2018.02.25
ホットカクテルの大定番、アイリッシュコーヒーを知っていますか?
欧米では一般的な冬のホットカクテル。日本ではまだまだ知られていないため「アイリッシュコーヒー飲みに行こうよ」と言われたら簡単にOKしてしまいそうですが、ちょっと待って。これ、れっきとしたお酒です。
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文/真下武久 撮影/國田 茂
ホットカクテルの王道にして定番
このアイリッシュウイスキーの代わりにスコッチウイスキーを使うと「ゲーリックコーヒー」、コニャックだと「ロイヤルコーヒー(カフェロワイヤル)」、アクアヴィットだと「スカンジナビアンコーヒー」、ラム酒だと「ジャマイカンコーヒー」と、その呼び方は変化しますが、基本的に「アイリッシュコーヒー」とだけ覚えておけば問題ありません。例えば「ロイヤルコーヒー」をオーダーしたい時は、「アイリッシュコーヒーのベースをコニャックに代えて」と伝えればOK。砂糖の量にもよりますが、甘くてこっくり、口アタリがいいのでついつい飲んでしまうんですねえ、これが。
アイリッシュコーヒーが誕生したのは1942年、アイルランド南西部の漁村フォインズにあった水上飛行場において。このフォインズ水上飛行場はイギリス~アメリカ間を行き来する飛行艇の燃料補給地として使われていました。
当時のプロペラ飛行艇は、お世辞にも暖房が効くとは言えない代物。おまけに飛行艇が給油している間、乗客たちは飛行艇から降りなければならず、アイルランドの寒さに凍える羽目に。そこでフォインズ水上飛行場内のパブで働いていたジョセフ(ジョー)・シェリダンが、乗客たちの身体を温めるために、アイリッシュウイスキーを使った"ホットな"アイリッシュコーヒーを開発したのです。
その後、アイリッシュコーヒーは大西洋横断航空路を利用する人々(たいていはお金持ち)の間でアイルランド名物として大人気に。アイルランド以外のヨーロッパやアメリカでも冬のホットカクテルとして定番化していき、今に至るというわけです。
スペシャルティコーヒー専門店での一杯
「日本でもたいていのバーでアイリッシュコーヒーを提供しているはずです。でもスペースの関係上、本格的なコーヒーマシンを設置しているバーはほとんどありません。一方、カフェは本格的なコーヒーマシンはあっても、お酒を扱っていないことが多い。ですから、クオリティの高いアイリッシュコーヒーを提供するのは、意外とハードルが高いんですよ」
その点「アンリミテッド コーヒーバー 東京」は、自家焙煎のスペシャルティコーヒー専門店でありながら、アルコール類も豊富に扱い、夜にはバーメニューも用意しているほど。よくオーダーが入るというアイリッシュコーヒーも、独特のスタイルで楽しませてくれます。
例えば、チョコやナッツ、黒糖を感じさせるようなコーヒーらしいコーヒーにはやや骨太な「ブッシュミルズのブラックブッシュ」、酸味や果実味を感じさせるような華やかなコーヒーにはフローラルな「ティーリング シングルモルト」といった具合です。
これだけ世界中で愛されているアイリッシュコーヒーのおいしさを知らないなんてもったいない。まだまだ寒さが続くこの季節、冬デートの最初の一杯として、あるいは〆の一杯として、アイリッシュコーヒーはなにかと活躍してくれそうです!
◆ アンリミテッド コーヒーバー 東京
住所/東京都墨田区業平1-18-2 1F
お問い合わせ/03-6658-8680
営業時間/11:00~24:00(平日)、9:00~24:00(土曜)、9:00~22:00(日曜)
定休日/月曜(祝日は営業)
URL/http://www.unlimitedcoffeeroasters.com/bar.html
おいしいアイリッシュコーヒーはこんなところでも飲めます。
◆ コーヒーハウス ニシヤ
◆ コーヒーハウス ニシヤ
住所/東京都渋谷区東1-4-1
お問い合わせ/03-3409-1909
営業時間/11:00〜19:30(平日)、11:00〜18:30(週末)
定休日/火曜
URL/http://coffeehousenishiya.com
◆ ジャニス・ウォン
◆ ジャニス・ウォン
住所/東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 NEWoMan SHINJUKU 2F
お問い合わせ/03-6380-0317
営業時間/11:00~16:00、17:00~23:00(平日)、11:00~23:00(土日祝)
定休日/NEWoMan SHINJUKUに準ずる
URL/http://www.janicewong.jp
ライフスタイル誌、企業広報誌、ウェブマガジンなどで、旅、カルチャー、食、ワイン&リカーといったジャンルをメインに活動中。バー&カクテルファン向けのウェブマガジン『Drink Planet』のエディトリアルディレクターも務める。