2021.02.05
VOL.09「肉好き女子のための『霜降り』『赤身』問題」
「霜降り」と「赤身」、結局どっちが美味しいの?
「ぐるなび」のエディトリアル・プロデューサーとして超高級から庶民派まで全方位にわたる豊富な食体験を誇る業界の“グルメ番長”松尾 大さんが、食のトレンドを押さえつつ、新たなグルメの楽しみ方をご提案する連載です。
- CREDIT :
文/松尾 大 イラスト/チカツタケオ、林田秀一
■ Theme09「肉好き女子のための『霜降り』『赤身』問題」
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結論からいうと、そもそも赤身と霜降りは比べるものではないということ。単純に霜降りや赤身と記号消費的に肉をとらえていてはそれぞれの良さはわからないということです。
特に質の悪い霜降りは太らせるための飼料を与えられて育てがちなので脂がしつこいし、餌のネガティブな香りも気になるところ。また、脂の融点が低すぎると肉がパサつき、高すぎると口どけが悪い。ただAー5とか記号性に頼るのではなく、それらを見極める目利きのいる店で食べるのがベストだと思うんです。
霜降りは熟成に向かないけど、赤身は適度に水分を抜きながら正しく熟成させると濃い旨みの肉になる。この熟成というのは真空パックではなくちゃんとしたドライエイジングです。ただ、それも肉にポテンシャルがなければ熟成前にダメになるので、熟成赤身が正しい!ということでもないんです。
赤身の良さも語れて、霜降りを否定しない。そんな心の広いオトコが彼女にも好印象なのは間違いないですよ。
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松尾 大
雑誌編集者を経て2015年にぐるなび入社。グルメウェブサイト『dressing』を立ち上げ、編集長、2017年よりエディトリアルプロデューサーに就任。のべ2万軒以上の店に足を運んできた“グルメ”番長。