2021.10.10
プロが教える、さんまの美味しい焼き方
“週末鮨屋”の料理研究家として知られる野本やすゆきさんが、料理初心者の男性向けに「モテる」「デキる」レシピをご指南!
- CREDIT :
文/秋山 都 レシピ&調理/野本やすゆき 写真/吉澤健太
これは佐藤春夫が詠んだ詩「秋刀魚の詩」(一部抜粋)です。当時、谷崎潤一郎の妻に横恋慕していた作者が秋の夜、ひとりでさんまを焼き、そのわびしさに涙をこぼす……という内容。1922年に書かれた約100年も前の詩なのに、男がさんまに向き合いながら飯をもそもそ食べている様子があざやかに伝わります。昔も、今も、秋はさんまを食べていたのですね。
巷では、目が透明なものがよいとか、口(くちばし)が黄色いものがいいとかいいますが、野本さんが推すのは「小顔のさんま」。いわく「さんまの魚体は長さはそれほど個体差がないので、脂のノリは身体の太さに表れます。つまり上からみた時に幅が太いさんま(太っているさんま)が美味い。肩のあたりからぐっと盛り上がって、小顔に見えるくらいのさんまがいいと思います」とのこと。
なるほど、小顔のさんまを探してみましょう。
「さんまの塩焼き」を作ってみよう
材料(ふたり分)
秋刀魚 2本
塩 適量
サラダ油 適量
醤油 適量
大根おろし 適量
すだち 適量
このとき丁寧にゆっくり行うのではなく、さっさと手早くやるのがポイント。さんまが人間の体温でどんどん傷んでしまいますからね。
魚焼きグリルの場合には、網にサラダ油を塗り、あらかじめ2~3分予熱しておきます。
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり」と書いていますが、確かにさんまにはすだちやレモンなどの柑橘類が合います。
ギュッと絞って、熱いうちにハフハフ……秋の旬を召し上がれ!
● 野本やすゆき (料理研究家)
東京・谷中で昭和初期から続く老舗寿司店「谷中 松寿司」に生まれ、現在、金・土・日曜のみ3代目として店を継承。“週末鮨屋”としても活動しつつ、わかりやすいレシピがTV、雑誌で人気の、いま注目の料理研究家のひとり。プロレス好き。
最近、YouTubeにて野本やすゆきチャンネルを開設。