2017.12.21
吉原で芸者と鍋!? 江戸の風情香る、1日1組限定の桜鍋とは?
馬肉を使った桜鍋は、昔も今も男女の駆け引きに欠かせない艶鍋です。かつての花街、吉原のど真ん中にある「中江別館 金村」で、江戸の風情が楽しめます。
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文/牛丸 由紀子 写真/菅野 祐二

今も色めく店が立ち並ぶ吉原にありながら、車を降り立ったそこは凜とした佇まい。のれんの向こうに何があるの~?と、彼女のドキドキは確実にワクワクに変わるシチュエーションでございます。

その吉原最後の料亭の閉店を聞きつけたのが、こちらも明治38年創業の吉原に唯一残った桜鍋屋「桜なべ中江」を営む4代目中江白志さん。吉原の文化を残したいという思いから、金村女将から託されたこの建物を中江の別館としてリニューアル。
ちなみに吉原発祥の桜鍋、中江さんの話によれば「遊郭で遊び過ぎた旦那衆がお金の代わりに売ったのが乗ってきた馬。それが集まり過ぎたので鍋にしたところ人気になった」のが起源だそう。男のやんちゃが美味しいお鍋を生み出したというわけです。

馬肉=硬いんじゃない?なんて固定観念を覆す衝撃の柔らかさです。薄切りなのにふっくらジューシーなお肉に、桜鍋初体験の彼女の箸も進むはず。鍋は店主や仲居さんがついて美味しい状態を逃さず作ってくれるので、鍋奉行の心配も無用。心置きなくふたりの会話と美味しい食事に没頭してください。
女性におすすめと言いながら、実は下心も隠されたれっきとした男性の味方たる食材(笑)。吉原通いに必須だったのも納得です。

浅草芸者には、田中角栄元首相がひいきにしていたという93歳のお姐さんもいらっしゃるそうなので、めったにできない体験させていただきましょう。
「一日一組なので、ぜひいろいろとご相談を」と、店主からはうれしいお言葉。例えば生肉大好きな彼女のために、インスタ映えするよう馬刺しやユッケを山盛りで提供してもらうとか、モリモリユッケにキャンドルを立てたバースデー肉ケーキをお願いするとか。
ご希望の方には、食後にプチ吉原ガイドもしてくださるそう。

◆ 桜なべ中江別館 金村
住所/東京都台東区千束4-16-7
営業時間/17:00〜22:00(ご来店は19:30まで)
定休日/月曜
URL/www.sakuranabe.com/kanemura/
お問い合わせ/☎03-3872-5398
●会員登録は本店中江にご来店されたことのある方のみ。
詳細は下記HPをご覧ください。
URL/www.sakuranabe.com/kanemura/yoyaku.html