2軒目を探してほろ酔いで奥渋をウロウロ……
「さっきはワインだったから、日本酒がいいなぁ。となると和食……かなぁ」
いいですねぇ、行ってみましょ!
「立呑み なぎ」
さすが自他ともに認める立ち飲み愛好家の秋ちゃん、お目が高い。こちら「立呑み なぎ」は、昨今、立ち飲みのお店が急増中の渋谷・百軒店のなかでも草分け的存在の立ち飲み店なのでした。
渋谷で飲むことはあまりないという秋ちゃんは、「このあたりって、立ち飲み屋がたくさんあるんですね。知らなかった!」と目をキラキラ。店主の甲田力さんによれば、「ここ2、3年で増えてきた印象です。僕がこの店を始めた9年前はまだほとんどなかったですよ~」と。
「妻が福島出身なんです。店を始める前に福島に行った際、その多様性に驚きました。それならば福島のお酒だけで店をやってみようと思ったんです」と甲田さん。
「東京ではなかなか飲めないお酒も取りそろえていますよ」という声に、秋ちゃんがさらに目をキラキラさせています。
「日本酒でかんぱ~い!」
「飲み始めたのは5年ほど前です。北海道の実家に帰った時、母と行った札幌のお店で出してもらった大吟醸がびっくりするくらい美味しくて、これまで持っていた日本酒のイメージが覆されました。こんな上品で、華やかな日本酒があるんだってすごく感動して、それからです。だから日本酒歴はまだ浅いんですよ~」
そんな秋ちゃんは、この秋、日本酒「秋華七 -AKIHANA-」をプロデュース。「女性にも楽しんでもらえる日本酒を作りたい」という思いを込め、杜氏とともにイチから仕込んだ純米吟醸酒なんだとか。
「吟醸系の華やかなお酒が好きですが、なんでも飲みますよ(笑)。日本酒は、自宅にも何本か常備しています」
「町中華で飲んでる番組、いつも見てるけど、けっこう飲んでるよね」と甲田さんが声をかければ、「ありがとうございます。お酒、本当に好きなので」と秋ちゃん。いいね、こういうコミュニケーションも立ち飲みならではの良さかもしれません。
「出汁がしっかり感じられるけれど、やさしい味わいでした。なんかポカポカしてきちゃった。これ、〆はどうするんですか?」と秋ちゃんが聞けば、「待ってました」と甲田さんが出したのは某コンビニエンスストア製の冷凍うどん。
え、セブン? と一同ずっこけましたが、長年の試行錯誤の末にこれがいちばん手軽で美味いという結論に達したのだとか。たしかに美味しかった。
「私、二日酔いになるのが本当にイヤなんですよ。なので、二日酔いにならないように最善の配慮をしながら飲むようにしています」と言うので、「ミラグレーン」や「ヘパリーゼ」などサプリの話題でひとしきり盛り上がりました。いいですね、酒呑み共通の話題(笑)。
「ありです、ありです。でも2回目以降……、少し仲良くなってからがいいな。私が知っているお店に連れまわしたいなあ」
立ち飲み屋でなくても、デートは一緒にお酒を楽しみたいんだよね。
「はい、一緒に楽しく飲める人が理想です! 注いで、注がれて、のコミュニケーションが楽しいし、お酒が少し入っているからこそ、話せることもあったりするし(笑)」と、グラスを手にたおやかに笑う秋ちゃん。噂に違わぬ、いえ、それ以上の日本酒好きのようですね。
店を出ると、すっかり日も暮れていました。お酒で体が火照っているせいか、冬のピりッとした冷たい空気が気持ちよく感じます。「もう1軒どこか寄ってきます?」なんて言いながらも、秋ちゃんは少しフワフワとした足取りで奥渋の路地へ消えていきました。
あの後は、どんなお酒を楽しんだのでしょう?
(渋谷・百軒店を飲み歩く前編はコチラ)
◆立呑み なぎ
住所/東京都渋谷区道玄坂2-20-7
予約・問い合わせ/03-6416-5257
営業時間/17:00 〜 24:00
定休/日曜、祝日
● 高田 秋(たかだ しゅう)
モデル・タレント。
日本テレビ「笑ってコラえて!」の朝までハシゴの旅をきっかけに、ブレイク。 「日本イチ一緒に飲みたい美女」として注目を集め、さまざまなバラエティー番組に出演している。 お酒が好きで、利酒師の資格を持つ。 また、趣味の競馬が転じ、競馬キャスターとしても活躍している。