「炒飯はお米料理ではなく卵料理」。その理由は?
基本のコースは、1万2500円と1万5000円(税・サ別)。そして、フカヒレコース(2万2000円)と季節限定の上海蟹コース(2万5000円)。このいずれのコースでも最後に食べられるのが「干貝柱の炒飯」。北海道産の高級干貝柱をたっぷりと使う炒飯です。「それは美味しいに決まっているでしょう」と思われるかもしれませんが、ただ高級食材を使っているだけではありません。
炒めすぎると「焼き飯」になる危険!
最後にほんの少量の水を入れる裏技
まずは、熱した鍋に油をたっぷり投入して鍋肌に油をなじませたら取り出す。この「鍋ならし」を3回繰り返します。調理に使うのは、小さじ2杯ほどの生搾り太白胡麻油。少ないように感じるかもしれませんが、鍋ならしによってすでに油が鍋になじんでいるので、このくらいの量でちょうど良いのだそうです。
「卵に火が入ってごはんと混ざったと思ったら完成です。手早く切り上げないと、ごはんの水分が飛んでしまい、卵の香りもなくなってしまいます。炒飯は卵料理ですから卵の香りが大事です」と小林さん。最後に小さじ2杯ほどの水を入れ、さっと混ぜて完成。ごはんを入れてから40秒ほどの出来事でした。
聞いてみると、「強い火力の鍋底に落ちた水が一瞬で水蒸気になり、食材にくっつきます。すると、食材にまとった油の粒子が、細かい水の粒子によって細かくなります。そのため、舌で感じる油の重さを軽くすることができるのです」と教えてくれました。調理後の鉄鍋の底には油がほぼ見受けられません。
油を感じさせない軽やかな食べ心地
油を感じさせない軽やかな炒飯は女性も喜ぶこと間違いなし。まずは彼女とお店でその味を体験してみてはどうでしょう。
◆ 御田町 桃の木
住所/東京都港区三田2-17-29オーロラ三田105
営業時間/17:30〜22:00(L.O21:00)
定休日/水曜・第2火曜日・その他臨時休業あり
URL/http://www.mitamachi-momonoki.com/
予約・問い合わせ/☎︎03-5443-1309
●完全予約制。料理はコースのみ。1万2500円・1万5000円・2万2000円(フカヒレコース)・2万3000円(上海蟹コース10月中旬から12月末まで)※いずれも税・サ10%別
●柏木智帆
元神奈川新聞記者。取材を通じてお米とお米文化に興味をもち、「お米を中心とした日本の食文化の再興」と「お米の消費アップ」をライフワークに執筆活動を続けている。ちなみにお米でできた日本酒も大好き。