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2025.01.27

櫻井貴史(45)「40代以上はケアしているかどうかで絶望的な差が生まれる」

女子ウケ抜群の清潔感が失われていくオヤジ世代こそ、美容や健康に取り組むことで、同世代を出し抜けるはず! そこで美容オヤジたちのその魅力に迫る特集です。トップバッターとして、モデル・美容ジャーナリストの櫻井貴史さん(45歳)に登場いただきました。

CREDIT :

写真/田中駿伍(MAETTICO) ヘアメイク/武田隼人(PUENTE) 文/島田恵美 編集/菊地奈緒(Web LEON)

スキンケアも筋トレと一緒。日々の積み重ねがものを言う

年齢を重ねてなお魅力的なオヤジさんには、ちゃんと理由があるんです。もう歳だから仕方ない? いーえ、だからこそ美容や健康を気遣っているかどうかが大きな違いに。それを体現する1人、モデルであり、40代になった今は美容ジャーナリストとしても活動する櫻井貴史さん(45歳)に、美容遍歴や老いへの向き合い方をうかがいました。
櫻井貴史(45)「40代以上はケアしているかどうかで絶望的な差が生まれる」

● 櫻井貴史(さくらい・たかし)

1979年生まれ。茨城県出身。1997年よりモデル活動を始め、『MEN’S  CLUB』のカバーを務めるなど、メンズファッション誌のトップモデルとして活躍。現在はモデルと美容ジャーナリストの両輪で、メディアや広告出演、執筆、プロデュース業など、ますます多岐に渡り活動中。中京テレビ『あさドレ♪』にて朝のコメンテーターとして出演中、YouTube『さくCHANNEL』も配信中!

櫻井貴史(45)「40代以上はケアしているかどうかで絶望的な差が生まれる」
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── まず、モデルとして長く活躍してきて、40代で美容ジャーナリストになったきっかけを教えてください。

櫻井 きっかけらしいものは、実はないんです。美容はモデルとして日々積み重ねてきたので、30代後半くらいからその方法やアイテムについてお話しさせていただく機会が増えてきたんです。40代になったのを機に、もっと広く伝えることができたらと思い、美容ジャーナリストとしての活動をスタートしました。なかなか美容情報を発信する同世代が少なくて、いまだに日々試行錯誤ですけど(笑)。

── 確かに、オヤジ世代の美容ジャーナリストは少ないですよね。

櫻井 若い世代はSNSなどで膨大な情報から知識を得るのが得意ですし、男性の美の基準が変わってきて美容に積極的ですからね。ただ、僕は45歳ですが、今の30代後半~40代の男性は昭和の上の世代とは違って、老いを感じ始める30代で美容に目覚めた人が多いんですよ。僕は仕事柄、美容が身近だったので、おのずと早くから気遣うようになりました。

── 何歳頃から美容に関心をもつように?

櫻井 中学生の時に母親の化粧水をこっそり使ったのが始まりです。高校生でバイトを始めて使えるお金が増えてからは、ドラッグストアで買える1000円くらいのメンズの化粧水と乳液のお世話になりました。そのあとにモデルを始め、撮影の現場でヘアメイクさんが使うこれまで見たこともないような化粧品の存在を知って……。
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── 撮影現場で衝撃を受けたことはありましたか?

櫻井 化粧をすること自体、当時の男子高校生にはないことだったので、特別な時間でした。ヘアやメイクの製品を含め、こんなにあるんだ、楽しいなと。それから10代〜20代初めはひたすら筋トレの日々でした。細かったので、事務所からスーツを着るために鍛えなさいと。

── その頃はどんなスキンケアを?

櫻井 アイテムは化粧水と乳液くらいですけど、24歳で雑誌のレギュラーになって、撮影までのコンディションづくりのためにスキンケアにより熱心になり、ちょっといいものを使うようになりました。その後、26歳で雑誌の表紙を任される立場になって、吹き出物に悩まされるようになったんです。
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── 原因はやっぱりストレスですか?

櫻井 ええ。プレッシャーとストレスから便秘になって、それが肌に出ちゃった感じですね。よくメンタルは腸と繋がっていると言われますけど、まさにそうで2週間ほどの撮影期間が終わった途端、それまで薬を飲んでもさっぱりだったお通じが改善するんですよ。

── そこからどう脱したんですか?

櫻井 現場にフルーツを持っていって食べたり、マッサージをしたり、毎月いろいろ試してみたんですが、当時は脱しきれずでした。ただ、そんな経験から自分の体と向き合うようになって、食事やサプリメントについて勉強するようになりましたね。

── 現在はどんなスキンケアを?

櫻井 今は化粧水と乳液だけじゃなく、オイル、美容液、アイクリーム、必要に応じてクリームをプラスしたり、パックをしたりしています。やっぱり40代以上ともなると、適切なケアをしているかどうかで絶望的な差が生まれるので、日々疎かにしないで積み上げていくことが大切だと思います。
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▲ 櫻井さんのデイリーケアはこちら。洗顔料はプラウドメン。泡立ち抜群の洗顔ネットとコンビ使いで、優しくしっかり汚れを除去。化粧水は、すっきりなじんでベタつかないメナードのデライブ。美容液は、SHISEIDO メンのアルティミューンが肌のお守り的存在で、通常サイズのほかにミニサイズをジムのロッカーに常備。乳液は肌のトラブル時も負担なく使えるシスレーの名品を15年以上リピート中。乾燥する季節は、乳液後にラ・メールのクリームをプラス。アイクリームはラグジュアリーなシスレーのスプレミア、スペシャルケアは小ぶりで出張時にも重宝なFASのナイトマスク。サプリメントは、27種のビタミン&ミネラルが摂れて余計な添加物を含まないシンプリスがお気に入り。
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体を鍛えると面構えも変わる。雑誌の表紙撮影前は断食もして絞っていました

── これまでの美容経験で、やってきてよかったと思うことは?

櫻井 継続的な筋力トレーニングですね。筋トレって、実は肌にもかなり影響するんですよ。皮膚は一枚皮なので、筋トレで体がデカくなると肌がパーンと張る感じがあるんです。

── なるほど。全身の皮膚を1つの袋と考えれば、筋肉が増えたら内容量が増してハリが出そうです。筋トレの頻度は?

櫻井 今の仕事のバランスを考えると週2くらいが理想ですが、最近は時間がとれなくてできていないんです。だから、今日の状態は60%かな。100%にするには1カ月ほどかけて運動と食事を見直さないといけないですね。でも、きちんと鍛えていくと、なんていうか面構えが変わってくるんです。
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── 自信が出て、目の輝きが違うみたいな?

櫻井 ええ、まさに。だから、雑誌の表紙をやらせてもらう時は、撮影前にできる限り研ぎ澄ましておきたくて、よくファスティングをして絞っていました。

── なんだか、ボクサーとか格闘家みたいですね。

櫻井 やっていることはもしかしたら近いかもしれませんね。目標の日に合わせて、長い時は1週間くらい断食して……。そういうしんどい思いをして準備をすると、現場に行った時にカメラのレンズの奥をカッと凝視できるんですよ。

── モデル時代から自分を実験台にすごくいろいろ試してきたんですね。

櫻井 いや本当に、体を張って人体実験って感じです(笑)。

いじわるな人はいじわるな顔になる。シワは、その人の生きた証みたいなもの

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── 櫻井さんの美容のモットーは?

櫻井 エイジングに抗うのではなく、年齢とともに変化する自分を大切にすることですね。たとえばシワはいいんですよ。長く生きれば生きるほど顔つきって変わりますよね? いじわるな人は顔もいじわるになるし、優しい人はもともと強面でも優しい顔つきになる。だからシワは、どういう顔をして生きてきたか、その人の生きた証みたいなものだと思うんです。

── つまり、内面がにじみ出たものがシワであると?

櫻井 ええ、日々の幸福度とか充実度の現れなので、そのシワを無理に引っ張ったりするのは好きじゃないですね。シワの存在は否定しない、でもつけるなら不機嫌そうな縦ジワじゃなく、なるべく横につけたいっていう感じです。
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── シミについてはどうですか?

櫻井 シミは美しいとは思えないですね。いかにも年齢を感じさせるし、オヤジ世代は若かりし頃の日焼けのお釣りでシミが出てくる頃なので注意したほうがいい。僕もシミについては、クリニックで処方されたハイドロキノンやレーザーのお世話になっています。20代前半に日焼けが流行っていたので焼きまくった世代なんですが、今になってすごく後悔しています。

── オヤジ世代には、日焼けが美徳だった時代を過ごした人が多いですよね。今でも日焼けを好んでいる人が少なくない印象です。

櫻井 職業柄、僕はもう焼かないですが、キレイに焼けた肌は今も美しいと思いますよ。ただ、日焼けでシミやシワができやすくなるのは事実なので、ちゃんとケアして上手く付き合っていくべきですね。

── 櫻井さんにとって「ちゃんとケアできている」とは、どんな状況ですか?

櫻井 肌の質感が整っている状態ですね。洗顔や保湿はもちろんですが、男性はシェービングがあって、特にシェービングは肌に負担をかけやすいので、そういう部分までこだわっていく必要がある。僕はT字カミソリと電動シェーバーの両方を使うんですが、T字は切れ味のいい状態で使うために週1で刃を替えています。それだけで肌の負担がグッと減るんですよ。
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── そこまでとは……まさに男性ならではのこだわりですね。

櫻井 結局、肌って今日やったから明日すぐ変わるわけじゃなく、日々の積み重ねがモノを言うんです。筋トレと一緒(笑)。洗顔にしても、いい加減にするとあとから何をつけても上手く入っていかないので、基本的なことをきちんとやることが何より大切だと思います。

男同士って「教えて」と言わない。僕が発信する美容情報をチラ見してもらえばいい

── 食生活はどんな感じですか?

櫻井 ファスティングの経験でわかったのが、食は1日の中の楽しみとしてとても重要だということ。ストレス発散にもなるし、今は食べたいものを食べ、その中で栄養バランスを考える感じですね。お酒も飲むし、たまには何も気にしない堕落した日をつくったり……。
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── それを聞いてなんだか安心しました。これからどう年齢を重ねたいですか?

櫻井 美容ジャーナリスト、モデルとして、今後もさまざまな体験をして、その時々の年齢の中で美しさというのを模索して、マスの男性に提案していけたらいいですね。

── 実際、同世代から相談を受けたりするんですか?

櫻井 これが難しいところで、男同士って「教えて」みたいなのがあまりなくて、こっそり盗みたいんですよ。

── 男のプライドが邪魔して聞けないみたいな?

櫻井 そう、なんかあるんです(笑)。だから美容ジャーナリストとしても、そういう話を聞きたがらない男性に対して、教えるなんてスタンスはおこがましい。こちらが「こんなのいいよ」と発信して、それを皆さんがチラ見して、取り入れるきっかけになったらいいなと。

── チラ見してもらって、よろしければどうぞと?
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櫻井 ええ、それくらいの距離感がたぶんちょうどいい。そこで耳を傾けてもらうために、美容ジャーナリストという旗を上げた感じなんです。あと、男の立場から、一般のマスの男性に対して美容を伝えるということにもこだわっていきたいです。

── 確かにこれだけ体を張っていると、その経験を生かしたくなりますよね。

櫻井 そうそう、商売というより、生きている意味というか、社会にいかに貢献できるかみたいな感じで。キレイごとじゃなく、今まで自分のためにやってきたことを何かしら生かしたい。ぼんやりとですが、そんなことを思い描いています。
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