味はもちろんのこと、ユニークなコンセプトのもとに組み立てられた唯一無二のディナー体験ができることでじりじりとファンを増やしています。6月に開催された第4弾では香港のペストリーシェフ ジョアンナ・ユエン氏を迎え、“デザートにインスパイアされたディナー・エクスペリエンス”を提供。デザートがディナーって、いったいどういうこと? と、参加してみました!
グルマンに捧げる密かな饗宴
昨年10月に初開催し、過去には海外のミシュランスターシェフも登場、日本にいながらにしてその味を体験できる特別なチャンスとあってかなりのエクスクルーシブ感です。特徴的なのは、14人がけのロングテーブルでの会食スタイルであること。カップルで訪れふたりだけのラブラブアワーを過ごすのも一興ですが、ここでは食べることが大好きという共通の興味を持った人々との一期一会を楽しむこともコンセプトのひとつなのだそう。ひとりで参加しても、隣の人と意気投合しちゃうことだってありそうです。
メニューには「バナナ」「酵母」「真菌」「大豆」といった主原料だけが書かれていて、「なになに? いったいなにが出てくるの?」とメニューを眺めているだけでも隣の人と思わずざわざわ。アルコールとのペアリングをセットして臨みます。
1品目にはプラリネ入りのチョコレート……だけではなく、ドーム型のカバーを開けるとバニラやウイスキー風味のバナナムースの上にキャビアが鎮座。意外すぎるこの組み合わせですが、キャビアの塩気とバナナが合う! ペアリングのポートワインと一緒にいただくとワインの豊かな香りがぱぁっと口の中に広がり、バナナの独特な後味も感じられなくなるほど。やっぱりいきなりデザート、と思わせておいて、きっちり次のコースが楽しみになるスターターでした。
シェフのフィロソフィに触れる
続いて運ばれてきた「酵母」は、イースト菌を小麦粉と混ぜて自分で練り練りする作業。このまま食べるのかと思ったら、下げられていきました(最後にお土産にいただいたブルーベリーマフィンになった)。
最初にパイのパリパリ感を楽しみ、あとからマッシュルームスープをかけてまた違った食感とかぐわしいきのこの香りを存分に堪能。肉でも魚でもないのにかなりの満足感がありました。
ただ腕が良くて有名であるだけでなく、ゲストを楽しませたいというホスピタリティを持ち合わせていることも重要視。しかもマティアス氏がかつて一緒に仕事をするなど、直接その人となりを知っている人に限られているというので、極上体験ができることは氏のお墨付きというわけ。
開催時期に合わせて人を探すのではなくて、「この人にぜひ」というシェフにご登場いただくため、不定期で開催回数もバラバラなのも納得です。
● ジョアンナ・ユエン
『The Ocean』『Ando』といった、香港でも指折りのレストランでペストリーチームを率いてきた経歴の持ち主で、Tatler Dining Awardsの「Best Pastry Chef」を2度受賞という実力者。香港で自信のショップ『Otera(https://otera.hk/)』を運営する。ディナー体験は同店で月に一度開催しているとのこと。
ザ タヴァン シークレット キッチン
【次回スケジュール】
第6弾 Gaston Riveira 氏/ La Cabrera(アルゼンチン)
期間/2024年8月29、30、31、9月1日(4日間)
HP/https://restaurants.andaztokyo.jp/jp/special/secretkitchen
お問合せTEL/03-6830-7739
場所/東京都港区虎ノ門1-23-4 虎ノ門ヒルズ 森タワー51F ザ タヴァン グリル&ラウンジ
時間/18:30〜 ザ タヴァン ラウンジで季節のウェルカムドリンク
19:00〜 個室「キッチンテーブル」に移動してディナー開始
※ご紹介した『ザ タヴァン シークレットキッチン by ジョアンナ・ユエン』はスペシャルコースメニュー 1万9360円、ワインペアリング7000円 税込、サービス料15%でした。