2024.09.08
【第60回】 この夏、涼味を感じさせるラーメン
この夏、出会った「3つ星」のイノベーティヴな冷たいラーメン
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
- CREDIT :
文・写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)
真夏のラーメン店にはそれぞれ創意工夫を凝らしたメニューが
酸味がとても心地よい「麵や七彩」の冷たいラーメン
まずは、八丁堀の「麵や七彩」の夏季限定の冷たいラーメン。この店、客が来店してから麺を打つことで知られているが、「冷やし中華」はタレにトマトを使っていて、酸味がとても心地よいラーメン。一緒に出かけた仲間は「青唐辛子の冷やし麺」を注文したが、青唐辛子にパクチーでエスニック風味と言っていた。
この店が恒例にしている「だだちゃ豆の冷やし麺」、毎年行列必至だそうで、今年は日程が合わず、来年チャレンジしようと思う。
「饗 くろ㐂」のサイケデリックなほどカラフルな「冷やし担々鶏そば」
この夏、久しぶりに出かけると、券売機の品書きになかったので、ご主人の黒木さんに伺うと、「すいません、気まぐれで色々やってます」とのこと。この日は、「つけ麺」をいただいたが、改めて出かけると、「冷やし担々鶏そば」があった。
「五稜郭」の「冷やし塩ラーメン」はスパイシーでエキゾティック
以上が、この夏、わたしが出会った「3つ星」のイノベーティヴな冷たいラーメン。
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
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