2024.06.30
【第57回】 ラーメンの天才・嶋崎順一
「ロックンビリ―S1(スーパーワン)」店主・嶋崎順一さんが天才である所以とは?
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
- CREDIT :
文・写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)
嶋崎順一さんとフェラン・アドリアの共通点とは
元音楽プロデューサーだったオーナーのジュリ・ソレールが、アドリア青年の才能に眼をつけ、フランスの3つ星レストランに連れて行っては、店で食べた料理の再現をさせた。その出来栄えの素晴らしさを目の当たりにしたオーナーは、店のシェフに抜擢するため、最後に、コートダジュールはニースの「ネグレスコホテル」で研修させた。
その研修最後の日、ホテルのメインダイニング「シャントクレール」のシェフ、ジャック・マキシマンがコートダジュールの海岸に研修生全員を集めて、訓示した。その最後の締めくくりの言葉が「人の真似はするな!」だった。
嶋崎さんは「直感する」「創造する」「変貌する」ラーメン界の天才
「創造する」は、模倣、真似を避け、試作を何度も何度も繰り返すうちに、誰もが成し遂げたことない仕事に出会うのである。
そして、自分が作り上げた作品に満足することなく、進み続けると新しい世界が見えてくるのである。
まさしく、嶋崎さんは「直感する」「創造する」「変貌する」ラーメン界の天才ではなかろうか。
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
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