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2025.04.13

【第74回】 飯田将太「本物とは何か」

なぜ「飯田商店」は日本中のラーメンファンが憧れる究極の一杯となったのか?

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

CREDIT :

文・写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。

ラーメンという料理に対する「敬意」と「愛」が溢れた一杯

日本中のラーメンファンが憧れる湯河原の「飯田商店」、その主人飯田将太が、麺、スープ、チャーシューから海苔に至るまで、日本中捜し求めて選び抜いた食材から最高の一杯をつくり上げるまでの話が詰まっている一冊が『本物とは何か』(プレジデント社刊)である。ひと言でいうと、スープの具材のひとつ「豚骨」まで、稀少な超一級品を使っている。
本物とは何か 飯田将太 LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON
▲ 以前、飯田商店を取材した時に飯田さんと。
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以前、この連載でも少し触れたが、10年ほど前、南青山のバスク料理店「ローブリュー」で天城黒豚の炭火焼きを食べた。長時間じっくり火を入れた豚肉は、ことのほか脂身が美味しかった。それから、かなり経って、表参道の「tonkatsu .jp」でとんかつになった天城黒豚に再会した。

「ローブリュー」の桜井オーナーシェフに天城黒豚の金子渉さんを紹介していただき、金子さんに「天城黒豚のもつ(ホルモン)はどこへ行くのでしょうか?」とお訊ねすると、毎週水曜日に恵比寿の「婁熊(るくま)東京」へ納めているとのことだった。

早速、水曜日に予約を入れて出かけ、カウンター席で「ホルモン」のフルコースをいただいた。その内臓肉の素晴らしかったこと!噛み応えのある肉質から、滋味が溢れ出てくるのだった。
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▲ 南青山「ローブリュー」で食べた「天城黒豚のロースト」。
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翌日、金子さんにお電話したのは言うまでもない。お礼を述べたのち、「それでは、天城黒豚の豚骨はどこへ納めているのでしょうか?」とお尋ねしたところ、ひと言「飯田商店です」とのことだった。

豚の精肉が良ければ、豚骨まで上質なはずである。これで、「飯田商店」のスープの素晴らしさの謎のひとつが解明されたというわけである。
本の中でも、鹿児島県産の「霧島高原純粋黒豚」、東京都産の「TOKYO X」、静岡県産の「天城黒豚」のゲンコツと背骨(背ガラ)と肉が主役だ。と紹介されている。
本の冒頭に戻ると、自ら作り上げたラーメンの味わい方を教授する。すべての具材を味わい尽くす手順を読んでいくと、ラーメンという料理に対する「敬意」と「愛」が溢れていることに気がつく。

飯田将太という料理人、「職人仕事の完璧主義者」である。
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『本物とは何か』

◆彗星の如く登場してたちまち「日本一のラーメン」に。
 湯河原「飯田商店」はいかにして誕生したのか?
◇なぜ、駅から離れたアクセスの悪い場所で開店し、
 いまもなお地元にこだわり続けるのか?
◆なぜ、TRYで総合1位を獲得したにもかかわらず、
 2019年に突然休業してラーメンを一新したのか?

知られざる「飯田商店」の秘密を店主本人が自ら明かす!
プレジデント社刊
価格1870円(税込)

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意外なところで、「トイ・ボックス」と「ロックンビリーS1」のコラボが実現

先日、TOKYO FMの秋元康さんの番組「いいこと、聴いた」に呼ばれた。「美味しいラーメンへの近道」ということで、いまお気に入りのラーメンを4、5軒ラジオで紹介して欲しいとのことだった。

ちょうど、飯田将太さんの「本物とは何か」が出版されたばかりだったので、この一冊を紹介したいばかりに「飯田商店」を推すと、秋元さんの大のお気に入りで、以前、すでに紹介済みとのことだった。

そこで、三ノ輪の「トイ・ボックス」、白糸台の「Ramen Rouge」、尼崎・塚口の「ロックンビリーS1」、横浜「満龍」を取り上げてくださることになった。

番組収録当日、半蔵門にある「TOKYO FM」のスタジオに出向くと、なんと、「トイ・ボックス」の山上さん、「Ramen Rouge」の坂田さん、「ロックンビリーS1」の嶋崎さんが、常設の厨房にスタンバイしているではないか。
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▲ 「ロックンビリーS1」の嶋崎さん(左)、筆者、「トイ・ボックス」の山上さん(右)。
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番組内で実際にラーメンを食べながら、話を進めるというのが秋元さんの狙いで、秋元さんとレギュラーゲストの中井美穂さんと私の3人が、次々にタイミングよく出てくるラーメンをいただきながら話を進めていき、あっという間に1時間が過ぎてしまった。
どうやら、厨房では「トイ・ボックス」の醤油ラーメンをつくる時は嶋崎さんが、「ロックンビリーS1」の昆布水つけ麺をつくる時は山上さんが助っ人でお手伝いしたらしい。意外なところで、「トイ・ボックス」と「ロックンビリーS1」のコラボが実現したのだった。

飯田将太さんの『本物とは何か』も、番組内でしっかり紹介させていただきました。
山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

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日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
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