デートで行きたい! 広尾で人気のトラットリアとは!?

本誌LEONでYULI*YULIとして長きにわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

私のバー「リリ・ラ・ユリ」近くの広尾商店街にあるトラットリア「ブラチェリーア ロトンド」。小さなお店ながら毎日賑わっていたのだけれど、今年2019年の夏に、道を挟んだ向い側に移転オープンしました。

移転の理由は「夢だったピザ釜を作りたかったから」とのこと。新店舗には２階席もできたの。「リリ・ラ・ユリ」とは、自転車で特別に出前もしてくれる近所付き合いをしています。

１階のカウンター席の向こう側にはピザ釜の火が見えて、冬はほっこりと温かな雰囲気に。季節によるけれど、お天気の良い日は全開口型の窓が開け放たれるので、テーブル席はテラス気分を味わえます。

天井が高くて開放的な2階席は、ウッディで落ち着いた雰囲気。彼女とじっくり、お料理と会話を楽しみたいデートの時は2階席がオススメかも。一方、１階はカジュアルに使いたい時に向いています。

店名にもある“ブラチェリーア”とは、薪や炭火を使用したイタリアの伝統的調理にちなんでいます。炭火の遠赤外線によって、素材の旨味がじんわりと引き出されたメニューが多いのが特徴よ。

まずはワインを開けながら、ちょっとつまみたいでしょ。そんな時にチョイスしたいのは、肉系では「トリッパと長ネギのビアンコ」。上にかけたパルミジャーノと潰した黒コショーがアクセントになっています。ワインは、トスカーナ州・モンテニードリの白「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」をどうぞ。

魚介系としては、赤エビ・アサリ・牡蠣・スルメイカの旨味が染み渡ったピリ辛の「ズッパ ディペッシェ」がおすすめ。これにはプーリア州・テヌーテ ルビーノの赤「プリミティーヴォ」を合わせて。全粒粉の自家製ホカッチャと一緒に堪能してね。

実は最近、山梨県の小淵沢に姉妹店をオープンしたこともあって、そちら方面から仕入れるジビエもお得意。写真のメニューは蝦夷鹿だけれど、香草でマリネした後、炭火でじっくり焼き上げたお肉は柔らかくてとてもジューシーです。 添えてあるカブ、シイタケ、からし水菜は小淵沢野菜よ。香りの良いジュニパーベリーの赤ワインソースをよく絡ませて召し上がれ。

ワインは、ピエモンテ州・サンドローネの赤「ドルチェット・ダルバ」が好相性。

そして、必食のピッツァ! トリュフの香りがうれしいビスマルクです。山梨県で平飼いされている鶏の卵を使用。熱々でほおばってね。ワインはイタリア最高峰のピノネロの赤、アルト・アディジェ州の「ホフスタッター」とペアリングを。

イタリアワインの取り揃えは素晴らしいので、スタッフの方におすすめを聞いてみるのもデート・テクです。

こちらは1階のテーブル席。初めて行く時は、１階でご近所の常連客さんたちに混じるのも一興です。このお店の楽しい雰囲気をぜひ体感してください。きっと、また来たくなるはずよ。

店名の「ロトンド」とは円形・丸の意味があり、“丸ちゃん”こと、オーナー丸原正直氏の名前に由来します。お客さまとの輪を広げていくという願いも込められているのですって。
 
丸原氏の修業先だったイタリア・ピエモンテ州のバルのような、地元の人たちがワイワイと集まる店を作りたかったという夢は、東京・広尾の地ですっかり叶いました。そして次なる挑戦は、小淵沢でのワイン作り。出荷できるようになるまで、10年くらいかかるのですって。その日を待ちましょう！