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2021.09.09

プロに聞いた。夏→秋の変わり目に、どんな靴をどう履くのが正解?【高橋ラムダ編】

少しずつ本格的な秋の足音が聞こえてきたこの頃。とはいえ、まだまだ日中汗ばむ日があったりと、服選びには頭を悩ます時期ですよね。こんな季節の変わり目は、足元から徐々に季節感を変えるのが吉のようです。スタイリスト高橋ラムダ氏に、この時期の靴選びとスタイル変化のポイントを聞きました。

CREDIT :

写真/鈴木泰之(Studio log) 構成・文/長谷川茂雄

サンダルをローファーに履き替えて秋の準備を

モード誌や広告などを中心に、多くのファッションビジュアルを手がける高橋ラムダさん。あらゆるジャンルを超越したモノ選びと感度の高いスタイルには定評がありますが、そんなファッショニスタに、夏終わり〜秋の中途半端な時期に、どんなスタイルをすべきかを伺いました。

そのポイントは、足元にあるようです。ラムダさんは、特にこの時期、ローファーの活用頻度が増えるとのこと。

「自分は、夏から秋にかけての時期に、ローファーをよく活用します。ここ数年は、10月の初旬ぐらいまで暑い日が続くことも当たり前で、サンダルを履きたくなることもあります(笑)が、秋の始まりは、足元をローファーに変えることで、夏とは差別化することを意識しています」

夏の余韻を残したスタイルでも、足元をローファーにすれば、真夏のそれとは一線を画したスタイルになる。確かに、エスパドリーユやサンダルが、革のローファーになるだけで、イメージは変わります。

「9〜10月初めまでは、“遅めの夏休み”のようなリラックスムードのある格好をすることが多いです。ショーツは本格的に日中涼しくなるギリギリまではきますし、ウエアも涼しげな夏素材を長く活用するようになりました。気候変動で残暑が長くなっていると感じますが、自分もそれに対応しています(笑)」。

涼しい日は、ジャケットを羽織る、もしくはショーツをフルレングスのパンツに変えるなど対処はするものの、秋が本格的に深まる時期まで、暑さに対応できる=快適な格好をするのがラムダ流のようです。

ローファー選びを中心に、そんな彼の夏終わりのスタイルを見せていただきました。
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◆ 夏終わりに履くローファー #01 「パラブーツ」

ありそうでないコンビ仕上げの名モデル

▲ バッグ13万4000円/リモワ(リモワ クライアントサービス)、コート8万9000円/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店)、パーカ14万6000円/マロ(三崎商事)、パンツ2万6800円/ルクシー(同興商事)、シューズ5万9000円/フィリップモデル(トヨダトレーディング プレスルーム)
チロリアンシューズの定番モデル“ミカエル”のローファー版として名高い“ランス”。こちらは、インターナショナルギャラリー ビームスが別注したもので、白と黒のコンビになったアッパーが目を引きます。

「ローファーでありながら、これだけボリュームがあるモデルは、なかなかありません。華奢でシュッとしたフォルムとは一味違って、こちらのタフな見た目は、ヘビーアウターを着る秋冬まで重宝します。それでいて、コンビ使いがモダンで軽装にもマッチするので、今の時期におすすめです」。
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遅めの夏休みをイメージしたセットアップ

▲ バッグ[W21.5×H13×D7cm]13万4000円/リモワ(リモワ クライアントサービス)、コート8万9000円/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店)、パーカ14万6000円/マロ(三崎商事)、パンツ2万6800円/ルクシー(同興商事)
大前提として、ローファーはどんなモデルであっても「スリッパ感覚でラフに履く」というラムダさん。それゆえ、ユルりとしたセットアップを合わせることが多いといいます。こちらはニューヨーク発リチャードソンのレーヨン仕様のもの。

パジャマとしてもそのまま活用できそうな柔かな素材のものを、あえてハイウエストでタックインしてよそ行きスタイルに。リゾート地の周辺を散歩するときのような気の抜けたスタイルは、真夏の余韻を漂わせます。
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ゴールドアクセを、あえてジャラジャラと着けるのがラムダ流。とはいえ、「10Kや14Kを厳選しているので、重ね付けしてもいやらしく見えないのがポイント」。夏の間に日焼けした肌にもすんなりとマッチします。

ちなみに時計はカルティエのタンク アメリカン。ヴィンテージならではの鈍い光沢が、「喜平タイプのチェーンと好相性」とのこと。
この時期のローファーは、「まだ素足で履きます」。本格的にもう少し涼しくなってきたら、「一度クリーニングに出して、消臭して冬に備える」のが恒例行事とのこと。

ボリューム満点のラバーソールはゆったりとしたパンツにも合わせやすいため、これからの季節は、特に活躍します。
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◆ 夏終わりに履くローファー #02 「クロケット & ジョーンズ」

スエードのローファーこそ品を上げる鉄板靴

▲ パンツ6万円/ニート(にしのや)、ブルゾン14万9000円/ヴァルスター(八木通商)、シャツ2万5000円/ジャンネット(トヨダトレーディング プレスルーム)、スカーフ9000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ)、リング3万4000円/トムウッド(ステディ スタディ)、シューズ7万円/パラブーツ(パラブーツ青山店)、その他スタイリスト私物
夏のサンダル履きから、初秋のスタイルに足元をアップデイトさせるなら、「まずは、スエードのローファーに履き替えるのがお手軽な方法です」。

軽快にして上品。こちらは、ラムダさんの定番、クロケット & ジョーンズのコインローファー。同ブランドは、木型の種類が多いことで知られる老舗ですが、ラムダさんは、「あくまでスリッパ感覚で履くので、多少かかとが抜けるのを気にせずに、足入れがしやすいサイズをチョイスします」。
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ミリタリー✖️リゾートがテーマの脱力スタイル

▲ ブルゾン14万9000円/ヴァルスター(八木通商)、パンツ6万円/ニート(にしのや)、シャツ2万5000円/ジャンネット(トヨダトレーディング プレスルーム)、スカーフ9000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ)、リング3万4000円/トムウッド(ステディ スタディ)、その他スタイリスト私物
好きなパリのブランド、カサブランカのリネンシャツと、フランス軍のヴィンテージショーツをセレクト。ここで足元がサンダルやエスパなら、夏全開ですが、スエードのローファーで引き締めるのが「夏終わりの第一段階」。

リゾートムードのある柄シャツとミリタリー由来のショーツという、一見テイストが異なるアイテムの合わせですが、「ローファーも含め、アース系カラーを意識して統一感を出しています」。
▲ シューズ7万円/パラブーツ(パラブーツ青山店)、パンツ6万円/ニート(にしのや)
ゴールドアクセ同様、通年でラムダさんが取り入れるのが「大好きなオレンジ色のアイテム」。こちらの軽量メタルフレームのサングラスは、「マイキータ」のもの。

「秋冬だと何かと分量が増える沈んだアース系カラーのアイテムと、オレンジはすごく相性がいいんです。ビタミンカラーは真夏が似合うと思われがちですが、秋以降も効果的な差し色になりますし、自分は多用します」。
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シャツは、オーバーサイズで七分袖感覚で合わせています。こちらもかなりハイウエストにしたタックインがポイントに。

肌寒い日は、ここにジャケットを羽織ってもOK。チノショーツをチノパンに変えるのもあり。ショーツにせよパンツにせよ、「タックの入ったものをゆったりはくのが気分です」。

ちなみに多くの国旗のようなグラフィックを描いたガチャベルトは、「ヴィンテージショップでたまたま見つけた」年代不明の逸品。
スエードのローファーもやはり素足履き。かかと抜けを気にせず履くため、かかとの内側には、「内張りをして、補強することが多い」という。

「今は、もう少しだけ夏の終わりを楽しむ時期」だというラムダさん。サンダル履きから、ドレス靴やブーツに突然スイッチするのではなく、ローファーをうまく活用するというのは、スマートに装いを変化させる心構えとして、ぜひ参考に!

● 高橋ラムダ(たかはし・らむだ)

1977年、東京生まれ。大手セレクトショップの販売員や、ファッション&カルチャー誌の編集アシスタント、ヴィンテージウエアのバイヤーなどを経て、2005年にスタイリスト白山春久氏に師事。2008年独立後、多くのファッション誌、広告、映像等をフィールドに活躍中。ジュエリーやアパレルを展開するブランド、「R.M GANG」のディレクターも務める。YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/LambdaTakahashi
インスタグラム:
https://www.instagram.com/tkhslmd/


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