2018.10.16

vol.73「ベポカ」(外苑前・原宿）

美食大国ペルーの料理は、意外にも日本人の口に合う! その理由とは!?

日本ではまだなじみの薄いペルー料理。東京でも6〜7軒ほどしかレストランはありませんが、なかでも筆者が「いちばん美味しい！」と太鼓判を押す店「ベポカ」をご紹介します！

CREDIT :: 写真／福本和洋（マエティコ）

本誌LEONでYULI*YULIとして16年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

女子に刺さる! インターナショナル系レストラン

ここ東京は、世界中の料理を堪能できる街。中華料理やイタリアンはあまりに浸透しているし、フレンチ、スパニッシュ、コリアンなどなど、レストランの種類を挙げたらきりがありません。「東京ヨコシマレストラン」では、さらに深く、アフリカや中近東などの、一般的になじみが薄い料理を食べられる店も紹介してまいりました。

そして、今回ご紹介するのは南米ペルー料理のレストラン「ベポカ」。ペルーはここ数年、グルメな国として注目されているのよ。とはいえ、東京を含めて日本ではまだまだ数が少ないし、女性とのデートで効力を発揮すること、間違いなし！

場所は、原宿・神宮前エリア。キラー通りから原宿警察へと抜ける、お洒落な店が立ち並ぶ道沿いにあります。黄色い外壁がかなり目立つから、見かけたことのある人もいるのではないかしら。

元々アパレル系ショップが入っていたコチラ。大幅に改装した店内に入ると、二階まで吹き抜けの開放感溢れる空間が広がります。

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内装もコロニアル調の落ち着いた空間

ドアを開けて目の前の階段を上がった2階が、メインダイニング。大きな窓のある1階から窓のない空間に入った途端、非日常感にスイッチが入るように感じます。

中央の壁際に飾られているのは、ペルーの地図。食の産地が描かれており、南北に長い国ペルーだからこそ、食材に溢れていることが分かります。写真左下の置物は、ペルーで家を守ると言われている牛のオブジェ。“トリト・デ・プカラ”という、ユーモラスな陶器の魔除けです。

シックなインテリアの2階席も素敵だけど、デートにオススメなのは1階のソファ席。背もたれがハイバックなので隣の席が目に入らず、ふたりだけの時間をゆっくりと過ごすことができます。２シートしかないので、早い者勝ち！

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日本人の口にも合う食材、スパイスづかいのペルー料理

代表的なペルー料理、と聞いて即答できる人ってなかなかいませんよね。でも実は、ワールド・トラベル・アワードで“世界で最も美食を楽しめる国”部門では6年連続で最優秀賞受賞歴があるほど、ペルーは美味しい料理に溢れた国なのです。「ベポカ」にも豊富なメニューが揃いますが、特にオススメしたいのがコチラです。

黄色いお饅頭のようなもの、何だと思いますか？　これは茹でたじゃがいもをマッシュしたものと具材を一緒に食べる“カウサ”というもの。ペルーの代表的な家庭料理です。見た目の美しさ、味のおいしさから注目されている料理。「ベポカ」のカウサはライムと唐辛子で風味づけられているので、ちょっぴり辛さが残るのが特徴。丁寧にマッシュされているので、驚くほど滑らかな口当たりよ。

このカウサと一緒に４種の具材をいただきます。左から順にチキンとアボカド、キュウリ、グリーンピースなどの野菜を混ぜ込んだもの。真鯛のタルタル、黄唐辛子のソースやオイルで和えたもの。豚肉をハーブで和えたものとペルーのフレッシュチーズ。蛸と紫オリーブを和えたもの。

もしかしたらペルー料理でいちばん有名なのが、この“セビチェ”。お店では何種類か提供中ですが、もっとも伝統的なメニューを教えていただきました。

「トラディショナル・セビチェ」の真ん中に盛られているのは、真鯛と赤タマネギをライムジュース、コリアンダー、アヒリモという唐辛子でマリネしたもの。周りを囲っているのは、ペルーのトウモロコシ、チョクロ。日本のものより大粒で、もっちりしています。右に見えているのは揚げたトウモロコシ、カンチータ。カリカリしたスナックのようなもの。上にのっているのは海藻です。

コチラは、メインディッシュのひとつ。鴨とスパイシーなご飯のメニュー「アロス・コン・パト」。コリアンダーとさまざまなスパイスで炊いたご飯は、インド料理のような風味もあり、日本人の口に合うこと間違いなし。鴨は胸肉と腿肉の二種。胸肉は唐辛子のソースで、骨付き腿肉は、コリアンダーソースでいただきます。

ペルー料理には、コリアンダー（パクチー）が欠かせないそう。そして、もうひとつ大事な食材が、唐辛子です。日本で流通しているものとは違ってパプリカのように肉厚で、辛味というより、旨味と香りを楽しむのがペルー料理です。材料を聞くとアジア系な味を想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、それとも異なるユニークなペルー料理は、一度食べたらハマっちゃうかも!?

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ペルー産の蒸留酒ピスコも
種類豊富に取り揃えます

１階にはバーカウンターもあって、ペルーの珍しいお酒が色々と揃っています。ペルー原産の葡萄果汁を原料とした蒸留酒ピスコは、なんと60種類も！アルコール度数は42度あるけど、カクテルにすると飲みやすくなります。

コチラ、バーとしての利用もできますよ。

特にオススメのアルコールメニューがコチラの2点。写真左の「ピスコサワー」は、ピスコとライムジュース、自家製シロップ、卵白を入れてシェイクします。ワインのように食事中に飲むことも多いのですって。右は、アマゾンのハーブで香りづけしたプレミアムジン「アマゾニアン・ジン・カンパニー」のジン・トニックです。アマゾンの食用ほおずき、アグアイマント（インカベリー）を入れています。

ちなみに、2013年にオープンした「ベポカ」のオーナーシェフは、ペルー生まれの日系ペルー人、ブルーノさん。以前はIT 系のお仕事をしていましたが、料理好きが高じて、いまでは「ベポカ」の料理長として腕をふるっています。コチラのペルー料理、ぜひ一度食べてみてね！

■ ベポカ

住所／東京都渋谷区神宮前 2-17-6

営業時間／月〜金曜18:00〜24:00(L.O. 23:00)、土曜17:00〜23:30(L.O. 22:30）

定休／日曜

URL／http://www.bepocah.com/ja/

予約・お問い合わせ／☎︎03-6804-1377

●席料／500円

※初めての方にはペルーの代表的料理を何品も食べられるコースがオススメです。

●コース料金／5800円(6品)〜

● 渡辺ゆり子

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2018年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が11周年を迎えた。