2024.12.15
【第66回】 府中・白糸台「RamenRouge」の美味しい革命
府中にオープンした「RamenRouge」は「かえし」のない画期的なラーメン
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。
- CREDIT :
文・写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)
「開化楼」のカラスさんに教えてもらった坂田さんの新しい店
今年の10月だったか、FaceBookに「RamenRouge」の新店舗開店情報がポストされ、気にはなっていたのだが、カラスさんからのお知らせで、それが坂田敦彦さんが独立して開く新しい店で、店がオープンしてしばらくしてから出かけてみて欲しい、と言われた。
ついぞ、今まで味わったことがないスープであることを実感
「中華そば」のスープには、鶏と鴨がベースで、さらにチーユ(鶏油)が入っていて、塩味は生ハムからだという。
そこで、後日、坂田さんにお話を伺った。
「かえしのないラーメンを考えた原点は何だったのでしょうか?」
今は思ってないですが、以前は、自分の中で、『かえし』とは多少の誤魔化しができて、誰でも均一な味を提供するためのシステムと解釈していたので、必要ないと考えたのです」(坂田さん)
なんとも説得力ある発言ではなかろうか。
「RamenRouge」の中華そばは、「濃厚」「激旨」などアクセントが強いラーメンが流行するなか、静かに「淡麗」「薄命」といった「儚い命」を楽しませてくれる「美味しい革命」のラーメンである。
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique
山本益博さんのYouTubeが好評稼働中!
日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!