江戸前鮨の名店である「鮨からく」大将の戸川基成さんは、1989年に銀座に店を創業以来「鮨には日本酒がいちばん合う」と思っていましたが、2009年に「かんぴょう巻きとピノ・ノワール」という衝撃的なマリアージュに出会ったことから、ワインの魅力に開眼。一念発起してワインを基礎から学び、いまでは鮨とワインをペアリングするコースを提唱するほどに。脂ののったトロやブリに赤ワインを合わせるなど、そのユニークなマリアージュが夜ごと多くの食通たちを唸らせています。
今年3月、フランスでは2年に1度のブルゴーニュワインの見本市「グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュ」が開催されましたが、そのタイミングにあわせてブルゴーニュ最大の作り手のひとりであるブシャール・ペール・エ・フィスが晩餐会を主催。日本からは、戸川大将がスペシャルゲストとしてブルゴーニュまで遠征し、ソムリエやワインメーカー、ワインジャーナリストたちに向け、鮨とブルゴーニュワインのペアリングを体験する「鮨&ワイン ペアリング ディナー」が開催されました。
日本の食の粋である鮨と、フランスの食文化の根幹を成すワインが出会ったとき、どんなケミストリーが生まれたか? 当日の様子をレポートいたします!
◆ シャトー・ド・ボーヌ
Sushi & Wine Pairing Dinner
「鮨からく」では手酢(鮨をにぎる際に手を湿らす酢)にワインを使うことはあっても、すし酢にワインを使用することはいままでなかった、とのこと。「ワインにできるだけ寄り添わせる」という戸川大将の粋なはからい、さすがです!
鮨とワインのペアリング、その妙
コルトン・シャルルマーニュ2012×カンパチ、鯛の昆布締め。白ワインに漬けたカンパチがコルトン・シャルルマーニュの香りと同調。ワインのミネラル感、鮨の塩味、素材からのヨード感など似たもの同士がもたらすハーモニー。
ムルソー・ジュヌヴリエール2010×蟹とトマトのミルフィーユ、鯛とゴマの醤油漬け、ホタテの昆布締め。樽で熟成されたシャルドネのふくよかな甘味が、2日間ゴマ醤油に漬けた鯛の風味や、ホタテの昆布締めのミネラル感ある旨みと寄り添い、同調するペアリング。
ボーヌ・デュ・シャトー プルミエ・クリュ ルージュ2015×中トロ、トロ炙り。ボーヌの赤ワインがもつフレッシュなミネラリティと、魚の熟成味。魚や海苔がもつヨード香とパーフェクトに相互補完関係をもたらしたペアリング。
ボーヌ グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ2010×サーモンマリネ、マグロの醤油漬け。ランファン・ジェズュはブシャール家を象徴する代表的なワイン。円熟味のあるタンニンが、醤油の塩辛さによって補完され、まろやかな甘味となって昇華されます。
ル・コルトン1967 マグナムボトル×穴子、うなぎ。幻のワインと言われる1本の熟成した旨みが穴子、うなぎの甘み、旨みをより引き出します。
コルトン・シャルルマーニュ2012×カンパチ、鯛の昆布締め。白ワインに漬けたカンパチがコルトン・シャルルマーニュの香りと同調。ワインのミネラル感、鮨の塩味、素材からのヨード感など似たもの同士がもたらすハーモニー。
ムルソー・ジュヌヴリエール2010×蟹とトマトのミルフィーユ、鯛とゴマの醤油漬け、ホタテの昆布締め。樽で熟成されたシャルドネのふくよかな甘味が、2日間ゴマ醤油に漬けた鯛の風味や、ホタテの昆布締めのミネラル感ある旨みと寄り添い、同調するペアリング。
ボーヌ・デュ・シャトー プルミエ・クリュ ルージュ2015×中トロ、トロ炙り。ボーヌの赤ワインがもつフレッシュなミネラリティと、魚の熟成味。魚や海苔がもつヨード香とパーフェクトに相互補完関係をもたらしたペアリング。
ボーヌ グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ2010×サーモンマリネ、マグロの醤油漬け。ランファン・ジェズュはブシャール家を象徴する代表的なワイン。円熟味のあるタンニンが、醤油の塩辛さによって補完され、まろやかな甘味となって昇華されます。
ル・コルトン1967 マグナムボトル×穴子、うなぎ。幻のワインと言われる1本の熟成した旨みが穴子、うなぎの甘み、旨みをより引き出します。
今日は戸川さんが本物の鮨をもってブルゴーニュに来てくれました。この日は、日本とフランスの友情の集大成であり、パートナーシップを再確認する日になると思います」とスピーチ。ディナーに参加したソムリエやジャーナリストらもさかんに拍手を送っていました。
鮨とワイン、ペアリングの基本
2. “テクスチャー”をワインにあわせる。
3. お鮨にない風味や味わいを、調味料のような感覚でワインで補う“補完”
ディナーに参加したひとり、フランスの三ツ星レストラン「ジョルジュ・ブラン」のソムリエでありMOF(フランスの最優秀職人の称号)をもつファブリス・スミエ氏は「すばらしいワインはもちろんそれだけで楽しむこともできるが、このように鮨とのすばらしいマリアージュが実現できれば、さらにワインの楽しみが広がる」とコメント。未知の美食体験に瞳を輝かせていたのが印象的でした。
◆ 鮨からく
鮨とワインのペアリングコース
■ 鮨からく
住所/東京都中央区銀座5丁目6-16 西五番館ビル
予約・問い合わせ/03-3571-2250
営業時間/月曜~金曜(12:00~14:00、17:30~22:00)、土曜(12:00~15:00、17:30~21:30)
定休日/日曜・祝日
http://ginza-karaku.com/
■ ファインズ