2018.11.13
オトコの心もグッとつかむ、全国レベルの「やきいも」4選。
女子供の好きなものというなかれ、ふっくらほっこりの天然ファストフード「やきいも」は今では百花繚乱に進化しています。各品種の甘さや食感の違い、そして絶対行くべき実力店などホットな魅力をひもときます。
- CREDIT :
写真/河合 綾 文/中島 由貴
「おじちゃん、大きいのちょうだい」なんて言っていたのは過去の話。今のさつまいもさんにはきちんとしたお名前があり、それぞれ食感、色や味が驚くほど違うんです。
そんな“アナタの知らない焼き芋の世界”について、好きすぎるあまりやきいも専門フェスの企画運営に携わっているという天谷 窓大さんにも語っていただきます。
◆ やきいもに取り憑かれたオトコ
「品川やきいもテラス」天谷窓大さん
それからというもの、全国の有名やきいも店をめぐりはじめたという天谷さん。現在は品川シーズンテラス エリアマネジメント事務局とともに、全国から集まった名店の味を楽しむことができるやきいも専門フードフェス「品川やきいもテラス」の企画運営に携わり、参加店の選定なども担当するまさにやきいものエキスパートです。
「昔ながらのホクホクしたもの、スプーンで食べるようなトロトロのもの、柑橘系を思わせるさわやかな甘みとジューシーなものまで、最近のバリエーションの進化はすごいんです。今年は4.3万人もの方に美味しいやきいもを楽しんでいただけました」
残念ながら今年の『品川やきいもテラス』はすでに閉幕。そこで、都内にある専門店やお取り寄せで楽しめる絶品店など、天谷さんの一押し店を中心に選りすぐって4軒ご紹介いたします。美味しいやきいもを食べて「やきいも~ほっこり~♪」しませんか?
最初の一歩にオススメ
◆ 焼き芋専門店 ふじ(東京・豪徳寺)
生産量が少ないものがそろうのは、店主である上原さんの人脈の賜物。1年かけていろんな生産者の方々に出会い、そこから数珠つながりのようにして今の品種を集めることができたのだとか。そんな店主におすすめを聞いたところ、「全部です」とのややつれないお返事が……。というわけで天谷さん、教えて~!
「僕の一番のおすすめは『ハロウィンスイート』。軽く引っ張るだけでプリっとはじける薄い皮のなかに、熟したカボチャのような濃厚な香りと甘味をたくわえたクリーミーな果肉がめいっぱい詰まっています。冷たいミルクがめちゃめちゃ合います! それと、『宮崎紅(みやざきべに)』や『鳴門金時 里むすめ』など、ホクホク系のお芋が多くそろっているのも魅力です」
どれにしようか迷ったときは、天谷さんがおっしゃる通り、しっとり派=ハロウィンスイート、ホクホク派=宮崎紅、鳴門金時 里むすめを参考に。
11月から2月いっぱいが旬の季節で、とくに美味しい芋がそろっているそう。時期や天候によって日々取り扱う品種は異なますが、今回は取材当日に出会えた7種類について食べ比べしてみます。
ハロウィンスイート (500円)は、何と言ってもこの鮮やかなオレンジ色が目を引きます。収穫数が少なく出回らないレア品種。ねっとり系。
安納芋(S 250円、M 350円、L 500円)。今のやきいもブームの火付け役とも言える蜜系の代表格。芋のイメージを覆すほどの甘さが魅力。水分量が多く、ねっとり寄りのしっとり系。
紅はるか(S 250円、M 350円、L 500円)。蜜系の新種で、安納芋ほどの甘さがありつつも、繊維が少ないので食べやすく、口に入れた瞬間にまったりととろけていくよう。しっとり系。
にんじん芋(500円)。身も皮も柔らかく、ほどよい甘さ。後味ににんじんの風味を感じます。しっとり系。
宮崎紅(300円)。やきいもといえばコレ! という昔懐かしの食感と程よい甘さ。ホクホク系。
鳴門金時 里むすめ(500円)。きめ細かで上品な甘さと、柔らかさとホクホク感が絶妙な食感がクセに。ホクホク系。
パープルスイートロード(400円)。従来のものより甘さが強め。紫芋特有の微かなに感じる苦味がいいアクセントに。ホクホク系。
ハロウィンスイート (500円)は、何と言ってもこの鮮やかなオレンジ色が目を引きます。収穫数が少なく出回らないレア品種。ねっとり系。
安納芋(S 250円、M 350円、L 500円)。今のやきいもブームの火付け役とも言える蜜系の代表格。芋のイメージを覆すほどの甘さが魅力。水分量が多く、ねっとり寄りのしっとり系。
紅はるか(S 250円、M 350円、L 500円)。蜜系の新種で、安納芋ほどの甘さがありつつも、繊維が少ないので食べやすく、口に入れた瞬間にまったりととろけていくよう。しっとり系。
にんじん芋(500円)。身も皮も柔らかく、ほどよい甘さ。後味ににんじんの風味を感じます。しっとり系。
宮崎紅(300円)。やきいもといえばコレ! という昔懐かしの食感と程よい甘さ。ホクホク系。
鳴門金時 里むすめ(500円)。きめ細かで上品な甘さと、柔らかさとホクホク感が絶妙な食感がクセに。ホクホク系。
パープルスイートロード(400円)。従来のものより甘さが強め。紫芋特有の微かなに感じる苦味がいいアクセントに。ホクホク系。
◆ 焼き芋専門店 ふじ
住所/東京都世田谷区豪徳寺1丁目7-11
お問い合わせ/03-6413-7215
営業時間/10:00~7:00
定休日/木曜
やきいも界の高級ブランドを通販で。
◆ 蔵出・焼き芋かいつか(茨城・かすみがうら)
こちらのオリジナルの「紅天使」は、独自の工程を経て美味しさを突き詰めたトップクラスの言わばブランドやきいも。まず、収穫した生芋を倉庫で貯蔵し、良い品質のまま熟成させるために皮と身の間にすき間を作るキュアリングという熱処理をほどこします。1ヶ月〜半年寝かせて甘みが増したところで、専用機で焼き上げるそう。
そこからさらに手作業で焼きあがりをチェックして、初めてわたしたちのもとへ。温めずに冷えたまま食べる方が、素材本来の甘さが直接感じられるのでおすすめです。
「特選蔵 紅天使 1kg S・M(1,570円)」。通販用のボックスは、モノトーンのシックな見た目。
最も熟成状態が良いものを厳選しているため、家庭用だけでなく贈答用としても大人気。
まるで、丁寧に手作りしたさつまいも餡が入った高級和菓子のようで、「これやきいも!?」と天然の甘さだけとは信じられないほどの美味しさ。
「特選蔵 紅天使 1kg S・M(1,570円)」。通販用のボックスは、モノトーンのシックな見た目。
最も熟成状態が良いものを厳選しているため、家庭用だけでなく贈答用としても大人気。
まるで、丁寧に手作りしたさつまいも餡が入った高級和菓子のようで、「これやきいも!?」と天然の甘さだけとは信じられないほどの美味しさ。
◆ 蔵出・焼き芋かいつか
住所/茨城県かすみがうら市男神240-18
お問い合わせ/0120-98-8763
営業時間/9:00〜18:00
URL/www.kuradashi-yakiimo.com/shop/
最大レベルの甘さを誇る
◆ 芋やす(茨城)
天谷さんもその甘さに感動したひとり。「茨城で知らない人はいないほどの超人気店です。大きな特徴は、ひと口かじったときの“甘さの瞬間風速”の強さ。ブワッと口のなかに甘味がひろがり、すぐに追うようにしてキャラメルのような甘く香ばしい香りが鼻から抜けていきます。コーヒーが合いますよ」
出店は、茨城県が中心。ゴルフのついでにでも、わざわざ食べに行く価値アリなので、ぜひ足を運んでみていただければ。
◆ 焼き芋専門店 芋やす
住所/茨城県稲敷郡阿見町住吉1-2-4
(移動販売のため出店場所は異なる)
お問い合わせ/029-886-4131
営業時間/出店場所による
定休日/木曜
新潮流は壷焼きスタイル!
◆ よっしーのお芋屋さん(神奈川県・藤沢)
「よっしーさんが全国各地を巡り歩き、生産者の方たちと交流しながら直接仕入れたバラエティ豊かな品種と、遠赤外線の力でお芋のなかからじっくりと焼き上げる壺焼きスタイルが魅力です。皮がパンパンになるほど蜜のつまった「安納黄金」をはじめとして、真っ白な皮と果肉の珍しい品種の「ホワイトスイート」、名前の通り栗のような香りとフルーティーな風味が特徴の「マロンスイート」など、普段八百屋さんでは出回らない希少な品種を食べ比べて楽しむことができます」
人気が高く希少な「ホワイトスイート」と「マロンスイート」は残念ながら今季は売り切れだそう。ですが、その前に運良くゲットできました。
都内で手に入れられるのは、出店されている「太陽のマルシェ(勝どきで毎月第2週末に開催)」が絶好チャンス。ただし、行列は覚悟しなくてはなりません。そこで、今回は特別に確実に手に入る方法を聞いてきました。手に入るのは、1.マルシェ開始直後、2. 予約での取置きで、とのことです!
「実際に各地を回ったよっしーさんだからこその、やきいも愛あふれるトークも魅力。お話をききながらさまざまな品種を味わうことで、誰でも博士気分になれます!」と天谷さん。そんなよっしーさんにぜひ会いに出かけてみては?
◆ よっしーのお芋屋さん
住所/神奈川県藤沢市藤沢3-1-27 内田ビル 1階
お問い合わせ/070-6977-9877
営業時間/10:00~18:00
定休日/日・月(不定期で土曜も休み)
「栄養学的にも、心を上機嫌に保つセロトニンという脳内物質の生成に役立つビタミンB6や、腸の動きを安定化させるヤラピンという成分がさつまいもには豊富に含まれています。“かじると幸せな気分になる”というのは裏付けがあるみたいですよ!」と天谷さん。なるほど、天谷さんが醸し出すハッピーオーラは、やきいもからだったんですね!
● 天谷 窓大(あまや そうた)さん / 株式会社タノシナル所属
毎年数万人が詰めかける焼き芋専門フードフェス「品川やきいもテラス」や、平日出社前の時間をつかった遊びの形を提供する朝活企画「エクストリーム出社」などを企画運営。「日常のなかにあるささやかな楽しみ」をエンターテインメントに昇華させるイベントを得意とする。