固定されたイメージを自分流にアレンジ
「“男前”という考え方は、きっと人それぞれ。僕自身にしても複数の切り口があるように感じます。ひとつは男らしいアイテムを男らしく着ること。しかし、固定された服のイメージに振り回されてしまうのは、個人的にお洒落だとは思いません。自分流にアレンジできて、はじめてファッションに昇華するのだと感じます。そういう意味でレザーライダーズは、着こなし甲斐のある特別なアイテム。反骨やロックのイメージの強い一着ですが、僕はそのままに羽織るのではなく、テーラードを意識し装うことで自分らしいエッジが出ると考えています。
◆ お気に入り男前スタイル
武骨な革ジャンを“黒ジャケ”として装う
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ライダーズが製品としてしっかり作られていた1970年代。ヴィンテージのルイスレザーのなかでも西口さんは、各所にキルティングパッドの入ったレーシーな一着をチョイス。確かに武骨ですが、プリーツ入りのスラックス、ベルベットスリッパにモノトーンに絞ったコーディネイトは、どこかストイックでスタイリッシュ。単なる不良スタイルを超えた男前なエレガントスタイルに仕上がっています。
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◆ 俺の男前服自慢 「スーツ」
英国生地、ナポリメイドのスーツこそ至高
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「昨今はテイラードスーツもバリエーションが多岐に渡ります。しかし、伝統的な素材で自分の体格にしっかりフィットした一着を着ることも、ひとつの男前。個人的には英国らしい重厚な素材を用い、完成されたテーラードの技術文化を持つナポリにて仕立てた一着こそ、男前スーツの究極だと思っています」。
西口さんが考える男前スーツとして今回紹介いただいたのは、アルフォンソ シリカのオーダーメイド。ずっしりヘビーな英国製フォックスフラノを用いた一着は、十分な存在感を放つ仕上がり。男前に見せるポイントとして、自分の体型にフィットしていることも大事と強調する西口さん。
「作り手の匂いが消えぬ程度に、随所に僕なりの補正をオーダーしています。僅かに長めの着丈や、今の気分に合わせた太めのパンツ、それらに合わせたボタン位置や股上などなど。本当の意味でフィットしたスーツは、さまざまなアレンジスタイルに応用可能。シンプルに着こなすだけで、男前に仕上がります(笑)」
◆ 俺の男前服自慢 「ジーンズ」
“ザ・普通”を自分らしく着こなす愉しみ
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「ワークパンツを出自とする501は、年代を重ねてスタンダードなカジュアルパンツの代表格へと進化しました。一見、なんでもないデニムのパンツですが、それだけに自分流のアレンジを加えて着こなさないと、ファッションとして成立しません。言わばそういった“ザ・普通”なところが、お洒落心を刺激するポイントです。なかでもヴィンテージ501は、ワーク時代のラギッドな手触りやインディゴの美しさを適度に残しているアイテム。また、ヴィンテージゆえに一期一会的な出会いがあることも、特別な思いを引き起こしてくれるんです。そういった歴史の積み重ねも踏まえ、自分らしく着こなせたとき、ちょっと男前に近づけたんじゃないかと感じますね(笑)」
◆ 男前インスタグラム
インスタに投稿している数々のスタイリングは、まさにファッション誌クオリティ。今回紹介いただいたアイテムの着こなしバリエーションもアップされています。
● 西口修平 / ビームスF バイヤー
1977年、大阪府生まれ。学生時代に始めたビームスでのアルバイトを経て、ビームスに就職。大阪での10年間の販売経験を積んだ後、東京オフィスに勤務するアシスタントバイヤーへ。2014年から現職。インスタグラム等のSNSでもその装いテクニックは注目を浴びている。リーバイス501やアンティーク時計など、ビンテージアイテムへの造詣も深い。