世界最大規模のメンズファッションの見本市
それでも、開催にこぎ着けただけでも本当に素晴らしいと思います。会場の設営も簡素で来場者数もいつもとは比べ物にならないくらい少ないのですが、会場にはファッションの祭典を皆で盛り上げようとする幸せな空気に満ち溢れていました。6月29日のイタリアのCovid-19の感染者数は776人。一時の惨状からは大幅に回復していて、今では日本より落ち着いた状況にあります。ファッションはイタリアにとって第二の産業なので、ピッティはコロナからの復活を象徴するイベントとしても重要な役割を担っているのです。
その分、来場者は事前に登録した者のみ許可され、ワクチン接種者から入場48時間以内のPCR陰性証明書の提示が義務付けられています。会場のパッソ要塞の目の前のヴァルフォンダ庭園には、10分ほどで結果の出る無料のPCR検査場が設けられ、そこで発行された陰性証明書を提示すると入場できる仕組みです。
地下のフロアを歩いていると、見覚えのある方がいらっしゃいました。ミラノをベースにファッションコンサルタントとして活躍されている日本人の三浦さん。現在はナポリ発のパンツブランド「BRIGLIA 1949(ブリリア 1949)」のデザインを一部手掛けている凄いお方です。
現地からお届けします! 海治郎のパリコレ&ピッティ どす恋(こい)日記
● 増田海治郎
1972年埼玉県出身。神奈川大学卒業後、雑誌編集者、繊維業界紙などを経て、2013年にフリーランスのファッションジャーナリストとして独立。メンズとウィメンズの両方に精通しており、モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをもカバーする。