2021.08.04
プロが伝授。大人は夏、どんな靴をどう履くのが正解?【吉野 誠編】
お洒落の基本は足元から。ですが、ついつい夏は、足元から脱力してしまうことが多いかと。大人は“夏靴”をどう選び、どう活用するのが正解か? その答えを導き出すべく、敏腕スタイリストの“夏靴”活用法に注目してみました。今回は、LEONでもおなじみ、吉野 誠さんの夏スタイルに迫ります。
- CREDIT :
写真/鈴木泰之(Studio log) 構成・文/長谷川茂雄
夏靴は、ちょいドレスアップでバランスを
確かに、どちらも誰しもが納得する“夏靴”ではありますが、そのこなし方には、吉野さんならではのルールがあるようです。
「夏は、気がつくと楽な方に流されてしまいます。サンダルと白スニーカーは、リラックスしたムードを演出しやすく、夏にぴったりですが、一歩間違うと単なる脱力スタイルになってしまうので注意が必要です。自分は、適度にドレッシーな要素を“盛る”ことを心がけています」。
なるほど、開放的な夏こそ「気を抜くべからず」というのは一理あります。では、ドレッシーさを加えるには、コツがあるのでしょうか?
「たとえば足元がサンダルで、トップスがTシャツという2つのカジュアル要素があるならば、それを緩和するドレッシーな要素を同じような分量で加えればバランスが取れます」。
そう言われると簡単そうですが、リラックスムードのある夏靴を、ちょっとだけドレスアップしてバランスを取るとは、これいかに……?
百聞は一見にしかず! ということで、わかりやすく実例を見せていただきました。
◆ 吉野さんの夏靴 #01 「ビルケンシュトックのチューリッヒ」
ソックス合わせ前提で履く不朽の名作
![▲ バッグ13万4000円/リモワ(リモワ クライアントサービス)、コート8万9000円/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店)、パーカ14万6000円/マロ(三崎商事)、パンツ2万6800円/ルクシー(同興商事)、シューズ5万9000円/フィリップモデル(トヨダトレーディング プレスルーム)](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130118360142/1600/YOSHINO_016.jpg)
「もう何足も履き継いできた大好きなモデルです。トング系とは一味違う落ち着いた雰囲気と、何よりソックスを合わせるだけでサマになるデザインは、群を抜いて汎用性が高いです。あらゆるサンダルを履きましたが、結局これが自分の鉄板。特に黒のスエードモデルは、使い勝手がよくて無敵です(笑)」。
モノトーンを貫いて、あくまでシックに
![▲ バッグ[W21.5×H13×D7cm]13万4000円/リモワ(リモワ クライアントサービス)、コート8万9000円/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店)、パーカ14万6000円/マロ(三崎商事)、パンツ2万6800円/ルクシー(同興商事)](https://assets-www.leon.jp/image/2021/07/19054832450902/0/YOSHINO_005.jpg)
言うなれば革靴を履くように、シックにサンダルを履く。それを手軽かつスマートに実践できるのが、チューリッヒだと吉野さんは説きます。
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/07/19054838912011/1600/YOSHINO_009.jpg)
「まず、白ボディにモノクロプリントなら、それだけでカジュアルさを緩和します。さらに、最近のマイブームでもあるフロントいっぱいに大きくプリントされたフォトTの場合、体型をさりげなく隠せるという効能もあります」。
ちなみに、この日吉野さんが着ていたのは、かのアンディ・ウォーホルの巨大プリントを施したザ・インターナショナル・イメージズ・コレクションのもの。ファッション界でも名高い、写真家ヘルムート・ニュートンの作品をフィーチャーした1枚です。
大きめサイズをタックインするというテクニックも、Tシャツが品良く見えるので、ぜひ参考に。
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130215931157/1600/YOSHINO_011.jpg)
「モノトーンの夏スタイルは、どうしても地味になりますから、小物は大きさや形にインパクトのあるものを意識的に着けます」。氏曰く“ちょっとやりすぎかな”くらいがちょうどいい。特にサンダル履きの際は、小物で大人らしさを強調するのが吉となるようです。
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130233874349/1600/YOSHINO_015.jpg)
また、ほどよくぽってりとしたフォルムは、「テーパードのかかったくるぶし丈のスラックスと、ボリュームバランスが取りやすい」とのこと。
◆ 吉野さんの夏靴 #02 「スプリングコートのハイカットキャンバススニーカー」
クリーンさを増幅する雑味のない白スニ
![▲ パンツ6万円/ニート(にしのや)、ブルゾン14万9000円/ヴァルスター(八木通商)、シャツ2万5000円/ジャンネット(トヨダトレーディング プレスルーム)、スカーフ9000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ)、リング3万4000円/トムウッド(ステディ スタディ)、シューズ7万円/パラブーツ(パラブーツ青山店)、その他スタイリスト私物](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130249786929/1600/YOSHINO_030.jpg)
「素足でローカットモデルを履くことも多いですが、この雑味のない爽やかなスニーカーの魅力は、ハイカットの方がより活かせることに気がつきまして。今年の夏は、大活躍の予感です(笑)」。
スーツを合わせるなら遊び心も忘れずに
![▲ ブルゾン14万9000円/ヴァルスター(八木通商)、パンツ6万円/ニート(にしのや)、シャツ2万5000円/ジャンネット(トヨダトレーディング プレスルーム)、スカーフ9000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ)、リング3万4000円/トムウッド(ステディ スタディ)、その他スタイリスト私物](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130307402637/1600/YOSHINO_018.jpg)
しかも真っ白なキャンバス仕様なら、「重たく見えないので、爽やかさも夏らしさも損なわない」のが利点。
スーツは、イタリア南部の伝統を継承するラトーレのもの。ネイビーは、言わずもがな白スニーカーのクリーンさを引き立ててくれます。
![▲ シューズ7万円/パラブーツ(パラブーツ青山店)、パンツ6万円/ニート(にしのや)](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130325096802/1600/YOSHINO_021.jpg)
インナーに着ているのは、古着屋でたまたま出会ったレインスプーナーのヴィンテージシャツ。「ノートルダム大学アメフト部のオリジナルですが、アロハっぽい総柄は、夏スタイルのスパイスにもってこいです」。
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130334741666/1600/YOSHINO_023.jpg)
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130349651248/1600/YOSHINO_028.jpg)
“あぶみ”を模したケースに特徴のあるラルフ ローレンのスティラップは、チラ見せでも存在感は抜群です。
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130357495601/1600/YOSHINO_025.jpg)
ちなみに、太めのパンツをはく際は、ボリューム満点のバスケットボールシューズを合わせることもあるのだとか。吉野流“夏靴ドレスアップ術”、ぜひ、参考にされたし!
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/08/04130539033046/0/torimi.jpg)
● 吉野 誠(よしの・まこと)
1977年生まれの44歳。千葉県出身。LEONのみならず、多くのファッション誌、ゴルフ誌、広告ビジュアルほかで活躍中。テイスト、ジャンルに囚われない幅の広いアレンジコーデが持ち味。ストレス解消法は、もっぱらゴルフ。時間ができると古着店にふらりと立ち寄っては、レインスプーナーを筆頭に、ヴィンテージウエアを買い漁ることも。