2017.06.05
二回目のデートは盛り上げ必至なこんな店へ【1】「ブラインドデート」
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写真/福本和洋(マエティコ) 取材・文/井上真規子
ゆえに、目隠しをして視覚を奪ったら、人はその失われた6割の情報を補うべく、視覚以外の感覚を研ぎ澄ませて“超敏感状態”になるわけで。
仲睦まじいカップルの中には、相手を目隠しして、あえて敏感状態にさせて刺激的なプレーを楽しむ方々もいらっしゃるようですが、まだ関係の浅い段階での目隠しプレーは当然ハードルが高い。
視覚と聴覚が奪われた状態で、高級肉を味わう“リスニング・イーツ”とは?

こちらでは、なんと目隠しとヘッドホンを装着して視覚と聴覚を奪ったうえで、高級肉を味わう “リスニング・イーツ”が体験できるんです。

では、そのような過去の視覚体験に影響されず、純粋に、こだわりぬいた熟成肉をしっかり味わってもらうためにはどうすればいいか? そこで始められたのがこの目隠しサービス。こちらとしては、お肉を愛してやまないお店の純粋な探究心を利用して、なんの下心も感じさせずに彼女の視覚と聴覚を奪ってしまおうというわけです。
“リスニング・イーツ”が体験できるのは、2種類のコースメニューのうち、「SHUNJUKUSEI MEAT GRILL SPECIAL COURSE」。まずは、アミューズの発酵熟成バーガーをいただき、続いて本日の魚と季節のフリットの前菜2品が供されます。
そして、いよいよメインの炭火焼による発酵熟成肉が登場!というタイミングで、何故か和風の手ぬぐい3種類が運ばれてきて、「お好きな柄を選んで、目隠ししてください」とお店から注文が入ります。当然、何も知らない彼女は「???」となりますよね。

唐突な要求に彼女は「え?目隠し?」と困惑しながらも、場所はお洒落なレストラン。ゆえに警戒されることもなく、むしろ面白がってくれるはず、ですよね。
そして、あなたは彼女を不安にさせない程度に、紳士的なエスコートの手を差し伸べるのが理想。手ぬぐいを三つ折りにして顔に巻いてあげた後、優しく彼女の頭にヘッドホンを装着します(実際に体験してみたところ、この状態ではフォークやナイフがどこにあるかも、目の前の相手が何をしているかもわかりません。もはや頼れるのは触覚、嗅覚、そしてあなたのみ)。

そうこうしているうちに、味見用の熟成肉がテーブルに運ばれてきます。同時にヘッドホンからは、「ジュージュー」という鉄板の上でお肉を焼いている音が。
そこであなたはひと口大の熟成肉が刺ったフォークを彼女にやさしく持たせ、口まで誘導して食べさせてあげるのです(今回は店員さんに導いていただきましたが、正直、自分の口にお肉を持っていくのも難しく、緊張度もなかなかのものでした)。

いざ、肉をほおばると意識が舌に集中して、いつもとは違って感じられるような。続いて目隠しとヘッドホンを外し、ふた口目をいただきます。その味わいの違いは……実際に体験していただいてからのお楽しみに。

ここでお肉をお見せすることは控えておきますが、奥に霜降りが適度に入った艶っぽいサーロインが鎮座しており、ひと目見ただけで美味しさが想像できてしまいます(そうしないためのリスニング・イーツです!)。
食べ終わった後には、肉の美味しさはもとより、味覚の変化やら、あなたのサプライズ手腕やら、刺激のあとの疲労感やらで、彼女も心地のいい気だるさを感じているはず。美味という刺激をドキドキに変えるには、こんな手法もあるのですね。ぜひご体験くださいませ。
◆ 旬熟成 GINZA GRILL
住所/東京都中央区銀座6-10-1 ギンザシックス 13F
営業時間/11:00〜23:00
定休/ギンザシックスに準じる
電話/☎︎03-6280-6429
●「SHUNJUKUSEI MEAT GRILL SPECIAL COURSE」1万2000円、リスニング・イーツは追加で2000円(税込)
※終車場あり
“四感”をフル活用して味わう、もう一つのブラインドレストラン

といってもこちらはお店じゃありません。場所は浅草の緑泉寺というお寺。その堂内でほぼ毎月、密かに開催されている「ブラインドレストラン 暗闇ごはん」というイベントがあるのです。
それはお寺の中に設けられた明かりを落とした和室で、お客様全員がアイマスクを装着し、ひと皿ずつ運ばれてくるお料理をいただくというなんともスリリングな催し。

まずは食べる前に、住職から参加の注意事項や最大限に“四感”を活用して、上手に食べるための説明が行われます。その後、参加者はアイマスクをつけて、手を引かれ、それぞれの席に着きます。そこから一皿ずつが供され、自分が何を食べているのかもわからないまま食事が進んでいくのです。
実はこちら、目の前のことに集中する、という仏教の教えを体感できるレストラン。全部の食事が終わった後、参加者はアイマスクを外して、そこで初めて、どんな部屋でどんな人と何を食べていたのかがわかります。
それは、まるで良質なアトラクションを体験しているよう。たとえお互いの姿は見えなくとも、お寺で暗闇の中、お食事をいただくという特別な体験を共有することで、彼女との距離はぐっと近づくはず。五感を刺激する究極のブラインドデート、ぜひ、ふたりの仲を推し進める手立てとして活用くださいませ。


◆ ブラインドレストラン 暗闇ごはん
住所/東京都台東区西浅草1-8-5 湯島山緑泉寺
開催日程・予約方法/以下の青江住職のfacebookページにて告知
URL/www.facebook.com/KAKUHOAOE/
電話/☎︎03-3841-0076
●暗闇ごはん︎一人3500円