2018.03.26
どら焼きで酒を飲む?! 和菓子と酒の目ウロコなペアリングを検証
「酒飲みは甘い物が苦手」と言われます。東京・千駄木に甘党男子が和菓子をつまみにお酒を飲む店があると聞き、「和菓子と日本酒が合うの?」と検証に訪れました。
- CREDIT :
文/秋山 都 写真/松井康一郎
今となってはシャンパンとイチゴはベーシックなペアリングですし、ウイスキーとチョコレートなど、酒と甘味が合うことは多くの実例から証明されています。でも、今回のお題は「和のスイーツ」、すなわち和菓子。アンコや羊羹をつまみに日本酒を供する和菓子店があると聞きましたが、「それって本当においしいの?」と疑心暗鬼になりながら、でかけてみました。向かうは東京、千駄木。人気の谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアの一角にある和菓子店です。
「でもさぁ、和菓子とお酒があうの?」。さあ、そろそろ、そうお聞きになりたいタイミングでしょう。アンコと日本酒なんて、口の中がベタベタするんじゃないの?
「和食のコースのデザートに生菓子と大吟醸を出すなど、和菓子と酒の組み合わせは以前からあるんです。ただ、その組み合わせのためのメソッドは私のオリジナルですね」と語る店主のつくださちこさん。そのメソッドとは和菓子の香・酸・甘・旨・苦の五味に対し、日本酒の要素を拾っていくという作業だそう。
あんこ、皮、レモンのコンフィチュールなどすべて手作りの「レモンどら焼き」300円(税別)。
オレンジピール、クランベリー、ワイルドベリーなどのフルーツにコリアンダーシードやカルダモンなどスパイスを加えた「白い羊かん」500円(税別)。
イチジク、クルミ、大納言(アズキ)を入れて焼き、ラムシロップで風味をつけた「焼き浮島」500円(税別)。
お酒はすべて半合(90ml)で500円。
あんこ、皮、レモンのコンフィチュールなどすべて手作りの「レモンどら焼き」300円(税別)。
オレンジピール、クランベリー、ワイルドベリーなどのフルーツにコリアンダーシードやカルダモンなどスパイスを加えた「白い羊かん」500円(税別)。
イチジク、クルミ、大納言(アズキ)を入れて焼き、ラムシロップで風味をつけた「焼き浮島」500円(税別)。
お酒はすべて半合(90ml)で500円。
また、コリアンダーシードやカルダモンなどスパイスと、クランベリーやワイルドベリーなどの果実をふんだんに使った「白い羊羹」には、その香りとフルーティな甘みに合う『無量山 純米大吟醸』(和歌山県・平和酒造)を。
そしてラムがほのかに香る「焼き浮島」には熟成感のある「ダルマ正宗」(岐阜県・白木酒造)をあわせました。
実際口にしてみると、レモンの皮のほろ苦さが酒でふわりとコーティングされたり、菓子の甘みを酒のほのかな酸味が引き立たせたりと、それぞれ単体で口に含んだときより豊かな風味が花開くことに驚きます。「酒飲みは甘いものが苦手」と思い込んでいましたが、そんな固定観念もほろ酔いとともにほどけていくひと時……ああ、心地よい。
現在は40種程度のお酒を常備し、実に8割以上のお客がお酒をオーダーするのだそう。和菓子とお酒の目ウロコなペアリング、いますぐお試しあれ!
◆ 和菓子 薫風
住所/東京都文京区千駄木2-24-5
予約・問い合わせ/☎03-3824-3131
営業時間/水曜~金曜は13:30~20:00、土曜・日曜・祝日は13:30~19:00
定休日/月曜・火曜、土日に不定休あり