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2019.12.23

【大人の渋谷】ラブホ街の最奥には色気溢れる極上イタリアンがあった!

日本有数のラブホ街、渋谷・円山町の最奥になんとも魅力的な2軒のイタリアンがあることをご存知でしょうか。「スーペルトラットリア リト」と「アウレリオ」。こんなお店に下心も感じさせず、サラリと彼女を連れて行けるのがカッコいいオヤジというものです。

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写真/岡 千里 取材・文/飯田帆乃香

渋谷・円山町は言わずと知れたラブホテル街。300軒を超えるホテルが密集する独特の風景は今やインバウンドにも人気の観光スポットとなっています。近年はクラブやバーなど、お洒落な飲食店も増え、昔の隠微な雰囲気もだいぶ薄れてきたとはいうものの、一歩横道にそれると妖しいネオンサインがただならぬ雰囲気を醸しています。

さて、そんなラブホ街の奥深くに美味しいイタリアンの店があることをご存知でしょうか。街に漂う色気をも店に纏って格別の魅力を湛える注目の2軒をご紹介しましょう。

■目の前で繰り広げられる美食のライブに酔いしれる「スーペル トラットリア リト」

まず1軒目は「スーペル トラットリア リト(Super trattoria LITO)」。ラブホテルと軒を連ねる通りに面し、小さな階段を登ったところにさり気なく構えた入口は、それと知らなければ通り過ぎてしまいそうな目立たないつくりです。

ドアを開けると薄暗い店内でまず目に飛び込んでくるのは迫力のオープンキッチン。香川県産・庵治石のカウンターは、まるでステージのように艶々と光って客を迎えてくれます。
店内はこのオープンキッチンを囲むカウンター13席の他、入口手前と店の奥に4人掛けのテーブルが3卓。この店の特等席はもちろんシェフの手元がよく見えるフラットキッチン前のカウンター席。
▲特等席はカウンターですが、2人の空間に浸りたいカップルはゆったりとくつろげるソファ席へ。
目の前で繰り広げられるライブ感溢れる調理風景は格別の臨場感です。この演出は寿司屋からインスパイアされたものと語るのはオーナーシェフの市川大介さん。

「大将が寿司を握りながらお客さんとしゃべるじゃないですか。そういう距離感がよかったんです。僕は作ったものを直接サーブできるし、お客さんも料理に何が入っているのか見ることができて楽しめると思うので」
▲目の前で料理する姿はまさにライブパフォーマンス。ちなみに客層は40~50代が多く、LEON世代にはドンピシャの店かと。
市川さんは、イタリアで2年半の修業を積んだ後、渋谷区猿楽町にある“メニューのないイタリアン”として有名な『オステリア ウララ(Osteria Urara)』に、総料理長として立ち上げから関わった腕利きのシェフ。

その彼が独立にあたってなぜ円山町を選んだのかというと、学生時代の音楽好きが高じて、この界隈のクラブハウスに通っていたのがルーツなのだそう。
「当時はもっとダークな街だったんですよ。で、色気もあった」と市川さん。

「花街の時代があったり、政治家が料亭を使ったりして、この辺りは昔から大人が集う街なんですよね。渋谷宇田川町までは若者が多いのに、500メートル歩くだけで色気がガラッと変わるのがおもしろくて。この近所は名店が隠れていて、自分が大人になって店を出すなら、こういう目立たない場所でやろうと決めていました」
サバサバした口調で円山町の魅力を教えてくれながら、手を休めることなくあっという間に一皿を完成させます。

メニューは前菜からメインまで7品5000円の一本勝負

メニューはコース1本のみ。前菜の盛り合わせ、温菜、生パスタ、魚のスープ、メイン、〆のパスタ、デザートの7品で、なんと5000円! 

「コースをひとつにして無駄を省くことで価格を抑えています。その代り21時以降はアラカルトのオーダーも承っています」と市川さん。
▲本日の前菜。
この日の前菜は写真右から、パルマの生ハム16カ月を添えたイタリアのスティック状のパン・グリッシーニ。フォアグラのプリンに練馬区の柿と、塩キャラメルをかけた甘じょっぱいブルスケッタ。生で食べる春菊とブラウンマッシュルームのサラダは、箸と酒が進むさっぱりとした味わいです。
▲メインのハンバーグ。
メインは2人前で300gというハンバーグ。まろやかな旨味の愛知県産・あいち鴨をベースに、黒毛和牛と熟成豚のミンチ、そして兎のレバーをつなぎとしてIN。臭みがなく脂の少ない肉を使っているので、赤ワインソースの風味を損なわずよく絡み、ガツッと肉を感じさせる酒のみのためのハンバーグなのです。

そこに、シェフの気分でさまざまなトッピングが加わります。この日はなんとピエモンテ産の秋トリュフ。豪快にかける様をカウンターから目の当たりにすると軽くトランス状態に陥りますよ。
▲〆のパスタ。この日は「カチョエペペ」。
〆のパスタは「カチョエペペ」。ペコリーノロマーノと胡椒のみを加えるローマ名物のチーズパスタです。シンプルなだけにシェフの腕が問われますが、パスタの茹で具合も塩味のバランスも、チーズの絡まり具合もすべてがクリティカルヒット。ふわふわとパスタの上を舞うチーズで女子の歓声はいただきです。
コースの構成は2週間に1度のペースで変更するそう。「自分が飽きるってことはお客さんも飽きると思うので」と市川さん。パスタをリゾットにするなどガラッと様変わりすることもあるので、メニューが変わるたびに足を運ぶ常連客も多いとか。
▲右がオーナーシェフの市川大介さん。左は顔の濃いサービスの金子知之さん。
ワインはイタリア縛りにせず、フランスからルーマニア、ギリシャやクロアチアなど原産国はさまざま。サービス担当の金子和之さんが試飲会で見つけた美味しいものを提供しているそうです。

「よくインド人と間違えられるんですけど、純日本人です」と、市川さんから愛のあるご紹介をいただいた金子さん。この2人、高校時代の同級生なんだとか。金子さんは柔らかい笑顔でワインの相談にのってくれます。
壁付けのビールサーバーからは「ラッテ・ピウ」というイタリアのクラフトビールが。柑橘のニュアンスもありながら後口にほんのり苦味を感じるすっきりとしたホワイトビールは、食後に口をシャキッとさせるのにもおすすめです。他に飲める店を探すのが難しい逸品。ぜひこちらもご賞味を。

●「スーペル トラットリア リト(Super trattoria LITO)」

住所/東京都渋谷区円山町7-10 vido渋谷1F
営業時間/18:00~23:30(LO)
定休日/月曜
URL/https://www.facebook.com/SuperTrattoriaLITO
予約・お問い合わせ/☎03-6712-7381

■自然派ワインとイタリア郷土料理が絶妙のマッチング「アウレリオ(AURELIO)」

2軒目にご紹介するのは自然派ワインとイタリアの郷土料理が楽しめる「AURELIO(アウレリオ)」。

こちら、“おもしろい一杯との出会い”をコンセプトに掲げていてワインリストはありません。グラスだけでも約30種類を用意し、お客さんとのコミュニケーションから店側が提案してくれるというスタイル。普段はなじみのない特別なワインに出会えるのも大きな楽しみです。
▲オーナーの大本さんからお客さんへのメッセージカード。
席に着くなり目に入るのは、オーナーの大本陽介さんが毎日欠かさず手書きしているメッセージカード。「せっかく予約してきてくれたお客さんにおもてなしの気持ちがちょっとでも伝わればと思って」と、オープン当初から変わらず続けてきた習慣です。
▲L字カウンターでは毎日、年齢も職種も違う人々が談笑しながら食事をしている。
木の温もりを感じるL字カウンターは隣の席と距離が近いのですが、奥行きが90cmあるおかげで狭さを感じさせません。高さはスペインの立ち飲みバルと同じ110cmで、カジュアルな雰囲気。天板はオーナー自ら打ち、その他、棚や壁のタイルもハンドメイド。

低予算でオープンするためほぼ手作りした内装ですが、大きなガラス窓と白い壁、温かみのある木材などの組み合わせで明るいなかにも落ち着いたイメージを演出。連日の大盛況にも雑多な感じはせず、大人が品よく食事を楽しめる空間となっています。
「渋谷区はいろんな年齢層の方がいらっしゃるので多様性があり、常に変化していくのがおもしろいですよね。なかでも円山町はすごく色気のあるエリア。飲食店も、色気が大事だなと思っているんです。特にワインを飲みに来るのって男女、もしくは女性同士が多いと思うので、お店にも色気があった方がいい気がします」と大本さん。
▲オーナーの大本陽介さんは下北沢のイタリアンの名店「ダニエラ」出身。この店をオープンさせる前に半年かけてイタリア全土の40カ所ものワイナリーを回ってきたそう。

ワインが苦手な女子でもサラッと飲みやすいのが自然派ワイン

▲大本さんの勧め方はワインにありがちな堅苦しいことは一切言わず、例えば「このおじさんが生産者で、ポカリみたいな味がするんですよ」的な感じ。
大本さんが自然派ワインに魅了されたのは、20代前半に下北沢にあるワインバーでたまたま飲んだ「サッサイア」がきっかけとか。

「深みがあるのにサラッと飲みやすくて、ワインなのにポカリスエットじゃんって思いました(笑)」とどハマり。

「その時はイタリアに行ったことがなかったんですけど、めちゃくちゃ現地のイメージが湧いてきて。ワインを飲んでトリップできるような、そういう提案ができるお店をやりたいなと思いました」

ワインが苦手な女子もサラッと飲みやすいのが自然派ワインの魅力。「樽を効かせず、ブドウそのものの旨味をシンプルに表現しているので飲み心地が本当に柔らかいんです。飲み疲れしないし、シンプルな料理にもマッチするので、どんなシチュエーションでも楽しめますよ」とのこと。
▲モッツァレラブッラータといちご 2200円。
それではワインに合わせてお料理をご紹介しましょう。供されるのはイタリア各州のシンプルな郷土料理。

「1杯目はロゼや濁りのある白、甘すぎないフルーティーなワインをおすすめすることが多いです」と、いうことで、そんなワインに合う一皿目として提案していただいたのが、こちら「モッツァレラブッラータといちご」。

フォークを入れれば溢れ出るモッツアレラと、さまざまなビネガーでマリネしたフルーツが脳天直撃のうまさ。今時期はイチゴですが、季節により旬の果物をセレクトしています。
▲イタリア産プンタレッラのサラダ アンチョビとペコリーノ 1600円。
そして、もう一皿、大本さんのイチ押しなのが、驚くほど滋味深い「イタリア産プンタレッラのサラダ アンチョビとペコリーノ」。ローマの冬野菜・プンタレッラにアンチョビとニンニクのドレッシング、そしてペコリーノチーズでいただくローマっ子のサラダ。シャキシャキとした歯ごたえのプンタレッラは繊細な苦味があり、アンチョビの塩気も効いて否応なく酒が進みます!
▲タリアテッレ ボロニェーゼ 1600円。
自慢のパスタもいただきましょう。「アウレリオ」のパスタはすべて手打ち。季節により4種類ほど新メニューを打ち出しますが、オープン以来の定番メニューがこの「ボロニェーゼ」。日本の食材で本場の味に近づけるため時間をかけて調理し、奇をてらわない素朴なパスタに仕上げます。おかげで自然派ワインと相性抜群なのです。

店名の「アウレリオ」とは太陽のように明るいというイメージを表す男性の名前。そのイメージ通りの陽気なスタッフの笑顔につられてついついワインが進んでしまいます。せっかくの円山町。お次を考えて飲みすぎにはご注意を!

●「アウレリオ(AURELIO)」

住所/東京都渋谷区円山町16-1
営業時間/17:00~24:00(L.O.22:30)
定休日/日曜(祝日の場合は翌月曜)
URL/http://aurelio-shibuya.com
予約・お問い合わせ/☎03-6755-6037

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