2024.04.14
【第52回】 東京の湯麵巡り
とんでもなく美味しい湯麵(タンメン)を見つけた!
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
- CREDIT :
文・写真/山本益博 編集/森本 泉(LEON.JP)
その1軒が「博華(はっか)」で、看板には「北京料理 湯麵餃子」と書かれていて、住み始めた当初から、家から近いこともあって、よく通い詰めてきた。その「博華」が道路拡張のため、この5月いっぱいで移転せざるを得なくなってしまった。
また、店の玄関扉のガラス戸には「お客様各位 いつもご来店ありがとうございます。現在、白菜の高騰が続いており、誠に申し訳ございませんが、しばらくの間、量の調整をさせて頂きたく、ご了承のよろしくお願いいたします。*また、白菜の大盛りは中止とさせていただきます。すいません。銀座たんめん」と注意書きがしてある。
箸を進めれば、白菜の甘いこと、甘いこと! その味がスープにしみこんで、なんとも穏やかで優しい。そして、シンプルなのに、食べ進んでも飽きがこない。半分以上、食べたところで、酢をかけまわしていただくと、するどく「味変」して、一気にスープを飲み干してしまった。
いま、東京の穴場の「たんめん」として、大推奨したい1軒である。
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
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