写真/田尻 陽子
ま、「レイコー」は、大阪あたりでは「冷コーヒー」つまり「アイスコーヒー」のことだというのは、今ではよく知られている話です。
このように狭い日本の中でも、ある土地では常識でも、それ以外の土地では「?」という飲み物があるのだから、海外ともなれば言わずもがなでしょう。
というわけで、“暑い日は、カフェやバーでとりあえずコレ”とばかりの、その国の方にとってはポピュラーだけれど、日本ではあまり知られていない、“ご当地ドリンク”をピックアップ。
イタリアンバル「bigote(ビゴーテ)」オーナーの市村哲宏さんと、バー「7th by T BAR(セブンス バイ ティーバー)のオーナー兼バーテンダーの森 健さんにご協力いただき、再現できるレシピもご紹介します!
◆ ディアボロ(フランス)

「こういうはっきりしたグリーンの飲み物は、最近の日本人には好まれないので面白いですね。“レシピ”というほど厳密なものはなさそうなので、分量はお好みで」(市村さん)
ちなみに、ミントシロップを普通の水で割ったものは「マンタロー」。どちらも、口の中が粘つくような暑い日に飲むと、さっぱり!
●材料
・ミントシロップ 20㎖
・炭酸水 200㎖
・氷 適量
・ミントの葉、スライスしたレモン(好みで適量)
●作り方
グラスに氷とミントシロップを入れ、炭酸水を注いで軽く混ぜる。
◆ カフェ・シェケラート(イタリア)

エスプレッソ特有の泡が、シェイクされることによってふんわりと増え、ひんやりとしていながらマイルドな味わいに。「エスプレッソが薄まらないよう、シェイクはスピーディに。シェイカーの下側に泡が集まっているので、グラスに注ぐ時は、最後にゆっくりと」(森さん)
●材料
・濃く抽出したエスプレッソ 60㎖
・ガムシロップ 5〜10㎖
・氷 5〜6個
●作り方
シェイカーにエスプレッソとガムシロップを入れ、氷を入れてシェイクし、グラスに注ぐ。
◆ クララ(スペイン)

セブンアップソーダの柑橘系の香りと甘みでビールの苦味が和らぎ、アルコール分も薄まるので、うだるような日には、思わずゴク飲みしたくなる味。
「セブンアップの代わりにジンジャーエールで割れば“シャンディ・ガフ”、レモネードで割れば“パナシェ”。こちらは、日本のバーでもおなじみのビールベースのカクテルですね」(森さん)
●材料
・ビール 150㎖
・セブンアップソーダ 150㎖
●作り方
グラスにビールとセブンアップソーダを1:1で注ぎ、軽く混ぜる。
◆ ピムス(イギリス)

「ピムス」は、パブはもちろん、ウインブルドンテニス大会や、ヘンリー・ロイヤル・レガッタなどのイベントでも欠かせない飲み物だとか。
「キュウリはピーラーを使うと美しくスライスでき、カクテルとも馴染みます」(森さん)
●材料
・ピムス 50㎖
・レモン風味のサイダー 150㎖
・キュウリ、レモン、オレンジ スライスしたもの適量
(いちご、キウイフルーツ、ミントなどを加えてもよい)
・氷 適量
●作り方
グラスに氷を入れ、ピムス、レモン風味のサイダー、キュウリとフルーツ類を入れ、軽く混ぜる。
◆ カイピリーニャ(ブラジル)

サトウキビをベースにしたスピリッツ「カシャーサ(ピンガ)」に、ライムと甘みを加えたもので、爽快な香りがいかにも夏向き。ビーチのカフェなどで出されることも多いそうです。ただしアルコール度数が高いので、飲みすぎには注意。
「本場のものは糖分が多いので、今回のレシピは控えめにしました。最初にライムを入れたら、スプーンなどでぎゅうぎゅう押して、果汁をしっかり出すのが美味しく作るコツです」(市村さん)
●材料
・カシャーサ(ピンガ) 40㎖
・ライム 1/4個をスライス
・砂糖(またはガムシロップ) 小さじ2
・氷(クラッシュしたもの) グラス1杯分
●作り方
グラスにライム、砂糖を入れ、スプーンなどでライムを押して果汁を出す。氷を入れ、カシャッサを注いで軽く混ぜる。氷が溶けはじめたら飲みごろ。
●撮影協力店

◆ bigote(ビゴーテ)
住所/東京都新宿区3-7-7 十字屋ビル2F
営業時間/18:00~翌5:00
定休日/水曜
お問い合わせ/☎03-3341-2159
◆ 7th by T BAR(セブンス バイ ティーバー)
住所/東京都新宿区3-32-10 T&Tビル7F
営業時間/16:00~翌1:00
定休日/日曜
お問い合わせ/☎03-6457-7048
URL/http://7thbytbar.com