2023.08.13
【第37回】冷やし中華をおさらいする
いま、東京で一番美味い「冷やし中華」はどこだ?
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
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文・写真/山本益博 編集/森本 泉(LEON.JP)
果たして、2階の店の扉を開くと、なんとすでにカウンター席に5人もの客がいた。これには、びっくりしたが、カウンター内の「冷やし中華」の作り手は女性で、これにも少々驚いた! 秘密の店でも、会員制の店でもないのに、新しい店の営業開店時間早々にお客さんが詰めかけている⁉ これが、いまの日本のラーメン界の現状なのだと思うと、改めてラーメンの魅力の広さと深さに驚いてしまう。
添えてあるトマトを一緒に食べる、カイワレ大根をからめる、「ラウデミオ」のオリーヴオイルをひと廻しかけてたべる。すると、味のグラデーションがどんどん高くなって、ハリッサの辛みを加えると頂点に達する。現代最高峰の「冷やし中華」ではなかろうか。このラーメン、期間限定で、店の方に伺うと8月1日から20日辺りまで作りますとのことである。
幡ヶ谷「龍口酒家」 X(Twitter)
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● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
山本益博さんがYouTubeを始めました!
日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
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