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2017.08.07

自然の風で身も心も涼やかに 鎌倉・お寺のお茶処

CREDIT :

取材・文/編集部 写真/金田亮、棚井文雄

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この夏の猛暑のなか、皆さんはどうお過ごしですか? そろそろ夏の疲れもたまってくる時期。冷房をよく効かせた室内にいるのは快適なものの、それでかえって冷房疲れを起こしている方もおられることかと。そこで気分を変えて、自然の風の中へ涼みに行くというのはいかがでしょう。

オススメなのは鎌倉のお寺。都心から1時間半ほどの好アクセスなエリアにもかかわらず、都心ではお目にかかれない豊かな自然がいっぱいです。もちろん、お寺の敷地内は落ち着いた静かな空間ですので、大人なふたりの避暑にぴったり。

ここでは数ある鎌倉のお寺のなかでも、緑の中で涼を感じながらお抹茶をいただけるところを選んでご紹介。のどを潤しながら、涼し〜く身も心癒されるひと時を過ごしてくださいませ。

◆ 浄妙寺「喜泉庵」 

枯山水を眺めながらお抹茶で一服

鎌倉駅から鶴岡八幡宮方面へ向かい、金沢街道を道なりに行くと辺りには次第に緑が増えはじめます。お目当の浄妙寺は、街の中心部からは少々離れるのでドライブで行くのがオススメですが、鎌倉駅始発のバスでも15分ほどで到着できます。この周りには昔ながらの趣のある家が多く、お寺にお入る前からなんだか心がほっこり。
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浄妙寺は、臨済宗の格付けである鎌倉五山の第5山(つまりトップ5)の由緒正しいお寺。そんな浄妙寺の境内にあるのが、枯山水の庭をもつお茶処「喜泉庵」です。
お座敷にあがると、目の前に広がるのは枯山水の庭。ほんのりとお香が焚かれたこの庵の中では、自然と背筋が伸びるけれど、同時にどこか懐かしい雰囲気にリラックスもできるのです。畳に座れば、涼しい風が抜けてゆきます。
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生菓子のセットでは、鎌倉随一の和菓子屋とも称される「美鈴」の季節の上生菓子が提供されます。お抹茶は温かいものが基本ですが、夏季には(6月下旬〜9月の秋分あたりまで)冷たいものも選べるそう。
お抹茶とともにいただくお菓子は、生菓子か干菓子。生菓子は季節ごとに変わり、夏はなんとも涼しげな寒天のお菓子をいただけます。お座敷には椅子の用意もあるので、正座に疲れたらそちらにもどうぞ。
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縁側も風情ある佇まい。コチラに腰掛けて庭を眺めながら風に吹かれていると、いつまでも座っていられる心地に……。都会の暑さも喧騒も忘れ、ゆったりとしたひとときを過ごしてください。
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◆ 浄妙寺 「喜泉庵」

住所/神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31
営業時間/10:00〜16:30
定休日/なし
お問い合わせ/☎︎0467-22-8638
※受付は16:15まで
●「抹茶と干菓子」600円、「抹茶と美鈴の季節の生菓子」1000円

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さて、鎌倉にはまだ自然の涼を楽しみながらお茶をいただけるお寺があります。続けてご紹介するのは、実は本誌でも梅雨時に行きたいお寺のテラスとして取り上げた2軒(2017年8月号)。しかしながら梅雨だけでなく、夏は生命力溢れる万緑を楽しめるので、再びオススメいたします。

◆ 報国寺「休耕庵」 

ひんやりした竹林で静寂に耳を澄ます

浄妙寺のほど近くにあるのが、別名「竹寺」としても有名な報国寺です。苔むした庭を愛でながら参道を進んで、目指すは本堂左手の竹の庭。受付を抜けると途端にあたりはひんやりとした空気に変わり、眼前には立派な竹林が広がります。
約2000本の孟宗竹の合間に隠れるように佇む「休耕庵」は、アーチ状のお茶席が特徴的です。
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受付で購入した抹茶券を出してしばらくすると、立てたばかりのお抹茶が落雁とともに供されます。お茶席左手、天岸の岩という巨石の岩間からは、水が心地よい音を立てて流れ落ちます。そのせせらぎの音と竹林の景色に癒されない人はいないようで、ここで一服する人は誰も皆穏やかな目をされています。
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京都・一保堂のお抹茶には落雁を添えて。この落雁は昔ながらの製法を続ける香川県・羽根さぬき本舗の和三盆を使っているそう。
文豪・川端康成はこの寺領内に居を構えるほど報国寺周辺の自然を好み、この山間の静寂の音なき音を「山の音」と表現したといいます。その表現がしっくりとくる静けさに心洗われること間違いありません。
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◆ 報国寺 休耕庵

住所/神奈川県鎌倉市浄明寺2-7-4
営業時間/9:00~16:00 
※休耕庵の最終入場は15:30まで、竹林の拝観は16:00まで 
定休日/無休(年末年始を除く)
お問い合わせ/☎0467-22-0762

●拝観・抹茶700円
※抹茶券は竹の庭の受付のみにて販売

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◆ 明月院「月笑軒」 

お寺でまさかの和洋折衷?な、お茶処

昔懐かしい雰囲気の残る北鎌倉駅の東口から山手方面へ歩いて10分ほど行くと、明月院のひっそりとした佇まいの門が現れます。「あじさい寺」の別名を持つほど、時期になるとあじさいが見ものですが、実は通年で様々な花や植物を楽しむこともできるそう。
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天気の良い日はテラス席がオススメです。写真奥に青い物体が見えますが、コレ、実は岡本太郎氏によるオブジェ(!) 他にも数点あるのでぜひ探してみてください。
その明月院のなかにある小さな門構えのお茶処が「月笑軒」。
純日本風建築には珍しい大きなガラス張りの造りで、外の景色を楽しむにはうってつけです。店内には掛け軸の間や緋毛氈を敷いたお座敷風ソファがある一方で、ヨーロッパ調の家具の数々が並び、和と洋が見事にマッチした空間に。
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左●「抹茶と和菓子」。お抹茶には宇治の茶葉を使用し、お菓子は落雁・大納言小豆・求肥が三層仕立てになった出雲三昧を。
右●天明5年創業の岡山県くらしき塩屋の紅麹を使った「紅こうじ甘酒」。夏は氷を入れたアイスがオススメです。
漆器のウサギは明月院のマスコットで、お土産にもウサギがデザインされたものがたくさんあるのです。
コチラではお抹茶はもちろん、甘酒やコーヒーなどもいただけます。どこかノスタルジックな雰囲気のなか耳を澄ますと、そよぐ木々の音や鳥のさえずりが聞こえてきます。目でも耳でも自然を満喫できるお茶処なのです。
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◆ 明月院 月笑軒

住所/神奈川県鎌倉市山ノ内189
営業時間/9:30~15:45 
定休日/無休
お問い合わせ/☎0467-24-3437

●「抹茶と和菓子」700円、「紅こうじ甘酒」500円

いかがでしたか?

大人なふたり、和の情緒を楽しみながらプチ避暑旅で癒されてみてください。

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