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2022.01.16

帝国ホテル 東京にバルが!? 2022年のグルメ界を占う「ちょうどいい店」の誕生

ホテルにバルができるとは斬新! さらに魅力的なサブスクリプションサービスも用意されています。

CREDIT :

文/秋山 都  写真/上田佳代子

フーディ(食通)と呼ばれる人たちの間で話題となる店は、たいてい予約困難です。1年先はもちろん、ときに数年先の予約となることもあれば、そもそもオーナーやシェフの知り合いじゃないと予約が取れない、なんてこともザラ。店側からすれば、お客を絞ることで‟どたキャン”などのリスクを減らせるし、「予約が取れない」ことで稀少性もアピールできると、利点が多いことでしょう。

でも、お客側とすればどうでしょう。1年先はおろか、数年先のその日にお鮨や天ぷらが食べたいという食欲を持ち合わせているか、さらに食べられる健康体でいられる保証(ここ数年はコロナ禍に苦しんでいますし! )はどこにもありません。もちろん、そのXデイに合わせて万障繰り合わせ、健康でいられるよう努力する、という祈願のような予約もあってよいでしょう。かく言う筆者もいくつかそのような予約を持っています。でも、そのXデイを楽しみにしつつも、同時になんかちょっとおかしくない? と醒めた声も自分の中から聞こえてくるのです。
▲ 帝国ホテル内「ホテルバル」は21年11月にオープン。
また、価格についても考えます。高価であればある程度おいしいのは当然のことでしょう。某地方のカニの名店はひとり7万円。ミシュラン星つきの中華は5万円。銀座の鮨店もそのくらいの店はたくさんありますが、冷静に考えてみて、1食5万円って……。非常に余裕がある生活をしているならアリでしょうが、そのために普段の食事を節制するくらいなら、そんな贅沢をしなくてもいいやと思う筆者はフーディの一員ではないのかもしれません。「めでたさも中くらいなりおらが春」ならぬ、小さな悦びのある春のような日々がずっと続いているほうがいいな、なんて。これもまたパンデミックに影響を受けたマインドセットなのかもしれませんが。
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帝国ホテル内にバルが誕生!

◆「ホテルバル」(東京・日比谷)

そこで2022年のキーワードとなるのが「ちょうどいい店」なのではと考えます。予約? とれます。というか、いつでもフラりと入れます。価格? 飲食する量にもよりますが、ひとり1万円あれば満腹・満足できるかと。もちろん清潔で、美味しく、上質な食材を使って、雰囲気もいい……そんな「ちょうどいい店」が今年はキテるんじゃないかと思っていたら、タイミングよく発見できました。
▲ 森田恭道氏がデザインを手がけた「ホテルバル」。コンセプトは「Bleu Bar」。
「ホテルバル」は帝国ホテル 東京内に21年11月にオープン。ホテルにバルとはそれだけで斬新ですが、こちらの最大の特長は1983年の開店以来、フランスの息吹を伝え続けてきた「ラ ブラスリー」のフレンチタパスと、このほど新しく提携した石かわグループ*による日本食を同時に、一緒に楽しめること。つまり、乾杯はシャンパーニュとエスカルゴ、次に日本酒と「ふぐの唐揚」なんて美味しいとこどりできる楽しさがあります。
註)「神楽坂石かわ」を始め、「虎白」や「蓮 三四七」など国内7店舗を擁するグループ。ミシュランの星も数多く獲得している。
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「ラ ブラスリー」のフレンチタパス

ではまず「ラ ブラスリー」のタパスをいくつかご紹介しましょう。杉本雄東京料理長の考えたバルメニューはどれもほどよいボリュームで、お酒が進みそう。なかでも、エビのムースをアヒージョのようにオイル煮した「エビージョ」なる創作メニューはここでしかいただけないユニークな一品です。
▲ 「エビージョ」880円。
▲ マッシュルームにエスカルゴを詰めた「エスカルゴ」880円。
▲ 「本日のテリーヌ」880円。
これらタパスを通路をはさんだ和のスペースでもいただけるのが「ホテルバル」の面白さ。和と洋を随時に往来できる感じが痛快です。
▲ 和のカウンタースペース。
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「石かわグループ」の日本料理を小皿で

では「ホテルバル」の和食メニューに目を移してみましょう。どれも正統派日本料理ですが、少量ずつをアラカルトでいただけるのが楽しい。日本酒リストも充実していますが、穴子に赤ワイン、なんて自分なりのペアリングにチャレンジしてみるのも良いかと。
▲ 「あなご炭焼き」2640円。
▲ 「鴨と葱炭焼き」2640円。
▲ 「すっぽんのスープ煮」3520円。
料理はすべて小皿ポーションなので、ここでしっかり食べずとも、アペロ(食前)やゼロ次会*としての利用もおすすめできます。何度もリピートしたいなら、月額1万円でメンバーを含む2~4名によるオーダー金額の50%が割引される「プレミアムプラン」や、同8800円でメンバー1名につき1日1杯、対象のドリンク(880円サ別)が提供される「ワンドリンクプラン」などサブスクリプションサービスも用意されています。「プレミアムプラン」は速攻売り切れましたが、第2次募集もまもなくアナウンスされるらしいので、詳細はHPでご確認を。
註)2次会に相対するゼロ次会とは、本来の会食(1次会)の前にシャンパーニュやビール等で地ならししておく場を指す。

ホテルバル

住所/東京都千代田区内幸町1-1-1 タワー館地下1F
問い合わせ/03-3539-8073(ラ ブラスリー)
営業時間/11:00~21:00(20:30LO)、日・祝11:30~20:00(19:00LO)
定休/月曜(祝日の場合は翌火曜休)
HP/https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/tower_bars/subscription.html
*日曜・祝日はフランス料理のみの提供
*営業時間は1月16日現在。新型コロナウイルス情勢により変更の可能性があります。

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