古酒ワインとクラシック音楽に酔いしれる! 西麻布の隠れ家ミニホール

本誌LEONでYULI*YULIとして長きにわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

霞町と聞いて、どこか分かる人は少なくなってきているかしら？ 霞町とは、1967年頃まで使われていた西麻布近辺の町名なんです。なんともレトロな趣のある響きでしょ。

そして今回ご紹介するのは、そんな古き良き町の面影を感じさせる「Margotto Hanare 霞町音楽堂」です。コチラ、クラシック音楽とワインやシャンパーニュの古酒を楽しむお店なんです。もしかしたら堅苦しそうなイメージをもたれる方もいらっしゃるかもしれないけれど、音響設備が完璧なステージのあるレストランと思ってね。

場所は、西麻布の交差点から１本奥に入った路地にあり、トリュフが楽しめるフレンチレストラン「マルゴット・エ・バッチャーレ」のお隣です。

コチラのオーナー、実は音楽好きでピアノ演奏が趣味。それが高じて、もっと気楽にクラシック音楽を楽しめる聖地を西麻布に作っちゃおう!というノリで、「Margotto Hanare 霞町音楽堂」を始められたというワケ。そして音楽監修は、あの三枝成彰氏です!

１階から、ブルーにライトアップされた壁が印象的な階段を地下へ降りて行くと、なんとも期待感が高まっちゃう。

お店に入るとすぐ左手に６席のカウンター。シャンパーニュで軽く乾杯!が絵になるような大人シックな雰囲気です。彼女と一緒に来られなかった時の待ち合わせは、このカウンターでね。

そして右手には、テーブル席が配置されたホールが。奥に、“完璧なピアノ”として名高いスタンウェイのB-211が常設されたステージがあります。

音楽ホールの専門設計者が２年の歳月をかけて造っているので、完璧な音響です。基本的に貸しホールとしてお昼から借りることができますが、それ以外の日は、毎晩21時から演奏会があるの。クラシック音楽好きの方はぜひ、詳細をウェブサイトでチェックしてみてね（コチラよりどうぞ）。

取材の日は、あのX JAPANのYoshikiさんのショーにも帯同する実力派ヴァイオリニスト・枝並千花さんと、「霞町音楽堂」でサービスも担当するジャズサックス奏者でピアニストの小倉大志さんのコラボ演奏をジャック! 

ステージの目の前で、彼女とふたりで鑑賞できたらきっと最高よ!

19時からいただくことができるお料理は、「マルゴット・エ・バッチャーレ」のシェフ嘉山氏によるもの。ただし、コンサートが開催される日は、演奏会以外の時間が食事タイムとなるので、ともかくもイベントスケジュールのチェックは必須です（もちろん、「マルゴット・エ・バッチャーレ」でお食事してから、「霞町音楽堂」に移動するのもアリ）。

メニューはアラカルトのみだけど、どれもワインに合うものばかり。嘉山シェフのスペシャリテ「パテ・ド・カンパーニュ」は一番人気です。

こちらは、女性から歓声が上がりそうな一品。キャビアの最中よ! ゆで卵やエシャロットの上にベルギー産のオシェトラキャビアがたっぷりと10g。食べ応えのある贅沢な最中です。コチラのスペシャリテね。

フランス産フォアグラのテリーヌには、イチジクとキャラメル仕立てのナッツ、甘味がアクセントのブリュレ風よ。ワインにもぴったり。

そしてヴィンテージワインは、500種類ほどの品揃え。写真左は、フランス・マルゴーの「ローザン・ガシー」83年。そして、ブルゴーニュの「ジュブレ・シャンベルタン」99年。早い者勝ちです。

実は、お店の奥のほうに素敵な個室もあります。壁には、プッチーニ、マーラー、ドビュッシー、シュトラウスなどの名だたる音楽家のシルエットがエッチングされた鏡がずらり!

そして圧巻なのは、外のコンクリート壁に描かれたベートーヴェンとモーツァルト。楽譜はもちろん『運命』です。クラシック好きにはたまらない個室よ。

深夜になると、音楽好きな素敵カップルが来店する時もあるとか。運が良ければ、某有名ミュ−ジシャンの飛び込み演奏が聴けてしまうかも!? 霞町って、そんな秘密めいた大人の社交場で賑わっていた所。それが現代まで綿々と営まれているようです。