2019.01.13
この30年間で進化した「日本ワイン」は、まずはこの5本をチェック!
日本産のブドウのみを使った「日本ワイン」がブームとなった平成。個性的で美味しい銘柄が多くなったと話題ですが、まだくわしくはわからない人も多いかと。そこでワイン好きの彼女に安心してオススメできるハズさない5本をセレクト。
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取材・文/木原美芽 写真/竹崎恵子
![日本ワイン](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/10144520848670/0/1.jpg)
そんな時、ワイン好きの彼女に「これが美味しいよ」と自信をもってオススメできる「日本ワイン」があれば、あなたの株も上がること間違いなし。そこで日本ワインにくわしい「日本ワインを愛する会」副会長の遠藤誠さんに、絶対ハズさない、秋に飲みたい「日本ワイン」をセレクトしていただきました。
日本ワイン×和食は、いまや鉄板マリアージュ
マリアージュの基本は、郷土料理と地元のワイン。これまでは、地元の食材をフレンチやイタリアンに仕立てて、ワインと合わせるケースが多かったのだそう。けれど最近はワイン=洋風の食事とは限定せず、普段の食事(家庭料理)を含めた和風料理と一緒に飲んでおいしい味を考えるようになったのだとか。
そこで油をあまり使わないさっぱり系の和食のぴったりの「日本ワイン」ということで、まずオススメしたいのが、こちら。
◆ グレイスワイン グレイス甲州 2016(山梨)
![山本 博 著『日本のワイン』](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/16151931657012/0/4_10144700448161_jpg.jpg)
実はワインに含まれる鉄分と魚介の脂質の組み合わせが生臭みを発生されるというメカニズムが発見されたそう。ところが、「甲州」は鉄含有量が極端に低いブドウのため、甲州種を使ったワインは刺身とも美味しくいただけるのです。
そして2本目は赤ワイン。和食でも、ちょっとこってりした料理に合わせるなら絶妙の味わいをみせてくれるのが、こちら。
◆ ルバイヤート マスカットベーリーA樽貯蔵 2015(山梨)
![ルバイヤート マスカットベーリーA樽貯蔵 2015(山梨)](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/10144723833454/0/5.jpg)
自社栽培ブドウで造られるこだわりの日本ワインが増えています
そんなエピソードを交えて彼女にオススメするべく、遠藤さんが推薦してくださったのは、北海道の山﨑ワイナリー。
◆ 山﨑ワイナリー ピノ・グリ 2016(北海道)
![山﨑ワイナリー ピノ・グリ 2016(北海道)](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/10144753370853/0/6.jpg)
会える醸造家&行けるワイナリーで、さらに身近感アップ
◆ セイズファーム シャルドネ 2016(富山)
![セイズファーム シャルドネ 2016(富山)](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/10144823370645/0/7.jpg)
こちらではワイナリー見学だけでなく、宿泊施設も完備。
「このワイナリーにはレストラン、カフェ、ショップなどが併設されているのですが、男性的にはゲストハウスが目玉じゃないでしょうか。『ワイナリーに泊まりに行こうよ』なんて言われたら、ワイン好きな女性はうれしいと思いますよ」
さらに、温泉+ワインという鉄板の組み合わせも。実は温泉街にあるワイナリーにも、注目のワインがあるのだとか。
「山形県赤湯温泉には、4軒もワイナリーがあるんです(県全体では11軒)。時期によっては予約をすれば、見学可能なところも。ワイナリー見学→旅館で温泉→夕食はワイン&料理なんて、女性にとって絶対に忘れがたい旅行になるはずです」
ということでオススメなのが、こちら。
◆ 酒井ワイナリー 鳥上坂 名子山 2015(山形)
![酒井ワイナリー 鳥上坂 名子山 2015(山形)](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/10144844221879/0/8.jpg)
この数年は、小規模ワイナリーも続々登場。そうすると品質については、玉石混淆になりつつあるのも正直なところ。
「日本ワインだから、すべていいということは、残念ながらありません。でも美味しいものが増えているのは事実。飲み手の方々には、海外のワインと安易に比較せず、“ニッポンのテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境要因)”を楽しんで欲しいですね」
「日本ワイン」の定義が、法律でちゃんと確定されます
まずは日本ワインの歴史から。これまで日本産ワインは、海外からの原料を輸入して国内でワインとして製造されたものや瓶詰めされたものも含めてまとめて、国産ワインと呼ばれてきました。この考え方は工業製品の生産と同じ。国内で組み立てれば国産が名乗れるわけです。
「でもワインって本当は、ブドウの味わいはもちろん、造られた土地のテロワールを知るのが楽しいんです。だから、日本のブドウで造られたワインだとはっきり区分して、消費者にわかりやすくした方が親切なんですよ」
そのため、「日本ワイン」という言葉が遠藤さんの所属する「日本ワインを愛する会」から生まれたのだそう。実は、結構新しい言葉なんですね。
![「日本ワインを愛する会」副会長の遠藤誠さん](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/16152318201895/0/3_10144636623720_jpg.jpg)
そしてついに来年2018年10月には、日本で初めて日本産のワインを基準化した、通称ワイン法が施行されました。日本国内で生産されたブドウのみを原料として、国内で製造された果実酒が“日本ワイン”と正式に名乗れるのです。
「たおやかで、繊細、優しい味わいが、日本ワインの最大の特徴。法律でしっかり規定されることで他ジャンルとの混同がなくなり、より、その個性が消費者に伝わりやすくなるはずです」
ますます目が離せない「日本ワイン」。まずはこの5本から始めてみてはいかがでしょう。
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2017/10/25183418690061/0/img_25162838759829_jpg.jpg)
● 遠藤 誠
日本ワインを愛する会副会⻑。 他に日本輸入ワイン協会事務局⻑。アカデミー・デュ・ヴ ァン東京校講師。塩尻ワイン大学学長。日本ワインコンクール審査員など。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュなど多くのワイン騎士号を叙勲。著書に「日本ワイナリーガイド」(新樹社)、「シャンパーニュ・データブッ ク2010」(ワイン王国)、共訳 に「地図で見る世界のワイン」 (産調出版、ヒュー・ジョンソ ン、ジャンシス・ロビンソン他 著)など多数。ワインバー遠藤利三郎商店オーナー。