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2020.05.30

日本酒をWEB飲みして学ぶ「SAKE(酒)×NOMY(学)」

コロナで一般的になった‟オンライン飲み”。ただ飲むだけではなく、飲んで、学ぶ、日本酒のオンラインテイスティングに注目します。

CREDIT :

文/秋山 都  

「SAKE(酒)×NOMY(学)」第3回はカリスマ的な人気を持つ新政がテーマとなった。
新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言は全国的に解除されました(5月30日現在)。
東京では徐々に飲食店も再開されていますが、席数を少なくする、営業時間を短縮するなどの、各自「新しい生活様式」が求められています。ビフォーコロナとまったく同じ日々が戻ってくるには、まだまだ時間がかかりそう……いや、もう私たちのマインドセットも変容しているし、この新しい環境下でそれぞれの新しいライフスタイルを創り出していくのでしょうね。

一方で、このステイホームの期間中に新たな楽しみを私たちは幾つも発見しました。そのひとつが「WEB飲み」。ZOOMやGoogle Meetなどのアプリを使用して、オンラインで飲み会をすることになるとは、半年前には考えもつかなかったはず。友人同士が集って旧交を温めるだけではなく、バーや飲食店が主導したり、日本酒やワインの作り手がゲストとして登壇するなど、さまざまなバリエーションが生まれています。

なかでも中田英寿さん率いるJAPAN CRAFT SAKE COMPANYによるオンラインテイスティング「SAKE(酒)×NOMY(学)」は、単に愛好家が集って飲むだけではなく、大変に勉強になると話題です。「SAKE(酒)×NOMY(学)」とはなにか――? そのセッションを実際に体験してみました。

◆「SAKE(酒)×NOMY(学)」

「SAKE(酒)×NOMY(学)」とは、毎回異なる日本酒の蔵元を招いて、オンライン会議サービス「ZOOM」上で蔵元から直接、日本酒や蔵にまつわるストーリーや歴史、日本酒造りの哲学などを学びながら、その酒蔵の特別な酒を味わうというオンラインテイスティング。

第1回は「十四代(高木酒造)」、第2回は「而今(木屋正酒造合資会社)」……ともに大人気の酒蔵がテーマとなり、チケットは発売後即完売したのだとか。そして私が体験したのは第3回の「新政(新政酒造)」です。
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「新政」とは、秋田県で栽培された米のみを用いて醸造し、酒母には、天然の乳酸菌を活用する伝統製法「生酛」のみを採用。また、培養された酵母を使用する際は、この酒蔵で昭和5年(1930年)に採取された「きょうかい6号」(六号酵母)のみ使うという、マニアックな酒。なかでもフラッグシップである「No.6」は、生産数の少なさもあってなかなか市場に出回らず、インターネットでもプレミア価格がついてしまうレアな存在です。

そして、私はこの「新政」の蔵元である佐藤祐輔さんのお話をぜひ聞いてみたいと思っていたのでした。佐藤さんといえば、「新政」8代目の蔵元でありながら、酒造りの世界に入る前は東京でフリーライターをしていたという異色のプロフィールの持ち主。東京大学文学部卒業で、卒論は「ボブ・ディランとウイリアム・S・バロウズ」ですって! ますます興味がそそられます。

人気酒の造り手は、イベント会場などでも、周りを愛好家が幾重にも取り巻いているため、ゆっくりお話を聞くことなどできませんが、オンラインならじっくりとお話を聞けるはず。楽しみにその日を待ちました。
事前に送られたきた「新政」の酒3種。左から「Private Lab」シリーズの「陽乃鳥(ひのとり)」、フラッグシップである「No,6」、「Colors」シリーズの「エクリュ」。
「SAKE(酒)×NOMY(学)」開催にあたっては、まず事前にテーマとなる酒蔵の酒4合瓶3本が配送されてきます。これがうれしい! 「新政」などカリスマ的な人気をもつ酒蔵の酒は特約店にしか販売されず、一般に出回ることはほぼありません。しかも大好きな「No.6」が入ってる!! さっそく冷蔵庫でキンキンに冷やしておきます。あ、ちなみに上質な生酒のクオリティをキープするにはマイナス5℃の環境がふさわしいとされています。我が家には日本酒セラーがないので、「届いたら即冷蔵庫」が鉄則です。
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真鯛を昆布とレモンで〆ました。
油揚げをさっとあぶり、田楽味噌をひと刷毛。ネギぱらり。
さて、当日。佐藤さんのお話を聞きながら、「No.6」を飲んで学ぼうと思い、酒肴を用意しました。刺身や、油揚げなど日本酒に合いそうなテッパンから、白カビチーズやパテ・ド・カンパーニュまで幅ひろく揃え、「No.6」の味わいをさまざまな方向に探っていこうという作戦です。
左/「新政」蔵元の佐藤祐輔氏。右/MCを務めた WSET(Wine & Spirit Education Trust)Sake Educator である鈴木更紗さん。
「乾杯!」で始まりました。佐藤さん、かっこいいなぁ♡
オンラインテイスティングと聞いていたので、ゆるゆると「新政」を飲みながらお話が聞けるのかと思っていましたが、意外にも(?)忙しく、充実した内容のセミナーとなりました。
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「新政」がこだわる木桶仕込み。
「新政」の酒造りに大きな影響をもたらす製法「麹蓋」。
セミナーはまず佐藤さんとともに酒蔵をめぐるバーチャルツアーから。立派な木桶が並ぶ仕込み蔵から、佐藤さんがこだわる、小分けにして発酵させる「麹蓋(こうじぶた)」の模様まで、くまなく見学できました。実際に酒蔵へ見学にいくと、長靴に履き替え、白衣を着て、手を洗い、髪はすべて帽子の中に入れる……など、自分の菌(とくに納豆菌が厳禁です)を蔵内に持ち込まないマナーが求められるわけですが、オンラインなら気楽。こちらは部屋着で、好きな酒肴をつまみながらグラスを傾けて……いい気分です。
佐藤さんが用意したパワポ資料でお勉強。
……と酔うにはまだ早い。佐藤さんによるレクチャーが待っています。「新政」の酒造りの特色、生酛とはなにか、味わいはどのような要素で構成されるのか……など数十枚におよぶPDFで「新政」、そして日本酒を学びます。私はこのセッションで、自分の日本酒の好みをしっかりポジショニングできたように思います。いままで漠然と酸の高い酒が好きだと思っていたけれど、それがどこから由来するのか、などテクニカルな面も知ることができ、大変勉強になりました。

この「SAKE(酒)×NOMY(学)」は今後も人気酒蔵が続々登場する予定。こんな楽しみがあるなら「新しい生活様式」も悪くないものですね。

「SAKE(酒)×NOMY(学)」

◆第5回「澤屋まつもと」
6月6日(土)14:00~15:30

◆第6回「風の森」
6月6日(土)18:00~19:30

問い合わせとチケット購入

◆にほんものChef's Table

さあ、日本酒は用意できた。でも酒肴は? というならこちらを。
中田英寿さんが新たにスタートした動画チャンネル「にほんもの Chef's Table(シェフズテーブル)では、日本のトップシェフによる日本酒と一緒に楽しめる家庭料理動画を配信しています。「虎白」や「ペレグリーノ」など名店のシェフが自宅でできる簡単レシピをプロセスとともに教えてくれるから、わかりやすい!

◆ にほんものChef's Table

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