、そんなワントーンを今季数多く提案しているのが「エルメネジルド ゼニア」なのですね。ブラウン系で揃えた新作スーツは、独自のカシミアコットン素材「カシコ」製で柔軟さと軽さ、高級感のあるなめらかな肌触りを味わえます。繊細な艶でワントーンも平板になりません。

スポーツマインドを備えるオトコは、やっぱりエネルギッシュで若々しいですよね。それはファッションも同じであり、どこかにスポーティな要素を加えると俄然装いが若々しく見えるもの。

そんなマイルールをスーツに応用するならば、「モンクレール」のダウンコート『ヴィレーヌ』がうってつけです。グレーフランネルの表地はどんなスーツとも好相性であり、ジャケットに羽織れるシルエットながらも着膨れ感はなし。ダウンを直接封入する手法で軽量性にも優れています。スポーティなのにスーツと抜群にマッチし、決してあざとくないのがいいんだな〜。

かつての知識人たちは、自分の信条を服装で体現することをいといませんでした。そんなインテリジェンスの象徴として好まれたのが、やや幅広なバンドカラーであるグルカラーのスーツです。

そんなグルカラーを採用した「ジョルジオ アルマーニ」の新しいスーツは、知性や信条をスーツに込めたいオヤジさんにこそ袖を通してほしい一着。首元までボタンを閉めると実にストイックでインテリジェンスが漂いますが、開けるとシングルライダーズのようにスポーティな雰囲気になるという、振り幅の広さも魅力です。

幅広ピッチのストライプ生地は非常に柔軟かつ軽量なウールカシミアジャージー素材であり、得意のアンコン仕立ても相まってカーディガンのようにノンストレスな着心地。パンツは裾リブ付きのワンタックで、上下単品でもそれぞれ活躍すること間違いなしかと。