2021.04.09
渋谷でタイムトラベル!? 話題のレストラン「SOAK」を知ってる?
渋谷のMIYASHITA PARKに昨年末オープンした「SOAK」はさまざまな仕掛けで客を驚かせてくれる注目のエンタメ系レストラン。コロナ禍で旅に出られない今だからこそ、渋谷の今と昔を巡る心のタイムトラベルを楽しんでみませんか。
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写真・文/仲山今日子
「Time Travel in SHIBUYA」をテーマに、昨年12月にグランドオープンした「SOAK」は、さまざまな仕掛けで驚かせてくれる注目のエンタメ系レストランです。
場所はあの宮下公園が大規模にリニューアルされてオープンした渋谷の話題スポット、MIYASHITA PARK。シークエンス ミヤシタパークホテル最上階で、心地よい酔いに身をまかせながら、渋谷の今と昔を辿るタイムトラベルが楽しめるという趣向です。「SOAK」とは英語で「浴びる」「ひたる」という意味。ちょっとイミシンな店名の謎解きを始めて行きましょう。
出発時間は18時と21時の2便(2回転制)ではありますが、ここは一つ早めにチェックインして、左手にある魅惑の空間「OYU」に足を運びたいもの。OYUという言葉通り、渋谷の夜景を眺めながら温水で水遊び出来るルーフトップテラスで、水着もOK、シャワーやロッカールーム、レンタルタオルなども用意されています。
妖艶なアンティークの着物が飾られた暗いトンネルを抜ければ、広がるのはカウンター12席にテーブル8席という、「SOAK」のネオンサインが輝くインダストリアルでクールな空間。
料理を担当するのは、『レフェルヴェソンス』オープニングのヘッドシェフ、『NARISAWA』等を経て香港へ移住し「香港の日本料理シェフトップ5」にも選ばれた、長屋英章シェフ。現在は食のコンサルティングを行う「フードデザイナー」として活躍中です。
また、一斉スタートならではの「音楽ペアリング」も魅力の一つ。劇場型のイノベーティブレストラン「81」の永島健志シェフが選曲を司っていますから、五感で「ひたれる」夜になるのも間違いなし。
テーブルには、今夜の「旅程」とも言うべきメニューの詳細が書かれた2枚のポストカードがスタンバイ。表には、1920年の渋谷の写真と、それから100年経った、2020年の渋谷の写真。表には「夜始め」「玉手箱」のように、謎めいた料理名が、裏にはコンセプトと詳細な食材などが記されていますから、空港ラウンジでガイドブックを読むかのように、想像力をふくらませちゃいましょう。ちなみに今回ご紹介する内容は冬のメニュー、春の新しいメニューは貴方が訪れる日の楽しみに、内緒にしておきますね。
さて、いよいよ旅の始まりです。「玉手箱」という名前通り、巨大な箱が登場。蓋を開けると、煙が上がる箱の中から、乙姫からの使いの代わりに、海の幸のスナック、ライスクラッカーに乗った雲丹のエスプーマ、渡蟹のロワイヤルが登場して出迎えてくれます。
そんな後藤さんが差し出す茶碗の中は当然お茶ではなく、1週間寝かせた、脂が乗った北海道産天然ブリの刺身に特製スモーク醤油と柚子のかき氷をかけて仕上げた一皿です。そこに柔らかい飲み口の石川県の「吉田蔵」を常温で。
「日本酒『手取川』、アボカド、アーモンドミルクに海苔をインフューズしたジンを混ぜたものです。お刺身をディップしてどうぞ!」
ディップといえど、しっかりアルコール感があり「食べるカクテル」とでも呼べる仕上がり、もはやどこまでが料理でどこまでがドリンクなのか、そんな境界線を軽々と超えてくるアプローチ。クリーミーなカクテルをつけて食べるお刺身に更に日本酒がたたみかけてくるという世界観にどっぷりと酔いしれます。
続いては、錯覚をテーマにした皿。こちらも「和牛のお吸い物」と「お椀」というネーミングに騙されてはいけません。
アンニュイな音楽が流れてきたら、そこからはワケありな時間の始まりです。レストラン「81」の永島シェフがセレクトしたアイスランドのオーラヴル・アルナルズの「Patience」が、これから始まる料理の幕開けを告げる「BGMのペアリング」。
ドリンクは、馬泉の山廃酛純米酒にベーコンをひたしたジン、燻製レモン、メープルシロップという、炭火のスモーキーさや料理の甘辛なニュアンスに寄り添うコンビネーション。ベーコンとジン??と思った貴方もご安心を。料理との相性の良さにきっと納得できるはず。
▲ 「未来のフィッシュバーガー」に使われているのは静岡産の養殖の真鯛、「日本の天然の魚は素晴らしいですが、水産資源の枯渇が問題視されている中、上手に養殖魚と付き合っていくことが大切では」との長屋シェフのメッセージが込められている。ドリンクは「SOAK COLA Ver. 金木犀」
▲ ビタミン豊富で美肌効果も期待できる、ローズヒップとハイビスカスティーのジュレシートを使った、ヘルシーな未来のクレープ「SHIBUYAクレープ」と「薔薇」
▲ ポリフェノールたっぷりのカカオ70%チョコレートのタルトに、チューブに入った獺祭のクリームを載せて。未来の食事は宇宙食のようにチューブから食べるようになったりして?という遊び心から。「SOAKちゅ〜る」と雲南省の白茶にドライフルーツを入れていただく「秋薫る一杯」
▲ 「未来のフィッシュバーガー」に使われているのは静岡産の養殖の真鯛、「日本の天然の魚は素晴らしいですが、水産資源の枯渇が問題視されている中、上手に養殖魚と付き合っていくことが大切では」との長屋シェフのメッセージが込められている。ドリンクは「SOAK COLA Ver. 金木犀」
▲ ビタミン豊富で美肌効果も期待できる、ローズヒップとハイビスカスティーのジュレシートを使った、ヘルシーな未来のクレープ「SHIBUYAクレープ」と「薔薇」
▲ ポリフェノールたっぷりのカカオ70%チョコレートのタルトに、チューブに入った獺祭のクリームを載せて。未来の食事は宇宙食のようにチューブから食べるようになったりして?という遊び心から。「SOAKちゅ〜る」と雲南省の白茶にドライフルーツを入れていただく「秋薫る一杯」
時を忘れて「ひたる」、SOAKでは、さまざまな境界線を軽々と飛び越えた、そんな心の旅が楽しめそう。MIYASHITA PARKでの時間旅行、約2時間30分の旅の終わりには、酔いも相まって、ちょうどお湯にひたるように、過去・未来という時間軸の中で、「今」の自分の存在がふんわりと浮かび上がってくるような、不思議な感覚を覚えます。食が織りなす新しい体験型インナートリップに出かけてみては。
※本記事の掲載メニューは冬のもので、現在は春のメニューに変わっています。
■ SOAK
住所/渋谷区神宮前6丁目20番10号MIYASHITA PARK North18階
HP/https://soaks.tokyo/
予約・お問合せ/TEL 03-6427-9989