2021.01.13
世界No.1バーテンダーが、オトナかっこいいバーでの過ごし方、教えます
20年12月に行われたインスタライブの模様を振り返ります。@leon_magazineのIGTVでもご覧いただけますので、そちらでもチェックを!
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文/秋山 都 写真/福本和洋
世界No.1バーテンダーに、LEON編集長が迫る!
迎えてくれたのは、後閑信吾さん。
世界的なカクテルコンペティション「バカルディ レガシー カクテル コンペティション」で優勝し、上海でバーを大ヒットさせた後、凱旋帰国。2018年に渋谷にオープンした「The SG Club」がThe World’s 50 Best Barsで2年連続入賞している、名実ともに世界No.1のバーテンダーです。
かっこいいカクテルってどんな酒?
今日のテーマは「バーでのカッコいいふるまい」ってことで、「バーって少し敷居が高いけど、なにを頼めばカッコいい?」「どんな振る舞いがイケてる?」などなど、みなさんの疑問をぼくが代わりにお伺いできれば、と。
後閑:ではまず一杯どうぞ。「カッコいいカクテル」といえばやっぱりコレかな、と。
石井:マティーニですね。映画『007』シリーズのセリフでも有名ですね「シェイクじゃなくて、ステアで」と。
後閑:実際、ステアのほうが美味いんですよね。マティーニはご存知のようにジンとドライベルモットがベースとなるカクテルでして、今日は「ボンベイサファイヤ」をベースに使いました。ジェームズ・ボンドはウォッカ・マティーニを好んでいるそうですけれどね。でも、このマティーニもちょっと007にインスパイアされているんですよ。おわかりになりますか?
後閑:さすが(笑)、いいところに気づきますね。実はこのマティーニ、飲み方にポイントがあるんです。一般にマティーニはステムの長いカクテルグラスで供されることが多いんですが、そうするとグラスを持つ手つきが少しフェミニンに見えるんです。
そこで、我々がオリジナルで開発したマティーニグラスはステムを短くしました。で、このグラスを、向こう正面から抱き寄せるように持っていただきたいんです。
(スタッフ一同)カッコよく見える!
後閑:マティーニはもちろんカッコいいカクテルのひとつなんですが、それを飲んでる姿もカッコ良くしたいと思って、作ったのがこのグラスなんです。実は歴代ジェームズ・ボンドも、マティーニを飲む時、グラスのステムではなく、ボウルの部分をつかんで飲んでいるんです。
石井:たしかにこうガバッとつかむとなんかマッチョな気分になるなぁ(笑)。そしてほんとにうまい!
後閑:ジンを2種ブレンドしているから、ドライすぎないんですよね。マティーニは強いカクテルなので敬遠する方もいるんですが、そんな時は「(ジンとベルモットを)1:1で」とオーダーするとアルコール度数が下がります。さらに「リバース(ジンとベルモットの比率を逆にし、ベルモットを多くする)」という注文の仕方もあるんですよ。
石井:いろんな注文の仕方があるんですね。覚えておこう。
後閑:じゃあ、せっかくなので、ぼくらがつくったオリジナル焼酎「The SG Shochu」を使った一杯にしましょうか。
石井:焼酎を作ったんですか? このスタイリッシュなボトルは、ぼくらがイメージしている焼酎とはずいぶん違いますね。
後閑:焼酎は日本のすばらしいスピリッツだと思うんですが、海外ではほとんど知られていないんですよ。もっと知っていただきたいし、カクテルのベースとしても使ってほしい。そんな思いで、米・麦・芋をそれぞれ焼酎業界をリードしている3つの酒造とコラボし、生み出したのがこの「The SG Shochu」です。
アペリティフカルチャーを日本で広めたい
後閑:「ネグローニ」です。
石井:え? 「ネグローニ」ってカンパリを使うカクテルですよね? 赤くないんですか?
後閑:本来、ジンとカンパリ、スイートベルモットを使うカクテルなんですが、これはカンパリをヨーグルトで濾しているから、こういう色になるんです。そしてジンではなくThe SG Shochuの米を使いました。「ネグローニ」は日本ではまだあまり知られていないんですが、世界でたくさん飲まれているカクテルランキングでは第2位なんですよ。
石井:「ネグローニ」はたしかもともとイタリアのカクテルですよね?
後閑:フィレンツェで1920年代に生まれた、歴史のあるカクテルです。
石井:でもなんであんまり日本で知られていないのかな。
後閑:「ネグローニ」はこのほろ苦さもあって食前に最適なカクテルなんですが、日本はまだアペリティフ(食前酒)カルチャーがあまり広まっていないからじゃないでしょうか。ぼくが仕事していたNYのバーでは、18時にオープンしたらすぐにアペリティフを飲む人たちで満席になるんです。
石井:日本だとバーは食後に行くものだと思っているひと、まだ多いかもしれませんね。ぼくら「LEON」では、アぺリティ―ボやアペロなど食前酒を推していて、バーでの待ち合わせもよく提案しているんです。バーだと、万が一遅刻してしまって女性をひとりで待たせてしまう時でも、バーテンダーさんのホスピタリティもあり、彼女はきっと退屈しないはず。ほどよい喧騒も心地よいし、きっと楽しいアペリティフの時間になるんじゃないかな、と。バーで1、2杯飲んで、すこしほぐれてからディナーって、なんかいいじゃないですか。
後閑:1軒めをバーに来ていただけたらぼくらもうれしいです。
石井:すてきなバーで始めたデートは終わりもハッピーなものになりそう。みなさんもぜひバーで待ち合わせ、してみてください。
The SG Club
住所/東京都渋谷区神南1-7-8
予約・問い合わせ/Tel.03-6427-0204
営業時間/Guzzle【1階】12時-20時、Savor【2階】15時-20時
*2月7日まで。それ以降の営業時間は店舗のSNS等でご確認ください。
不定休