2017.10.21
ほぼ誰も知らないメガネのウンチク【4】かけ心地が決まる"蝶番"って?
フロントとテンプルをつなぐ「蝶番」は、フレームの性能の決め手。メガネの基礎知識のトリを飾るのにピッタリの重要パーツです。
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写真/蜂谷哲実(hachiya studio) 文/瀧川修平
"蝶番"はこうしてできる
強度バランスが均一な0.8㎜のβチタンシートを、最新型のレーザーマシンで蝶番用にカット。1/100㎜の精度を必要とするパーツだけにプログラミングされた最新マシンで作業を行います。

シートからカッティングされた蝶番パーツの厚みを整え、弾力性を向上させるため、専用マシンでプレス。一本一本手作業でセットしなければならない、気の遠くなる作業だそう。

仕上げと艶出しのため、一枚ずつ職人が手磨き。完成したパーツは1/100㎜の精度で削り出されたフレームWスリットに組み込まれ、ネジ留めされます。大変高度な2次加工技術です。

世界初のβチタン製「ダブルJ蝶番」
6㎜厚のセルロイドフロントと珍しいグリーンテンプルをドッキング。洒脱なバイカラーウエリントンに仕上げました。


ココに注目!
その名の通り、Jの字をした蝶番。高い弾力性が快適な着脱を可能にします。
長所で選ぶ"蝶番"のイロイロ
Hinge 01 シンプルを極めた「スパルタ蝶番」
ロウ付けを一切行わない切削で仕上げた蝶番と、掛けやすい高さの一山、リムの微細なコインエッジが見ドコロ。


ココに注目!
蝶番にロウ付けがないと、フロントからテンプルにかけて流れるようなラインになるのです。
Hinge 02 堅牢な「5枚蝶番」
着脱時の負荷が大きいボリューミーなフレームほど、蝶番の堅牢性が問われます。アヤメの「アトモス」は、ガッチリと噛み合った5枚蝶番を搭載。それを留めるピンも3本ずつと、丈夫な作りも見どころです。


ココに注目!
裏から見ると板が5枚あるのが分かりますね。これが5枚蝶番の名の由来。3点鋲もデザインのアクセントになっています。
Hinge 03 秀でた性能の「逆Rヒンジ」
蝶番へのひと工夫といえば、フォーナインズは外せません。弾性のあるチタン素材の逆Rヒンジが、着脱時の負荷を軽減。フレームごとに力のバランスを見極め、最適なパーツがゼロから作られています。


ココに注目!
逆Rヒンジは、フレームの印象との相性を考慮してそれぞれ作られています。使用時に生じる負荷を解消して、フレームの歪みや型崩れも防ぎます。
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