2018.05.10
あなたのダイヤは本物? 中国発・人造ダイヤが世界を席巻中!?
市場に出回るダイヤモンドのなんと14%がニセモノ!(中国)というデータもあるなか、ホンモノのダイヤモンドを守れ!とデビアス グループが総力をあげて動き出しています。
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文/秋山 都
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中国市場で展開する14%のダイヤモンドがニセモノ!?
2015年に中国、上海で行われた調査では、対象となったダイヤモンドの実に14%がフェイク(研究所で造られた人工石)であると発見され、同様の事件がダイヤモンド輸出世界1位のインドでも起きているのだそう。いまは世界で1%に過ぎない人工石のシェアは2020年には7.5%~15%まで増える可能性がある(モルガン・スタンレー調べ)というから、人工石が天然ダイヤモンドのシェアを脅かしているのは間違いありません。
ここで言う人工石とは、粗悪な模造石ではなく、肉眼では真贋の区別がつかない、中国の研究室で“栽培”されたダイヤモンドのこと。もともと石油掘削のためのドリルビットとして設計された中国の人工石は、非常に高い温度と圧力で作動するマイクロウエーブで、炭素ガスの助けを借りて “種”から栽培。新しくできる結晶(人造ダイヤモンド)は化学的には天然と同じ組成であるというからやっかいです。
なぜいったいこんなことに? そして、この事態をダイヤモンドのエキスパートはどう考えているのでしょう?
「石油産業の衰退に伴い、掘削の需要は劇的に減少したため、こうした人工石がジュエリーとしてのダイヤモンド市場に流入してきたのです。たとえば素晴らしい宝石のジュエリーを購入したとして、センターにセットされた石は本物であっても、周りに配された小さなメレダイヤが人工石だというのはよくあること」と語るのはデビアス社の研究機関、ダイヤモンド・グレーディング&リサーチ研究所(The International Institute of Diamond Grading and Research=IIDGR)でプレジデントを務めるジョナサン・ケンドール氏。
![デビアスで長く経験を積み、2012年にIIDGRのプレジデントに就任したジョナサン・ケンドール氏。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/05/08142159721366/0/2.jpg)
ホンモノのダイヤモンドを鑑定する、凄腕のマシンを開発
スペクトル光線を宝石に照射して人工石を検出し、1時間当たり500カラット(100g)処理することができるこのマシンは、お値段4万5000ドルと高価であるにもかかわらず、リリース後数時間のうちに十数台を売り上げたというから、関心の高さがうかがわれるというものです。
![1時間に500カラット処理できる鑑定マシンAMS2はコーヒーメーカーほどのサイズでコンパクト。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/05/09175530228964/0/03_a.jpg)
ニセモノダイヤモンドを買わない方法とは?
「なにより、信頼できる宝飾店で購入することです。買う前に『これは人工石ではありませんよね?』と確認しましょう。『大丈夫です』と言われても『なぜそう言えるのか?本当に大丈夫なのか?』と確認することが大事です。小売業者は卸元に本物かどうかを確認してから購入しているはずです。その卸元はその先の卸元、つまり原石の供給元に確認しているはず。デビアス グループから原石を買う権利のあるサイトホルダーなら安心です」
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/05/09175539649322/0/04.jpg)
現在、中国の人造ダイヤモンド製造は毎月160,000~200,000カラット(32〜40kg)にものぼり、「中国のダイヤモンド産出量の約半分は人工石である」(雲南省の宝石研究機関、副局長)という談話も発表されています。
「Diamonds are a girl’s best friend♪」とマリリン・モンローは歌いましたが、その親友たるダイヤモンドがニセモノだったなんて笑えない話。アナタのダイヤモンド、もう一度、鑑定してもらってはいかがでしょう?