2019.06.29

vol.102 「朝食喜心 kamakura」

梅雨時は、鎌倉で朝食デートがモテる! オススメのお店は!?

梅雨時は出かけるのが億劫になりがち。ですが、雨の日でもウキウキできるデートスポットが、東京から一時間で行ける鎌倉にあるんです。趣ある日本家屋の和食店「朝食喜心 kamakura」で、彼女と一緒に朝デートしませんか？

CREDIT :: 写真／中川司

本誌LEONでYULI*YULIとして16年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

趣のある日本家屋に
早くも“美味しいご飯”の予感

今回も鎌倉の朝デートでオススメのお店をご紹介。前回のお店「ブランチキッチン鎌倉」とは打って変わり、外観からして趣のある和食店「朝食喜心 kamakura」です。6月から7月にかけて見頃を迎える紫陽花が、雨の日にことさら美しさを増すように、どんよりとした梅雨時季でも情緒をたたえた日本家屋のお店。

場所は、鎌倉の裏駅（西口）です（※地元では裏駅と呼びます）。駅を背にまっすぐ歩いてトンネルを抜けて、10分ほどで到着する佐助という住宅街（タクシーだと5分程度）。観光客をほぼ見かけない通り沿いに、この風情ある家が忽然と現れます。

こざっぱりとした暖簾をくぐって、店内に入ると美味しいご飯の匂いが漂ってきます。店内は、カウンターとテーブル席が２卓。落ち着きのあるホッとした空間です。カウンターの奥には、土鍋がずらりと並んでいて、“美味しいご飯”の予感にワクワクしちゃう。

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「朝食喜心 kamakura」は、京都店に続く２号店。古き良きものを慈しみながら新しいことに挑戦する「ヴィアジェス」が、心豊かな一日を始める“日本の朝食”を提供したいとオープンしたお店です。ちなみに「喜心」とは、食事を作ることも食べることも修行であり、喜ぶべき尊い行い、という禅の教えが由来だそう。

朝食は朝8時スタートの5部制（各部約1時間20分）。向付・白ご飯・汁物・魚料理・漬け物が、折敷の上に順に出されるコース料理です。

お米は全て土鍋で炊き上げます。滋賀の中川一志郎さんの重厚感ある土鍋。

お米は山形のつや姫です。「朝食喜心」ではお米の炊き上がりから最後のお焦げまで、いわば白米のフルコースをいただくことができます。時間と共に変わっていく味の変化を存分に楽しんでね。

炊きあがりを“煮え花”というの御存知ですか？
炊きあがった瞬間。ここから白米フルコースが始まります。まだ水分をたくさん含んでいて、真ん中に芯が残っている煮え花をお茶碗の中に、軽〜く横一文字によそいます。この時はぜひ、お米だけを味わってください。

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時間の経過と共に固かったお米が柔らかいご飯になっていきます。段々と水分がお米の中に入り込んで芯がふっくらとしてくるのです。香りと旨味が増していく時間。状態の変化をこうして楽しめる贅沢な時間ってなかなかないですよね。

おかずを楽しみながらご飯をどうぞ、お代わりしてね。そしてお米が少し固くなったら……やっぱりこれでしょ。卵の黄味をオン! 相模原の長寿卵です。

最後のおこげはこんな形に盛られます。わかる? 合掌の形です。ごちそうさま！

ちなみに、飯碗はお好みを選ぶことができます。すべて作家ものだから、迷っちゃうかも。写真の左から、愛媛の石田誠作、大分の阿南維也作、大阪の八田亨作、高知の小野哲平作、奈良の吉岡萬理作の飯碗。他にもいろいろあるので、器好きにはたまりません。

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主役のご飯を引き立てる
脇役のおかずも美味！

まずは、ご飯の前に供される向付を楽しんで。この日の地野菜は、キャベツとブロッコリーの向付です。白和えと炒り胡麻を載せて。旬の野菜の甘味と軽やかな歯ごたえを味わってください。

そして魚料理は、メダイの白味噌付けは杉板に巻いて、炭火焼きに。向こう側にある半円型にカットされたオレンジは朝陽に見立てています。

汁物は、写真の「鶏と地野菜のみそ汁」を含めて３種類から選べます。カツオ、サバ、イワシの出汁に叩いたトマトが丸ごと入ったユニークな「海鮮和風トマト汁」も人気。絹ごし豆腐と浅利とともに味わい深く、大きめのお椀でほっこりといただきます。

この他に一品メニューも色々とあります。特にオススメの無添加ソーセージは、京都のハム・ソーセージ工房「古都」から取り寄せたもの。豚肉100％です。

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カウンター席に彼女と仲良く並んで、朝ご飯っていうのも悪くないでしょ。鎌倉で朝ご飯をふたりでいただくのは、新鮮なデートではない？

梅雨時はなんとなく気分が内向きになるけれど、雨の日にデートに出掛けるのは億劫なんて先入観は捨てて、鎌倉へ朝食デートしに行きませんか？情緒ある日本家屋と美味しい和食がお出迎えしてくれますよ。

※掲載商品はすべて税抜き価格です

■ 朝食喜心 kamakura

住所／神奈川県鎌倉市佐助 1-12-9
営業時間／8:00〜15:00(L.O.14:00)
※ 喜心バル（夜営業）は、ご希望日(金・土・日曜のみ)の2週間前までの完全予約制

定休／木曜

URL／https://www.kishin.world/kamakura

予約・お問い合わせ／☎︎ 0467-37-8235

※価格は税込表示です

● 渡辺ゆり子

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2018年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が11周年を迎えた。