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2020.12.22

EXILE橘ケンチが語る「日本酒はもっともっとカッコよくなれる」

EXILE/EXILE THE SECOND の橘ケンチと日本酒界のイノベーターとして多くの支持を集める新政酒造によるコラボ日本酒「涅槃龜 橘(にるがめたちばな)」がリリースされた。ケンチが田植えから関わった日本酒ってどんな酒? 日本酒と酒造りにかける想いを聞く。

CREDIT :

文/秋山 都 写真/吉澤健太

▲橘ケンチ/EXILEパフォーマーおよび EXILE THE SECOND のリーダー兼パフォーマー
「私、いままで日本酒を飲んだことがなかったんですが、ケンチさんがおすすめしてくれるから飲むようになり、いまでは大好きになりました」

「日本酒がこんなに食事と合わせて楽しいお酒とは知らなかった」

とは、11月に行われた「涅槃龜 橘(にるがめたちばな)」(新政酒造)リリースを記念した、抽選により参加した30名とのオンライン飲み会『涅槃龜 橘オンラインの会』で聞かれたコメント。この日、EXILEのメンバーである橘ケンチが、人気酒蔵である「新政酒造」(秋田県)と協働したコラボ日本酒「涅槃龜 橘(にるがめたちばな)」を初めて披露する機会とあって、カメラを前にしたケンチ、そして新政酒造の蔵元である佐藤祐輔ともに静かな高揚感に包まれているように見えた。

この酒を醸すにあたっては、酒米の田植えに始まり、収穫、麹づくりや発酵の過程にいたるまで、さまざまなプロセスで積極的に携わってきたというケンチ。そもそも、彼がなぜ日本酒に魅せられたのか、そしていま何を目指しているのか——聞いてみた。
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「日本酒ってこんなにおいしいんだ」

「昔から日本酒が好きなわけではなかったんです。学生時代の飲み会で口にすることはあったけど、美味いと思って飲んでいたわけではなかった。でも4年ほどまえ、とあるお店で食事と日本酒をペアリングで楽しんだとき、衝撃を受けたんです。日本酒ってこんなに美味しいんだ、と」

ちょうどそのころ、仕事で海外へ出かけ、日本について聞かれるたびに、自分の知識不足を感じていた時期でもあった。自分は日本を知っているのか? その魅力を伝えきることができているのか?

「同じころ、自分の個性についても悩んでいたんです。たとえばEXILEのメンバーはみんな踊れるし、エンターテイナーとしては一流。そのうえで、自分という存在は他のメンバーとどう一線を画していくことができるか。たとえばぼくは本を読むのが好き。英語がしゃべれる。でも、他にもっとないかなと考えていました」

そこで出会った日本酒に、一筋の光明を見出した。

「それからはひたすら飲み、学びました。ライブで地方へ出かけるたびに、その近くの酒蔵を訪ね、蔵元さんと話し、現地の食材をアテに酒を飲む……とにかくおいしいし、楽しい。日本はこんなに豊かな風土の国だったのかと改めて感謝したくなったし、食卓を囲む時間はこんなにも幸福なものかと、自分自身の中にも変化が生まれました」

この4年間で訪れた酒蔵は100を超えた。多くの造り手と出会うことで、次第に飲むだけでは飽き足らず、自分でも酒を造ってみたいと考えるようになった。

「『新政』の佐藤祐輔さん、そして『田中六五』(白糸酒造)の田中克典さん、『澤屋まつもと』(松本酒造)の松本日出彦さん、『afs橘』(木戸泉酒造)の荘司勇人さんら、若くて革新的な造りをしている蔵元さんに出会えたことが大きなきっかけとなりました。彼らは、ぼくの日本酒を造ってみたいという気持ちを理解してくれて、一緒にやろうと言ってくれたんです」

そこで3年前の「亜麻猫 橘(あまねこたちばな)」(新政酒造)を皮切りに、4つの酒蔵で6種のコラボ酒を誕生させてきた。その7つめとなるのが冒頭の「涅槃龜 橘(にるがめたちばな)」というわけだ。
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人気酒蔵「新政」とのコラボレーション

「『新政』とコラボするのは今回で3回目でしたが、今回がいちばんチャレンジングな酒造りだと思いました。
この酒はなんと90%の精米度合。つまり、ほとんど削っていないんです」

「新政」が使うのは秋田・鵜養(うやしない)エリアで、契約農家が育てた無農薬米だ。今回の「涅槃龜 橘(にるがめたちばな)」については、その米の持ち味を存分に活かそうと、90%精米(10%しか削らない)の酒がデザインされたが、それは同時に雑味をもってしまうリスクもある。いま、大半の酒蔵で米を多く磨いた吟醸酒を造ろうとしているトレンドへのアンチテーゼともいえる挑戦的な酒造りだ。
▲「新政」が所有する自社圃場で田植えする橘ケンチ。撮影/Norihito Suzuki
▲酒造りのうえでもっとも重要な麹づくりも担当。
「難しいと感じていたけれど、できあがった酒を飲んで本当に驚きました。雑味のない、クリアな味わいで、90%精米のお酒をここまできれいに仕上げるのは新政酒造さんの技術力の賜物だと思います」

蔵元である佐藤祐輔を日本酒界のメンターと仰ぐケンチにとって、師弟でのコラボは心弾む経験だったに違いない。
新政PRIVATE LABシリーズの1本である「涅槃龜」は龜のイラストがトレードマークとなっているが、今回のコラボでは特別にブルーのウィッグ(?)をかぶったユニークなエチケットにも注目したい。「涅槃龜 橘」720ml ¥3,600(税込み)/IMADEYA系列各店
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「角打ちとクラブのノリって似てるでしょ」

さて、その日本酒をどんな風に楽しめばいいのだろうか。
「僕の考えでは二通りあるんです。まず、従来通りのイメージで、和室で、着物を着て、猪口で飲むような楽しみ方。これはやはり王道で、かっこいい飲み方だと思います。
もうひとつは、イタリアンやフレンチなどの洋食と合わせて、グラスに注いで飲む楽しみ方。前者が伝統だとしたら、後者は革新ということになるのかな。このどちらでも味わえる、日本酒はほんと奥が深いんです」

最近、日本酒専用セラーを購入したことで、自宅で日本酒を飲む機会も増えたのだそう。でも、せっかくなので、どこかおすすめのお店も教えていただきたいのだが……。

「角打ちのお店でもいいですか? 『住吉酒販』(東京・六本木ミッドタウン)は大好きで、よく行くお店です。そもそも僕、角打ちが好きなんですよ。クラブと同じノリで、あっちに行ってちょっと飲み、こちらの人とお話して……って自由に動けて楽しいじゃないですか」

日本酒を、それも角打ちを、クラブのノリで語るとは新しい。

「日本酒は、そもそもかっこいんです。でもそのかっこよさをもっと発見して、体現して、世界に発信していきたい。日本にこんなかっこいい酒があるんだって、みんなに知ってほしいですね」

(文中=敬称略)

● 橘ケンチ / KENCHI TACHIBANA

EXILEのパフォーマー及びEXILE THE SECONDのリーダー兼パフォーマー。
アジアを含む世界へ向けたLDHのエンタテインメント構築も担う。ライフワークとして日本酒の魅力を発信、初の造りにして飲食提供を行った2018年の新政酒造〈亜麻猫 橘〉を皮切りに、2019年は松本酒造〈守破離 橘〉、白糸酒造〈橘六五〉、新政酒造〈陽乃鳥 橘〉の3銘柄を酒販店頭で初展開。2020年も3月の木戸泉酒造〈afs橘〉に続き10月松本酒造〈守破離橘2019-2020〉、12月5日(土)に新政酒造〈涅槃龜 橘〉をリリース、今後は12月24日(木)に白糸酒造との〈橘6513〉が控えている。去る12月18日(金)企画原案に携わった日本酒マンガ『あらばしり』の連載が少年マガジン公式無料漫画アプリ『マガジンポケット』にて始動。2018年13代酒サムライに叙任。
(公式HP)http://exile.jp

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