2018.10.16
「360度カメラ」で何が撮れる? プロにオススメ機種を聞きました!
最近、街でも撮影しているのをよく見かける360度カメラ。でも、実際に使ったことのある人はまだまだ少ないのではないでしょうか。ここでは、そんな360度カメラで何が撮れるのか、撮った写真をどう活用するのかなどをフォトグラファー・桐島ローランドさんに伺っていきます。
- CREDIT :
取材・文/平井敦貴 取材協力/桐島ローランド
![カメラの全面・後面に180度撮影できる魚眼レンズを搭載し、撮影後に合成することで360度を写し出す360度カメラ。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/12080047981215/0/rd1600_david-calderon-973767-unsplash.jpg)
「360度カメラ」はさまざまなメーカーから登場!
でも、いざ360度で撮った写真がどう使われるのかと言えば、よくわからない人もきっと多いかと思います。
ここでは、そんな360度カメラ初級者に向けて、その撮り方やVRとの関わり、オススメのカメラなどをフォトグラファー・桐島ローランドさんに伺います。
![前後180度の画像を合成(スティッチ)した一枚画像。この画像を球体状にすることで360度の空間として描き出します。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/12191338429417/0/rd1600_f0da90d31fd1127a6b7fae76eae59bb3_m.jpg)
前後180度の画像をカメラ内で合成
そう語るのはフォトグラファーの桐島ローランドさん。カメラはもちろんガジェット類にも造詣が深く、これまで数々の360度カメラを使ってきたそうです。桐島さんは続けます。
「360度カメラの元祖とも言うべきリコー『THETA』が発売されたのは2013年のことですが、一気に普及していったのはVR元年と呼ばれた2016年ごろからですね。
『卵が先か鶏が先か』みたいな話ですが、『360度カメラで撮った画像をVRで見る』『VRデバイスを買ったから360度カメラで撮影をする』という正反対の需要によって、その裾野は一気に広がっていったのだと思います」
![VR(バーチャルリアリティ)とは専用ゴーグルをかけることで、仮想現実空間へと没入できる技術のこと。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/12184103387107/0/rd1600_e86b4ad10947cdc62201303caf29a35b_m.jpg)
360度カメラで撮ったらどうやって見る?
「VRの視聴にはいくつか方法があるのですが、一番手軽なのはスマートフォンとVRゴーグルのセットでの視聴です。360度カメラには多くの場合スマートフォンと連動するアプリがリリースされていますので、そのアプリでVRモードがあればそのモードを選択し、VRゴーグルにセットして視聴する方法ですね。
他にも、HTC VIVEやOculus(オキュラス)などのVR専用機に360度の画像や映像を取り込めば、VRで視聴することも可能です。
ただ、360度カメラで撮った画像や映像は、VRじゃなくても楽しむことは可能です。画像を好きな角度で楽しむことができるパノラマモードや、球体状に写し出すプラネットモードなどがアプリ側に用意されているので、自分の好みにあった視聴方法で楽しんでみると良いかもしれません」
![360度カメラで撮影できる全天球画像。空間を丸ごと一枚の画像として捉える。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/12001910291826/0/rd1600_aj-colores-384538-unsplash.jpg)
桐島ローランドさんオススメの360度カメラ[1]
「GoPro Fusion」
![桐島さんのバイク(クロスカブ)に設置した「GoPro Fusion」。](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/15191020483240/0/rd1600_DSC7960.jpg)
値段は他の機種に比べてやや高めですが、バイクに限らずスキーやサーフィンなど、アクティブな趣味を持っている人であれば買って後悔はないでしょう。また、『GoPro』シリーズはアドビ製のアプリケーション(Premiere Pro や After Effects)とも相性が良いので、後からPCなどで編集をする人にとっても、その使いやすさは実感できると思います」
「GoPro Fusion」
サイズ:75×74×40 mm
カメラセンサー:静止画 1800万画素、動画 5.2K(5228x2624px) 30fps、3K 60fps
価格:7万6000円
桐島ローランドさんオススメの360度カメラ[2]
「Insta 360 ONE X」
また、自撮り棒を自動的に消してくれる機能が付いているので、まるでドローンが自分を追従しているような“自撮りっぽくない”映像が撮れるのも面白いですね。
他にも、スマートフォンに直接刺して撮影するモデル『Insta360 nano S』(iPhone用)や『Insta360 Air』(android用)もリリースされているので、シリーズの中から自分にあったものを試してみると良いかもしれません」
「Insta 360 ONE X」
サイズ:114.56×48×27.6 mm
カメラセンサー:静止画 1800万画素、動画 5.7K(5760x2880px) 30fps、3.8K(3840x1920px) 50fps、3K(3008x1504px) 100fps
価格:5万2300円
桐島ローランドさんオススメの360度カメラ[3]
「THETA V」
不動産業者が物件紹介などで使用しているという話もよく聞くので、業務用途で考えている方はチェックしてみても良いかもしれませんね」
リコー「THETA V」
サイズ:13.6×45.2×22.9 mm
カメラセンサー:静止画 5376x2688px、動画 4K(3840x1920px) 30fps、2K(1920x960px) 30fps
価格:5万6700円
使い始めればハマる360度カメラの世界。ぜひ一度手にとってお試しあれ!
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/15191236311075/0/rowland_prof_wide.jpg)
● 桐島ローランド
フォトグラファー・総合ヴィジュアルクリエイター・3DCGエバンジェリスト。
1991年 ニューヨーク大学芸術学部・写真家卒業後、本格的にフリーランス・フォトグラファーとしてのキャリアをN.Y.でスタート。
1993年 東京に活動拠点を移し、多くのファッション撮影、広告撮影の他、ムービー作品も手掛ける。
2007年 パリ・ダカールラリー完走
2014年 3DCGプロダクション、AVATTA設立、代表取締役に就任。ヴィジュアルクリエイターとして写真・ムービー等を制作する傍ら、3DCGが真のフォトリアルとして躍動し融合を果たすことを目的としたエバンジェリストとしての活動を行う。国内外を問わず、多数のテクノロジーオリエテイティドなカンファレンスなどにも出席、マイクロソフトの販売代理店アドバイザー、自動二輪車メーカーのアンバサダー等も務める。
AVATTA URL/https://avatta.net/