2021.07.17
敏腕スタイリストが指南。夏靴の着こなし術【村上忠正編】
薄着の夏スタイルを支える重要アイテムであるシューズ。本誌等で活躍する敏腕スタイリストは、一体どんな一足を愛用しているのでしょう? そこでコーディネートとともに愛用の夏靴スタイルを見せていただきました。
- CREDIT :
写真/大森 直(TABLEROCK inc) 文/長谷川 剛(TRS)
軽快感と品格が両立できるジャコメッティ
リアルでありながら大人の渋味を感じさせるスタイリングは、まさに絶妙。もちろん夏靴に関するチョイスや着こなし方も、ムラチュウ節をしっかり効かせた“濃い味”でした。
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「やっぱり夏の暑いシーズンは、サンダルを履いて足下からホットな季節感を演出したいもの。実際に通気性も優れているので、ぜひ夏のワードローブに取り入れたいカテゴリーです。僕も若いころはビーサン(ビーチサンダル)なども履きました。しかし40、50歳を過ぎた頃からシックな存在感が欲しくなるもの。いろいろ試しましたが、ジャコメッティのサンダルが一番僕のテイストにマッチするように思っています。
なかでもヒールを覆う部分を備えたモデルがベスト。シューズ然とした雰囲気をもつので、カッチリ着込んでも上下がチグハグに見えないのです。とりわけジャコメッティはクラシックシューズのツボを押さえたデザインゆえに、軽快でありながら大人の品格を兼備しているところがポイント。トラッド的でありアクの強いアイテムと合わせても、それに負けないポテンシャルをもっているように感じます」
柄ジャケットの存在感に負けない強い足下
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「夏はどうしても薄着が基本ゆえにインパクト不足になりがちです。しかし総柄入りのコットンジャケットなら、軽快でありつつ存在感もばっちり。エンジニア ガーメンツのジャケットはペイズリー柄のテイラードスタイルですが、堅苦しくなくシャツのように羽織れるもの。白無地シャツを中に着込むことで、派手過ぎに見えることもありません」
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「このジーンズは昔からはき続けているリーバイスの66。サックスブルーに近いと言うか、万遍なくキレイに色落ちしているところが夏向きです。男らしくありながら爽やかさも演出できているように思います(笑)。こういった装いの時にはスエードスリッポンなども良いのでしょうが、もう少しだけ自分らしいクセがほしい。そんな時、ジャコメッティがピタリとハマるのです」
スーツスタイルなのに堅苦しくなく小粋
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「このシアサッカースーツはエムズブラックのもの。もう8年くらい夏の一張羅はコイツです(笑)。プレッピーなイメージの強いシアサッカーですが、紺無地の一着ならば非常にシック。リネンのシャツと合わせるだけで、失敗なく夏のキメスタイルが完成します。ただしこういったコーディネートはある意味普遍的かつ王道です。季節感や押し出しの強さ、それに大人の重厚感をも表現する意味で、ジャコメッティのグルカサンダルは、やはり最強の一足。ダークスタイルには足下もブラックがマッチします」
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「カジュアルスタイルの時に見せたシルバーバックルではありませんが、ヴィンテージ・アイテムは味わいを添える意味でジャストなアイテムです。この時計は1940年代と思われるエルジンのレクタンギュラー。ゴールドブレスゆえにアクセサリー的な要素を放ちますが、リアルなゴールドブレスレットほど押しつけがましくないところが魅力です」
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● 村上忠正
1969年、東京生まれ。21歳の時に当時スタイリストであった鈴木卓爾氏に師事し、その後独立。メンズファッション誌やタレント、広告等でのスタイリングを中心に活動する。特にメンズの成熟したドレスコーディネートテクニックに定評あり。昨今は谷原章介氏のスタイリングも重なり多忙を極める。