2023.01.15
【第23回】「牡蠣」の最強ラーメン
冬にぜひ食べたい「牡蠣」の最強ラーメンはどこだ?
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
- CREDIT :
文・写真/山本益博 編集/森本 泉(LEON.JP)
この佐藤翁がご馳走してくださったのが、ドラム缶で薪を焚いた上に網を渡し、殻付きの牡蠣を乗せ、殻の口が開いたところを見計らって、何もつけずにいただく焼き牡蠣だった。澄んだ冷たい空気の中でいただく焼き牡蠣とシャブリの美味しかったこと!
まるで「牡蠣のポタージュ」な「麺や佐市」の「牡蠣・拉麺」
一番びっくりしたのは、錦糸町「麺や佐市」の「牡蠣・拉麺」(Oyster Ramen noodles)である。玄関の看板には「牡蠣だし 無化調ラーメン」とあり、店内の壁の張り紙の説明では「牡蠣をたっぷり使い旨味を凝縮して抽出しました! 結果、もの凄く濃厚で旨味がたっぷりの麺や佐市のラーメンが完成!!」とある。
ニューヨークのグランドセントラル駅構内にある「オイスターバー」に出かけると、生牡蠣とともに必ず注文するのが「ニューイングランドクラムチャウダー」で、これは出汁をあさりから取ったクリームスープ。これの牡蠣版だと思うと、牡蠣好きにとっては贅沢極まりない。
ヨーロッパにあるかというと、フランスやベルギーにはムール貝を白ワインで蒸した「マリニエール」はあるが、牡蠣のスープは聞いたことがない。韓国にも「ムール貝のスープ」があるが、「牡蠣のスープ」もあるのだろうか。
「佐市」の「オイスターラーメン」には、海苔、ねぎ、青味、それに小粒の火入れした牡蠣が盛られている。中細の麺との相性も申し分ない。真冬の何よりのご馳走である。
「麺や佐市」
住所/東京都墨田区錦糸4-6-9 小川ビル1階
TEL/03-3622-0141
Facebook/麺や 佐市 | Sumida-ku Tokyo
都内の注目“牡蠣”&“貝”ラーメンを一気にご紹介
「クラム&ボニート 貝節麺raik」
住所/東京都杉並区方南2-21-21
TEL/03-5913-9119
Twitter/貝節麺raik(@CB_raik)さん
「ただいま変身中」
住所/東京都中野区中野5丁目53-3 松本ビル101
TEL/03-5942-6636
HP/ただいま変身中 中野の牡蠣ラーメン
「蛤麺しちり」
住所/東京都杉並区荻窪5丁目28-10
TEL/03-5335-7280
Twitter/蛤麺しちり(@shichiri_ramen)さん
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
山本益博さんがYouTubeを始めました!
日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!