2019.10.27
ヒラケゴマ! 禁酒法時代の合言葉がトビラを開く⁉
世界No.1バーテンダーが案内する、いま最もシゲキ的なバー3選
23歳で渡米後、下積みを経てカクテルコンペに優勝。見事世界No.1のバーテンダーに輝いた後閑信吾さんを知る、刺激的な酒場3軒をご案内。
- CREDIT :
文/秋山都 写真/菅野祐二、吉澤健太(日登美)
これは1920年代、アメリカで禁酒法が施行されていたころ、密造酒が手に入る、飲める場所として隠語のように使われていた言葉のこと。「ひそひそ話」「こっそり注文する」「静かだからおしゃべりしやすい」など、その語源には諸説あるものの、お酒がおおっぴらに飲めなかった時代の“ちょい不良(ワル)”オヤジたちの溜まり場・隠れ家であったことは間違いないだろう。
時は下って2010年代、この隠れ家的なコンセプトに注目したバーがイギリスやアメリカで登場しはじめた。その中でも話題となったのは2016年に「Asia’s 50 Best Bars」で2位に輝いた、その名も「Speak Low」(上海)。「そのすごさは行けばわかるからとにかく行ってこい」と酒好きな仲間に勧められ、住所をたよりに行ってみたのだけれど……。
私「あの~、Speak Lowってバーがあるって聞いたのだけど」
彼「……」
私(どうしよう、Speak Lowだからもっと小声で訊かなくちゃダメなのかな)
彼「You can find it by yourself」
文字にすれば冷たい印象だけれど、瞳は笑っていて感じはよかった。よく見るとその視線は店の奥の本棚に向けられている。
「Our boss is Japanese. You know him? Shingo Gokan」
なんと! こんな魅力的なバーのオーナーバーテンダーが日本の方だとは! 道理でメニューに日本の食材を使ったカクテルが多いはず。いったいどんな人なんだろうと気になった。
SG……Shingo Gokanなんじゃないの⁉と。
その人、後閑信吾さんは若干22歳でNYへ渡り、バーでの修業を経て「バカルディ レガシー カクテル コンペティション」で優勝を果たしたことをきっかけに、世界のさまざまなバーでゲストバーテンダーとして活躍。上海でバーを2店舗大ヒットさせ、昨年ついに凱旋帰国したというわけ。
現在はNYと東京を行ったり来たりする日々。来年にはNYで新店をオープンするプロジェクトもあるそうで、現在乗りに乗った後閑さんに、東京で好きなバーはどこかと聞いてみた。
Speak Low 彼楼
住所/上海市復興中路579号
問い合わせ/021-6416-0133
営業時間/18:00~翌1:30(土日~翌2:30)
不定休
The SG Club.
住所/東京都渋谷区神南1-7-8
予約・問い合わせ/☎03-6427-0204
営業時間/Guzzle12:00〜翌2:00(月~木、日) 12:00〜翌3:00(金、土)
Sip18:00〜翌2:00(月~木、日) 18:00〜翌3:00(金、土)
不定休
スナック日登美
住所/東京都中野区上高田4-16-2
予約・問い合わせ/☎ 03-3388-1690
営業時間/月~木20:00~翌2:00、金・土20:00~翌4:00
日曜休