
開店からわずか1年で星を獲得した、この「寅黒」、実は、ミシュラン三つ星に15年間輝き続ける「神楽坂 石かわ」を擁する石かわグループとのアライアンスによって誕生した店なのです。食いしん坊なら、どんな店なのか、どんな料理がいただけるのか気になるところですよね。いま注目の日本料理店「寅黒」をご紹介します!
帝国ホテルに直営日本料理店が誕生した経緯とは?
「それだけ歴史のあるホテルなのに、直営の日本料理店ってなかったの?」なんて声も聞こえてきそうですが、その疑問に答えるには、帝国ホテルそのものの歴史を少しだけ振り返る必要がありそうです。

メインダイニングは、『ミシュランガイド東京』が初めて発表された2008年から16年連続で一つ星に選出されているフランス料理「レ セゾン」です。9月に逝去されたイギリスのエリザベス女王が、1975年の来日で、帝国ホテルで行われた午餐会に参加された際、女王のために創作され、名を冠することが許された「海老と舌平目のグラタン“エリザべス女王風”」は、フランス料理「ラ ブラスリー」でいただくことができます。

そんなわけで、直営の日本料理店をオープンさせることになったものの、同ホテルには、日本料理に関するノウハウもなければ、人材もなかったわけです。そこで、「神楽坂 石かわ」をはじめ、7つのレストランを運営する石かわグループに協力を依頼することになったのです。
“伝統と革新”の日本料理をコンセプトに若き精鋭調理責任者が着任

「はい。“伝統と革新”の日本料理です」
これまた力強い答えが返ってきました。ちなみに、“伝統と革新”は、帝国ホテルが掲げるテーマでもあります。
では、そろそろ、その“伝統と革新”の日本料理をいただきに参りましょう。
「寅黒」は、帝国ホテルタワー館の地下1階のレストラン街にあるのですが、扉を開けた瞬間、そこはもう静謐な和の空間でした。エントランスには、金魚が泳ぐつくばいがあります。覗き込んでいると、スタッフから「この金魚たち、とても仲良しでいい子たちなんですよ」なんて、心温まる情報が(笑)。緊張感がほぐれます。

「寅黒」でいただいた驚きと感動に満ちた料理をご紹介




目新しい食材も使いつつ、調理法は日本料理の王道


目指しているのは、「ひと手間、ふた手間加えることで、驚きと感動を感じていただけるような料理構成」と鷹見さんは力を込めます。


帝国ホテル流の新たな日本食空間を支えるのは美しく丁寧な接客
「ホテルのスタッフは和食は初めてです。サービスのスタッフは1カ月間、調理のスタッフは3カ月間、石かわグループの店舗で研修しました。着物の着付けも一から学びました」
そう語る彼女の流麗な所作はうっとりするほど。そういった、帝国ホテルの伝統をベースにしたサービスを含め、さまざまな要素がすべて合わさって、「寅黒」という空間を作り上げているのでしょう。

間もなく12月。「寅黒」は二度目の冬を迎えようとしています。今だけの味覚に出会いに、「寅黒」に出かけてみてはいかがでしょう? 鷹見さんの「伝統と革新」を表現する料理の進化を見守る生き証人に立候補するなら、今が絶好のタイミングなんじゃないかと。ミシュラン一つ星を獲得し、さらに勢い付いていることでしょう。

帝国ホテル 寅黒
住所/東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル 東京 タワー館 B1F
営業時間/17:00~22:00(最終入店20:30)
定休日/日曜・月曜・祝日
※月曜祝日の際は、前日曜は営業し、翌火曜が休みとなる
予約電話/03-3539-8224
おまかせ3万3000円~(サービス料15%別)
HP/https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/imperialhotel_torakuro