2020.09.13
イタリア最高峰の泡「フランチャコルタ」でいつもと違う秋が始まる!?
秋の気配を感じると、いよいよフェスティブシーズンの始まりです。キラキラな日々に欠かせないのが、シュワシュワと輝く上質な泡。今年はイタリアのオヤジさんに倣って、大切な彼女をフランチャコルタでおもてなししませんか。
- CREDIT :
文/江藤詩文 写真/内田裕介
本場イタリア、特にミラノのファインダイニングでは、泡といえば当然のようにフランチャコルタ。ミラノ発のブランドスーツでキメたオヤジさんが、美しい女性と共にフランチャコルタを楽しんでいる姿もよく見られます。
ところがフランチャコルタはイタリア国内で多く消費されてしまうため、残念ながら日本では、まだそれほど広く知られていません。
いま日本で、イタリアのオヤジさんのようにフランチャコルタと付き合えたらカッコいい。そこで「フランチャコルタは特にデートにおすすめ」というイタリアンレストラン「トラットリア クレアッタ」のソムリエ・野口鉄平さんに、女性に喜んでもらえるフランチャコルタと、自宅でも簡単に楽しめるペアリングを教えていただきました。
飲み始めの最初の1本は「ブリュット」から
フランチャコルタには、ベーシックな「ブリュット」のほか、世界で唯一フランチャコルタだけがその名称を持つシルキーな泡立ちの「サテン」、ぶどう本来の色を生かした「ロゼ」、補糖をしない「ドサッジョ ゼロ」など、さまざまなタイプがあります。
野口さんによると、フランチャコルタを飲み始める最初の1本は、スタンダードな「ブリュット」が良いチョイスとか。
「フルーティで華やかな香り、きめ細かくてなめらかな泡立ち、心が浮き立つような金色と、フランチャコルタの特徴がよくわかるのがブリュットタイプです。食事中ずっと楽しめる飲み飽きしない上品な味わいで、料理にも合わせやすく、初心者からワインを飲み慣れた人まで、どんな方にも楽しんでいただけるはずです」
フランチャコルタに合う料理とは?
「ワインと料理の相性を考える時には、『テロワール』というそのワインが造られた土地を知るとおもしろいと思います。フランチャコルタ地方は、イゼオ湖の南側に広がる地域で、元は氷河だった土壌です。フランチャコルタ地方のテロワールの個性を踏まえて料理をペアリングしてみましょう」
「ブリュットに合わせたいのは、ずばりサーモン。スーパーやデパ地下で買ったもので構いません。これにオリーブオイルと塩少々、準備できればオニオンスライスを添えて、ドレッシングのようにフランチャコルタをワンスプーン振りかけるとおしゃれに見えますよ」
「市販のブリオッシュをスライスして洋ナシをのせ、ゴルゴンゾーラチーズをトッピングします。ゴルゴンゾーラはロンバルディア州の特産物。テロワール的にも相性がいいのです。女性に好まれる甘じょっぱい味で、ついもう1杯とお酒が進んでしまいますよ」
さすが「デートにおすすめのお酒」というだけのことはあるようです(笑)。
また、「ブリュット」は和食にも合わせやすいそう。その際は、鮨や刺し身といったフレッシュな海の魚ではなく、焼き魚や天ぷらのように加熱したものならより相性がバッチリとか。
「ロゼ」はより幅広い料理とのペアリングを楽しめます
「ロゼというと甘くて料理には合わないかな、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、フランチャコルタのロゼは、見た目の華やかさとは裏腹の大人の味。弾けるような果実味というよりは、熟成から来るうま味と凝縮感がありますよね。しっかりとした味わいで幅広い料理と引き立て合います。フランチャコルタのロゼを知っていると、ちょっとツウに見えますよ(笑)」
ペアリングする料理は、生ハムやサラミ(もし手に入ればイタリア産のものをぜひ)。野口さんによると、フランチャコルタのロゼと生ハム(プロシュート)やサラミといったシャルキュトリは相性抜群。チーズのコクとうま味もよく合います。
意外なところでは、フレッシュないちじくの甘酸っぱさにもよく合うそう。最近はスーパーマーケットにも出回り始めたので、見かけたらゲットして、一緒に盛り合わせちゃってください。
「女性は、デザートがお好きな方も多いですよね。おすすめは、ロンバルディア州でもよく食べられている、ドライフルーツがたっぷり入ったパウンドケーキです。デザートタイムでさらにもう1杯、彼女にさり気なくおすすめできますよ」
デザートまでカバーできるのがフランチャコルタの魅力。でも、飲みすぎ・飲ませすぎにはご用心。お酒は常にほどほどがスマートですよ。
ちなみに、昨秋イタリア北部をひとり旅した時、ミラノのバーやレストランで何度も言われたのが「フランチャコルタを飲む女性の姿は美しいネ~」というセリフ。やはりイタリアのオヤジさんにとってフランチャコルタは女性をその気にさせる恋のお酒のようです。
これからやって来る楽しい季節、日本のオヤジさんもフランチャコルタのグラスを片手に、彼女に優しい言葉をささやいてあげてくださいませ。
20種以上のフランチャコルタが飲み比べ可能な「フランチャコルタ ガーデン」開催中!
フランチャコルタをまずはレストランで飲んでみたい。そんなあなたは、野口さんが活躍する大手町の「トラットリア クレアッタ」で、現在開催されている「フランチャコルタ ガーデン」へどうぞ。このイベントために集められた20種類以上のフランチャコルタが、週替りで3〜4種類登場し、グラス(1杯1000円)で飲み比べができます。
■Franciacorta Garden(フランチャコルタ ガーデン)@TRATTORIA CREATTA(トラットリア クレアッタ)
期間/開催中〜10月12日
場所/TRATTORIA CREATTA(トラットリア クレアッタ)
住所/東京都千代田区丸の内1-1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー1F
営業時間/11:30〜L.O.14:00、17:30〜23:00(フードL.O.21:00、ドリンクL.O.22:00)
※状況により予告なく営業時間が変更になる場合があります。
※平日の「フランチャコルタ ガーデン」はディナーのみです。
定休/なし
HP/https://creatta.tokyo
●フランチャコルタ協会日本事務局公式Twitter/@ Franciacorta_jp
●野口鉄平(のぐち・てっぺい)
J.S.A.認定ソムリエ。京都出身。都内ホテルや、イタリア料理、フランス料理のレストランでソムリエ職、マネージャー職の経験を積み、今春「トラットリア クレアッタ」のソムリエに就任。趣味はスイーツ巡り。
●江藤詩文(えとう・しふみ)
世界を旅するフードライター。ガストロノミーツーリズムをテーマに、ファインダイニングからストリートフード、家庭料理、ワイナリーや酒蔵などを取材して各種メディアで執筆。訪れた国は60カ国以上。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」(小学館)シリーズ3巻。Instagram(@travel_foodie_tokyo)でもおいしい旅情報を発信中。