2020.01.05
正月疲れした胃にやさしい、1時間でスープから作る「ラーメン」
“週末鮨屋”の料理研究家として知られる野本やすゆきさんが、料理初心者の男性向けに「モテる」「デキる」レシピをご指南!
- CREDIT :
レシピ&調理/野本やすゆき 文/秋山 都 写真/吉澤健太
そこで本連載では“週末鮨屋”として注目されている料理研究家、野本やすゆきさんに、初心者でも作れ、自分で食べておいしいのはもちろん、一緒に食卓を囲むお連れさまにも「すごい!」と言ってもらえるレシピをご指南いただきます。料理はいまどき男子必携のモテツールであるものの、万遍なく何でも作れる必要はありません。数品のキラー料理を作れるよう、腕を磨いておきましょう。
作ったことあるよ、って? いやいや、アナタの作ったことがあるのはサッポロ一番じゃないんですか? 袋麺じゃないなら、スープ付きで売られている生麵タイプでしょうか? それが悪いというわけではないけれど、せっかくラーメンを作ってみようというなら、スープから手作りしてみませんか。おせちや、お正月のご馳走で少し疲れた胃にやさしく沁みる、正味1時間で作れるラーメンです。
「ラーメン」を作ってみよう!
【材料】 作りやすい4~5人分
【スープ】
水 3リットル
煮干し 60g
厚削り鰹ぶし 50g
干し椎茸 4個
にんにく薄切り 2かけ分
しょうが薄切り 2かけ分
タマネギ薄切り 1個分
手羽先 8本
塩 小さじ1
ネギの青いところ 1本分
【チャーシュー】
豚バラ肉ブロック 400g(半分に切る)
ゆで卵 4個(殻をむいておく)
A砂糖 大さじ3
Aしょうゆ 100ml
A紹興酒 50ml
A水 200ml
ごま油 小さじ1
【仕上げ】
中華麺 4~5玉
スープ 2リットル(1杯に400ml)
チャーシューの煮汁 大さじ12~15(1杯に大さじ3)
たまり醤油 大さじ4~5(1杯に大さじ1)
塩 適量(1杯にふたつまみ)
チャーシュー 適量(横に切る)
煮玉子 適量(半分に切る)
貝割菜 適量
メンマ 適量
柚子皮 適量
すべての材料を寸胴鍋に入れ、煮立てて出汁をとります。その間にチャーシューを作れば時間を有効に使え、最後に麺を茹でてラーメンを仕上げます。ホムパなど来客の際には、スープとチャーシューの仕込みまで済ませておけば、後はとってもラクチン。
【作り方】
鍋にすべての材料を入れて、水から沸かし、中~弱火で30分ほど煮こみます。手羽先に火が通ったら、キッチンハサミで切り、木べらで具をつぶしながら、さらに30分グツグツ。
よくラーメンのスープには鶏ガラを使用しますが、手羽先のほうが簡単に手に入るので今回は手羽先を使用しました。骨からおいしい出汁が出るので、数ヶ所切りますが、火が通ってからのほうが簡単に切れるのでおすすめです。
途中でアクが出ますが、アクを取るのは1回でOK。「あんまりアクを取りすぎると旨味まで無くなってしまいますよ」と野本さんのアドバイスです。
充分に出汁が出たら材料をザルで濾し、スープの出来上がり。
厚手の鍋にごま油を熱し、豚バラを両面に焼き色がつくよう、ひっくり返しながら焼いたら、Aを加えて、中火でグツグツ。途中で数回肉を返しながら30分煮ます。さらにゆで卵を加えたら、20分ほど煮て、チャーシューと煮玉子の出来上がり。
このチャーシューは豚の肩ロースではなく、バラ肉を使うのがポイント。脂たっぷりの豚バラは煮込んでも固くならず、トロトロの食感を楽しめます。
まずは丼に、チャーシューの煮汁、たまり醤油、塩を入れてセット。
そこへスープ、さらにゆでた麺の水気をよく切ってどんぶりへ。
よくラーメン屋さんで見かけるように勢いよく湯切りしたくなりますが、あとで床やキッチンを掃除するのも自分ですから、その辺は適当にどうぞ。
この日の中華麺は野本さんのキッチンに近い「大沢製麺」(千駄木)のものを使用しました。スープが濃厚なのでストレートタイプの麵が合うように思います。
チャーシューのかえしを味付けに使っているので少々甘めでやさしい味付けのラーメンです。甘いのが苦手な方はチャーシューの砂糖を控えめにしてみてください。
● 野本やすゆき (料理研究家)
東京・谷中で昭和初期から続く老舗寿司店「谷中 松寿司」に生まれ、現在、金・土・日曜のみ3代目として店を継承。“週末鮨屋”としても活動しつつ、わかりやすいレシピがTV、雑誌で人気の、いま注目の料理研究家のひとり。プロレス好き。