2017.08.05
大人の自由研究。冷た〜くて美味しい「みぞれ酒」を作ってみた!
日本酒を過冷却すると、注いだ瞬間に凍り出すという!「みぞれ酒」ちょっと難易度高めですが、実際に作ってみました。
- CREDIT :
文/木村 千鶴 撮影、動画編集/阿部 敬史、橋本 朱理
“みぞれ酒”とは、「過冷却」という現象を利用した日本酒の楽しみ方。
冷凍庫でゆっくり日本酒を冷やすと、注ぐまではなんの変哲もない液体なのに、注いだ瞬間、その衝撃で突如みぞれ状に凍っていくというもの。
ちなみに「過冷却」とは、液体が凍結温度を下回っても、液体のままでいる状態を指します。この状態に衝撃が加わると、本来は凍っているべき温度であることを思い出したように酒が一気に凍結するのです。
と、さらりと書きましたが、じつは過冷却状態にするのは中々難しいんです。冷凍温度や外気温、液体量、アルコール度数などによって、冷凍時間を変えなければなりません。というわけで、気分はさながら理科の実験なのであります。
さて、今回は大人の自由研究よろしく3タイプの日本酒を用意。さあ、実験開始です!
実験に必要なもの
1. 純米酒
2. 瓶内発酵のスパークリング酒
3. 純米原酒+ミネラルウォーター
なんでだ!邪道だ!と思われた方もいらっしゃるでしょう。難しい実験なので保険です(笑)。
みぞれ酒の作り方
冷蔵庫で冷やした酒を冷凍庫に入れるため、酒器に移します。今回は1号徳利を使用。スパークリング酒は栓を開け、破裂を防ぐためラップなどで軽く栓をしてください。
加水酒は70分から80分。スパークリング酒は65分です。スパークリング酒はアルコール度数も低く凍りやすいので、ご注意ください。
お猪口などの酒器も一緒に冷凍庫へ。酒器もよく冷えていると成功率が上がります。過冷却状態になると少しの衝撃でも凍結してしまいますので、気になっても時間までそっとしておきましょう。
冷凍庫から取り出し、過冷却状態のお酒をお猪口に注ぎます。それぞれの冷却時間になったら、衝撃を与えないようそっと冷凍庫から取り出し、ここからは大胆に、お猪口が温まらないうちに、できるだけ高い位置から注ぎましょう!
ここからは動画でご覧ください。
ちなみに、事前実験では3勝1敗の確率でみぞれ酒作りに成功しています。また失敗したとしても、共同作業で行う実験そのものが楽しく、冷え冷えのお酒は夏に美味しく、試す価値は充分にアリです!
参考までに、成功時のお味の感想をお伝えすると、純米みぞれ酒はシャリシャリ感と凍結しなかった部分のとろみが合わさり、すっきり美味でした。さらにスパークリング酒のみぞれ酒はとてもお勧め!エアリーで、ちょっと刺激のあるシャリっと感がたまらないおいしさです。
加水酒はあまりお勧めできません。大変抜け感のある味わいでした(笑)。
ともあれ、是非体験していただきたい、この大人の自由研究。
きっといつまでも思い出に残るイベントになるはずですよ。