"なりたい自分"を叶える視線誘導には「無地スーツ」が最高の下地、説

部屋にポツンと置かれた白い脚立。それを登って吊るされた虫眼鏡で天井を覗くと、小さな“Yes”の文字が浮かび上がる。これはジョン・レノンが鑑賞したことで、オノ・ヨーコと愛を育む契機となった彼女の芸術作品「天井の絵」。

ここで着目したいのが、あからさまに主張するより視線を誘導していくことで最後のメッセージが際立ち、逆に強く訴えるということ。これはぜひともスーツにも応用すべきであり、そんな視線誘導に最適なのが無地スーツなんですね。

つまり主張したいことや、なりたい自分をスーツではなく小物に込め、無地スーツを合わせる。すると、スーツが下地となって小物を際立たせ、より明確に意図を相手に伝えられるという仕掛け。

また無地は控えめゆえ、自分ではなく女性を立てるというスーツ本来の意義も十分。ぜひ彼女の視線を奪うだけではなく、スーツで導いてくださいな。

スーツ姿でも、カタくない。そんなスーツが板に付いた素敵な男を演出できるのがほんのりと色づいた、ベージュのシャツ。それを柄モノではなく、王道無地のスーツで合わせる。すると、ベージュが際立ち、スーツが遊び着っぽく見え柔らかな印象で親しみも感じさせます。

王道シンプルなスーツスタイルも、シャツがベージュなだけでご覧のように遊んだ雰囲気に。またどんなカラーのスーツとも合わせられる利点もあり、一枚あると重宝確実ですよ。

スーツ姿が洗練されていて、何かにつけてスマート。Vゾーンがモダンになるヴィンテージ風味のタイなら、そんな洒脱な男性像を表現できます。マットな質感が選びのポイント。

幾何学柄とプリント技法により、スマートな雰囲気のヴィンテージタイ。カーキベースの配色が合わせやすく、一本で印象が変わる主張の強さも魅力。

パンツと靴の間から覗くほっそりした足首は男の色気を醸す絶好のポイント。その際細さとセクシーさを強調するのは、ストライプではなく実のところ、ボーダーのソックスなのですよ。

人間は垂直より水平方向の視野が広いため、縦横の認識に誤差が生じ、ボーダーのほうが縦に長く見えます。色気があり、合わせやすいボルドー×ネイビーが◎。

スーツで茶目っ気のある男をアピールするのは高難度ですが、無地スーツ＆小物なら容易。で、活躍するのがカラーソールのドレスシューズです。チラ見えするたびにお茶目な遊び心を醸せます。

ココンチのアイコンカラーであるオレンジのソールは、茶目っ気を演出しつつも黒革とのコンビが都会的。なかでも、得意のミニマルなバックルシューズは、無地スーツ同様にオレンジソールの下地の役割を果たします。